トッド=ソロンズ・もーしょん・ぴくちゃあ

普段は気づかない、あるいは気づかない振りをしているけど、急に自分のみじめさにいたたまれなくなり、その考えからなかなか逃れられなくなることがよくある。そういう時は決まって、なにか"ホシイモノ"があるときだ。
"ホシイモノ"があるとき、人は一生懸命努力をしたり、あの手この手を尽くして手に入れようと画策するが、傍目に見て明らかに勝算がないような場合の努力は滑稽ですらある。それはまるで、トッド=ソロンズの映画の登場人物のようだ。


はっぴね〜すんふふふ〜(歌詞が聞き取れないようです)



幸福になりたい、そんなシンプルな希望を持ちながら、その欲求の満たし方がわからない、あるいは間違っている、あるいは必死すぎて見てられない、そんな人々を、これ以上ないくらい惨めに描写する、トッド=ソロンズはそういうコメディの名手だ。そして我々は、そういうみじめな人間を「笑う」(あるいは「嘲笑う」)ようにできている。
多かれ少なかれ、人は「ミジメ」を抱えて生きている。その「ミジメ」さを上回るような惨めさを見て、人は「アンシン」して笑うのだ。そしてその惨めさはひどければひどいほどいい。
醜くて、歪んでいて、浅ましい。そんな人間が七転八倒して、結局元の位置かそれ以下のところに戻っていくのを見て、

あいつを見ろよ!なんてみっともないんだ!

と笑うのだ。


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