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深沢克也の日記

2013-03-21

私は私を育てたいわけではない、という話 -教育が下手な先輩の言い訳-

はてブで気になる記事を見つけました。

辞めるか辞めないか

私はどちらかと言うとこの話に出てくる「先輩」のスタンスでいるのでかなり身につまされる部分もあるのですが、どうにも先輩と元増田さんの間で問題点がズレている気がします。
あ、でも、私はあくまでプログラマなので、その点、細かい部分が違うかもしれませんが。

大体うちの後輩に同じような人がいたので、その時に行ったお説教の話をしようかと思います。

メモには「タイトル」をつけてください。

一番気になった点。

私を含めたメモが下手な人って、「何を書いて良いのか分からない」ことが問題なんですね。
だから意味不明なコトを書いてしまって、読み返しても情報量が少ないことを本能的に理解しているから読み返さないんです。

と言うことで、ワンポイント。
ノートに取るのであれば、頭の二行くらいは空けてメモを取ってください。
メモを取った後、自分の席に戻ってからメモを読み返して、頭二行に「このメモのタイトル」をつけてください。(話を聞いた内容じゃくて、メモの内容だよ!)
どうでしょう? 「先輩に言われたこと」とかそんなタイトルにしかならないのでは?
そんなメモ、後で読み返しても、「あぁ、先輩にボロクソ言われたわー」ってずーんってへこむだけなんです。そんなメモは破り捨てましょう。びりびりぽーい。

これを、「事務手続きのポイント」とか、具体的な作業に紐付けたタイトルをつけられるようなメモの取り方、質問の仕方をしないと、先輩も後輩も時間の無駄なんですね。
で、そういうタイトルをつけたメモを作るには、質問の時点、あるいは相手の話の発端の時点で、「どういうタイトルになるかを考えて、その方向性に話を絞る」ことが求められます。
基本的に先輩も万能ではないので、後輩から来る「つかみどころのない状況説明」を噛み砕いて、「何を説明して良いか」を推測しながら話しているんです。
なので、お互いに「この話のタイトルは何か?」を考えながら話ができるように、ちゃんとお互いに方向性を決めながら話さないといけません。

おそらく、この部分が無いから、先輩側もだんだん「何を話して良いかわからない上に、何回確認しても全然伝わっている感じがしない」ので、どんどん話が脱線していってしまうわけです。
話が脱線するから、出来上がったメモのタイトルが「先輩からの指摘事項」にしかならないんです。
大体、私を含めて、「説教」なんて、言ってて気持ち良くなってるだけなんだから、「説教」にならないようにコントロールしなきゃダメでしょ。
後輩の側から「つまりこういうことですか!?」とか言うようにしましょう、「違う!」とか「そうだ!」とか言われるわけで、そうすればタイトルがつけれるでしょ、メモに。

「何を」頑張るかを定義してください。

コレは以前ブログで書いたことがあるのですが、「頑張る」ってあまりにも雑です。*1
プランが無い頑張りって言うのは無意味だ、ということをまずはご理解ください。

例えばメモが下手なことを指摘された時に、「すいません、次からはちゃんとしたメモが取れるように頑張ります」としか返事ができない場合、それはまだ「頑張ること」としてあげちゃダメです。
「何を頑張るの?」って質問された時にちゃんと答えられるまでは考えてから頑張らないと、本当に無駄になっちゃう。
かといって、「後から読みやすいようにこれからペン字を勉強します!」とか「すばやくメモれるように早稲田式速記術を学びます!」とかもなんか、それができたところでメモは下手なままなので、この部分はかなり考えないと成長しないわけです。
テスト問題みたいに「正解と不正解」が明確にみんなで共有できる問題じゃないものは、先に「正解」を定義しないと、勉強できないのですが、どうにも、その部分で意識が足りていない人が多いです。

簡単に言うと「評価基準」が共有できていない状態で、「頑張る」と言う雑な言葉を使ってしまうと、お互いにとって損ですよ、って話。

例えばメモが下手、と言う指摘に対してすぐに改善案が浮かばなければ*2「どうすれば良いメモになるか」をまずは定義しなければ話は始まりません。
「字が汚くて後から読み返すと読めない」とか「単語の羅列にしかなっていない」など、「メモがダメな理由」を見つけて、その改善方法を考えなければ「良いメモ」にはなりませんよね。
ところが、多くの場合、こういう部分を端折って「頑張る」って言葉で誤魔化しちゃうんですよ。

そりゃあ自分がダメな理由とか考えると憂鬱になるんですけど、そのやり方じゃあ「頑張ってない」って言われちゃうに決まってるじゃないですか。
先輩の頭のなかにある「頑張った結果」と後輩の頭のなかにある「頑張った結果」が違うんですもの。

