体重の謎あれこれ 3 <筋力とバイタリティ>

テレビの映像は実物よりも少しふくよかに見えるのではないかと思います。
タレントさんも実際には、かなりやせていないとテレビ映えしないのかもしれません。


競泳の選手、特に女子選手もテレビでみるとそれなりにふっくらして見えるのですが、会場でみるとかなり筋肉がついているはずなのにスリムな体型で驚きます。


競泳大会の観戦で楽しみなのが、開始前のウオーミングアップをみることができることです。
先日のFINAワールドカップでも、各国の選手が練習しているところを観ることができました。


その中で、日本の同世代の女性の中では筋肉量が多い日本人選手が、外国選手の中にいると貧弱な体型に見えてしまうほど、海外の女子選手はたくましい体をしています。
身長はそれほど変わらなくても、一回りぐらい大きく感じます。


<筋肉そのもの、ホッスー選手の体型>

あのカテインカ・ホッスー選手になるとお腹周りがふっくらしていて、モデルのように細い日本人選手に比べると、なんだか少し幼児のようなおなかに見えます。


彼女の泳ぎを観ていて、あれは「腹筋」ではないかと思います。
ウオーミングアップをしている選手の中で、ひときわスピードを出してがんがんと泳いでいる選手がいて、ホッスー選手だと確信しました。
他の選手が6ビートで蹴り続けなければ得られない推進力を、1キックだけでもすーっと進んで行くのは、あの腹筋による体幹の強さではないかと素人ながら思いました。


検索していたらYAHOO!ニュースの10月29日分に、ホッスー選手のインタビュー記事がありました。

一方で会場の話題をさらったのは"鉄の女"カテインカ・ホッスー(25=ハンガリー)だ。7種目に出場し、金3銀2と怪物ぶりを発揮、レース→ダウン→表彰台→レースのローテーションをひたすら繰り返す姿は驚きの一言で、マルチスイマーの萩野も「いや〜、疑いますよね。大丈夫かな?いろいろ心配になっちゃう」と脱帽するほどに。


W杯は賞金が出るため、昨年はシリーズで3000万円を荒稼ぎしたという彼女。耳を疑うのはその練習量だ。ホッスーは「一日8〜9時間、オフはありません。日曜日も泳いでいます。仕事を持っているとしたら一日8〜9時間やっている。わたしはそれが水泳だと思っています」と話す。
コーチによれば10時間に達する日もあるという。当然体力を維持するのは並大抵のことではない。食事は1日6回。

やはり努力の人だったのですね。あのおなかまわりの筋力も練習量を物語っているのだと思います。



<筋力と浮力とバイタリティ>


通っているプールでみていると、重い筋肉があるがっしりした男性ががむしゃらに泳ぐ横で、脂肪の多い女性のほうがスーと速く泳いでいることがけっこうあります。


筋力アップすれば速く泳げるかというと、水の中では筋肉は浮力と拮抗してしまうところが難しいところかもしれません。
それでも体幹の筋力は無駄のない泳ぎには欠かせないし、持久力という意味でも筋肉は大事ではないかと思います。


そしてこうした選手の強さは、もしかしたら人からどう見られているか、スタイルがよく見えるかとかよりも、自分が何をしたいのか目標に向かっていく精神力ではないかと思えます。


やせて見えることがすてきという呪縛が社会に広がることは、女性の可能性をも狭くしていまうのではないかと、ホッスー選手をみて感じました。
あ、もちろん、太りたくても太りにくい体質の方もいらっしゃることでしょう。


人は人、自分は自分というところの気の持ちようなのだと思います。




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