バルサ「1.5」軍でも4発!支配率72%でアジア王者圧倒…クラブW杯

トヨタ・クラブW杯準決勝 アルサッド0―4バルセロナ(15日・横浜国際競技場) 欧州代表のバルセロナ(スペイン)がアジア王者のアルサッド(カタール)に4―0で完勝し、南米覇者サントス(ブラジル)との18日の決勝(横浜国際)へ進出した。エースのFWメッシ(24)は厳しいマークに遭いながらも、後半19分にMFケイタのチーム3点目をアシスト。相手DFと交錯して左足脛骨(けいこつ)を骨折し、16日に緊急帰国することになったFWビジャ(30)に2年ぶり2度目の優勝を届けるため、サントスFWネイマール(19)との夢対決を制する。

 バルセロナはFWメッシとMFイニエスタこそ先発したが、フィールド選手の半分が控えメンバーの「1・5軍」。それでもアジア王者アルサッドを終始圧倒した。

 前半25分、先制ゴールを挙げたのは右サイドバックアドリアーノ。アルサッドDFとGKがボール処理にもたつくところへ走り込んで押し込んだ。同43分にはMFチアゴとのワンツーパスで抜け出し連続ゴール。「(3バックへの変更でMFに上がり)ゴールに近くなったからね。2点入れるのはこれが初めて」と笑顔。本来はDFダニエウアウベスの控えだが、2ゴールで今大会得点ランクトップに立ち「考えてないけど、それも狙っていこうかな」と笑った。

 ボール支配率も72%と圧倒。ほとんど敵陣でプレーし、ゴールシーンでなく、パスが回るだけで満員のスタジアムからため息がもれた。しかし、体を張ったアルサッドの前に苦しむ場面もあった。ビジャに代わって出場したFWサンチェスは内転筋を痛めて途中交代。DFプジョルは右すねを打撲し、DFマスケラーノは右足を踏まれた。

 主将のDFプジョルは「自分は大丈夫。最初の20分間は苦労したが、1点が決まってから楽になった。ビジャにタイトルを贈ることをモチベーションにして決勝を戦う」と誓った。ビジャを失ったが、MFシャビ、DFダニエウアウベス、DFピケらの温存には成功。中2日の決勝戦に挑む。

 ◆アルサッド会長、ビジャ骨折を謝罪
 全員が自陣に引いて守備を固めたが大敗。シュートは2本、ボール支配率も28%と一方的だったが、「バルセロナとやったらこの結果は仕方ない。選手の健闘を祝福したい」とフォッサーティ監督は脱帽だった。試合後はクラブの会長が、ビジャを骨折させたことでバルサ・ロセイ会長に謝罪した。