新生児にとって「吸う」とはどういうことか 1


新生児の授乳に関する表現がいくつかあります。


日常的なものは「吸う」で、「おっぱいを吸う」と表現します。
ミルクを哺乳瓶で授乳する場合には、ミルクを「飲む」になります。
それ以外には「哺乳」という言葉がありますが、これは「乳を飲ませて子を育てること」という意味が辞書に書いてあります。ということは、主体は新生児ではなく、母あるいは養育者ということになります。
でも、新生児を主体にした「哺乳障害」という使い方もします。
あるいは赤ちゃんの飲む力が安定していると、「哺乳力良好」という表現にも使います。
また、医学用語では赤ちゃんの「吸う」行動様式を「吸啜(キュウテツ)」と言います。たとえば、赤ちゃんが母乳やミルクをよく呑んでいる様子を「吸啜力良好」と表現します。



新生児の行動を表現する言葉には、表現自体と実際の赤ちゃんの様子がどうもうまく表現しきれていないと感じるものがあります。


「赤ちゃんが『泣く』ということ」で書いたように赤ちゃんの泣くことを専門用語では啼泣(ていきゅう)と言いますが、それは「つぎつぎと伝えてなく」という意味があるようです。
http://blogs.dion.ne.jp/doramao/archives/9584887.html
新生児が泣き始めると、「おなかがすいた」と受け止めて「授乳をしましょう」と通訳していまいがちですが、新生児は何か別のことを伝えようとしているのではないかと感じたことを書きました。


タイトルの「吸う」も、新生児の行動を言葉で適切に表現する難しさを感じるもののひとつです。
不定期になるかもしれませんが、しばらく何回かにわけてこの「吸う」とはどういうことか考えてみたいと思います。


赤ちゃんの授乳を体験された方で、授乳中の発見があったらどしどし教えてください。



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