レビューやチェックは「プレゼンテーションの場」です。

最後に、レビュー、チェックの話。
先輩の言うとおり「完成したと思わなければレビューもチェックもお願いしちゃダメ」です。
レビューやチェックは完成品をプレゼンテーションする場なんですよ。
「俺はこんなに考えてこんな流れでこんなスタンスを取っています。文句があるなら俺よりもっと考えてから文句を言ってください」って言うスタンスを取るわけですね。
ここを見誤ると、ただの「お伺いたて」にしかならないわけで、そうするとチェックって言ってももあら捜しゲームになったり魔女裁判になったりするんです。

この前提で考えた場合、懸念点や疑問点は、「チェック/レビューの場で明かす」のではなく、「それ以前の時点で明かす」ことが求められます。
だから「この部分、ちょっとどうやって良いのかわかんないんですけど」とか「ここは自分はこういう考えで推進しているんですけれど、ちょっと違和感が残ります。考え方から間違ってませんか?」とか、そういう質問や確認は、「事前に」行うんですね。
どうしても全体の方向性がわかんない場合に良く使うのは「草案を作って、こんな方向性で良いかを確認してもらう」ってところでしょうか。
ここで知りたいのは「体裁や段取り」であって「細かい技術」じゃないよ、って言う意味を込めて、「体裁と段取りしか書いてない資料」を提示して質問するわけですね。
そうしないと、先輩は「どこを読んでどこを指摘して欲しいのかわからない」ので、そんな読み方したら指摘も雑にならざるを得ないんですよ。
後輩としては「全部読んで全部指摘してほしい」のかもしれないのですが、それってつまり「先輩が代わりに書いてよ」って言ってるのと同じってこと、理解してます?

ちなみに、そういう質問を特に理由も無く「いや、そういう質問はレビューの場でしようよ」とか言っちゃう人はダメな先輩です。蹴り飛ばしましょう。
理由がある場合は「レビューの定義」なり「チェックの定義」なりを押さえる必要がありますね。

これらは「自分で定義する」ことができなければ意味がありません。

これらを全部先輩が説明すれば良いじゃん、と思う人も多いかもしれません。と言うか、私も思っていました。
自分が先輩になったらもっとちゃんと教えよう、と、私が教えるときにはかなり徹底して「自分の意図」や「指摘内容の具体的な定義」をトコトン説明しました。
でも、それだとうまくいかなかったなぁ、と言うのが最近の印象です。

私も中小企業勤務なのですが、中小企業に必要なのは「上が決めたルールで働く人」ではなく、「自分でルールを作り上げる人」なんですね。
上が決めたルールに乗っかるだけなんて、中小企業の場合はとてつもなく危険。
「上が間違えたら反省する暇も無くつぶれる」ワケですから、そのリスクヘッジも兼ねて、「みんなでルールを作り上げる」ことが求められるんですよ。
# 大企業だと、トップの判断ミスが発生した場合でもトップが辞任してから方針転換するだけで、会社が潰れるってなかなか無いじゃないですか。
# もちろん、トップが判断ミスを握りつぶして秘匿してたら某社のように潰れるんですけど。

上に書いてあるようなノウハウやら「先輩の言葉の裏の意図」をそのまま伝えてしまうと、その後輩は「私のルールで動く人」にしかならず、それは悪い意味で「私の劣化コピー」を作ってしまうんです。
ここまで説明してしまうと、相手は「考えること」ができなくて、「私の考えとの答え合わせ」しかできないじゃないですか。
考えることができないと戦えない現場で、考えてもらうことを前提とした教育にならないんですよね。
最近は反省して、なるべく上にあるようなことは言わないようにしていますが、それはそれで元増田の方みたいな感じになってしまうのかなぁ、といろいろと悩んでおります。

いずれにせよ、元増田の方のお話からは、先輩は「ルールは何か」を考えることを求め続けている印象を受けました。

ということで、無理ならやめれば良いと思います。

元増田の方は、上にあるような部分を「今後も考え続ける」ことが求められる仕事なのではないかと思います。
それが向いていない、と思うのであれば、辞めたほうが賢明じゃないかなぁ、と思います。
今後も上のような内容を「考え続ける」ことが求められ、さらに「具体的なアウトプットの形にする」ことが求められる仕事なのでは。
それは、元増田の方にはいささか荷が重いように感じるのですが。

*1:努力しないでください: http://d.hatena.ne.jp/fkatsya/20120603/1338707476

*2:というか浮かばないからメモが下手なんだけd

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