産後ケアとは何か 32 <助産師が『助言』『指導』?>

「産後ママに訪問型ケア 助産師が助言 松戸市」というニュースがありました。

 松戸市は今月から、生後4ヶ月未満の赤ちゃんを抱えながら家族などの援助を受けられない母親のため、助産師が自宅に出向いて育児や生活を支援する訪問型産後ケア事業を始めた。


 県助産師会に委託し、同市や近隣自治体の助産師8人が、もく浴や授乳をしたり、母親の健康管理や赤ちゃんの観察ポイントなどを助言したりする。同市に住民票があり、体調不良や育児に不安があるのに家族に近くにいないなど十分な援助を受けられない人が対象となる。利用料は1日2時間以内で1000円。


 同市は2医療機関に委託し、1泊2日(利用料6000円)で同様の支援を行う宿泊型産後ケアも実施している。利用は訪問型と宿泊型合わせて7日まで。
2016年11月4日(金)読売新聞


検索すると、松戸市が10月31日に出した「産後ケア(訪問型)の開始について」という報道資料がありました。


助産師が家庭訪問で産後ケアを開始。千葉県助産師会に委託は県内初。


 出産後、家族等から十分な育児等の援助が受けられず、特に育児支援を要するご家庭に助産師が、産後ケアのために訪問をいたします。

 これまでの宿泊型産後ケアに加えて、二人目以降の赤ちゃんを出産されたお母さんも、ご家庭の心配をせずに安心して利用できます。松戸市はお母さんと赤ちゃんへの心身のケアや育児のサポートを行い、産後の生活を支援します。

対象者として、「お母さんの体調不良や育児不安のある方」「ご家庭などからの援助が受けられないかた」とあります。



すでに10年ぐらい前から「産褥支援ヘルパー」が始まり、現在は「産前・産後育児支援サービス」に拡充された事業があるのですが、それとどう違うのだろうかというのがこのニュースを読んでの疑問でした。


たとえば産前・産後育児支援ヘルパーであれば、サービス内容として「食事の支度」「衣類の洗濯」「清掃・整理整頓」「もく浴の準備・片付け・手伝い」「生活必需品の買物」「上の子の世話(保育園の送り迎えまたはお迎え、室内での遊び)」「健診等の付き添い」「育児の助言・相談」が行われています。


期間としては産後2か月までと短めですが、15日間ぐらいは使える自治体が多いようです。


特にお二人目以降の場合、「上の子への対応」がお母さんたちの生活支援のニーズとしては大きいのではないかと思います。


松戸市の報道資料には、事業内容として以下のように書かれています。

助産師が自宅に訪問し、下記の支援を行う。
1 お母さんの心身の健康管理と生活面の助言・指導
2 赤ちゃんの健康状態の観察ポイントの助言
3 乳房ケアや沐浴・授乳等の育児指導
4 育児相談や授乳情報の提供など

申し訳ないけれど、一抹の不安がよぎりました。



お母さんたちのニーズが本当に把握されたうえでのサービスなのだろうか。
「助言・指導」よりも、切実なのは「生活支援」の部分ではないかと私は感じているのですが。


そしてその「助言・指導」は本当に大丈夫なのだろうか。
助産師には、産後の「助言や指導」をするほどの標準化されたものがあるのだろうか。



乳房マッサージとか代替療法とか自己啓発とかの方向へ引き込まれなければよいのですけれど。






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