からかい上手の高木さん 1

山本崇一朗からかい上手の高木さん」、1巻 (小学館)

教室の席が隣の高木さんのお話。

隣の女子の人を意識してしまうというのはたいへん身に覚えのあることではありますが、
この主人公くんが稀有なのは、いつもからかわれてばかりの高木さんにどうやって仕返しするか、ということしか考えていないところでしょうか。

ものすごく視野が狭くなっているのも若さという特性なのかもしれませんが、
この純朴さこそが肝のような気がします。

自分だったら意識しすぎて挙動不審に陥って、とてもじゃないけどからかってもらえる状況が想像できません。

主人公くんの素朴さからくる安心感みたいな部分が大事なのかもしれません。

傍から見れば恵まれた状況なのに、本人は認識できていないという、悲しさ。

主人公くんは数年後に、あの頃を思い出して後悔すればいいです。



クラスメイトさんから、この2人がどう見えているか、という描写もあったりしますが、
この年代の女子の人で、女子の人同士でつるまずに男子とばかり一緒にいるって、実際のところどうなのかしら。

幸い、本作のクラスメイト女子さんたちは朗らかな感じですが、
陰湿な方向へ向かってもおかしくないように想像することもできます。

ただ、高木さん自身が、けしてつきあいが悪いわけではないものの、わりと孤高な傾向のようなので、立場が強いのかもしれません。

少し昔なら、ヤンキー的な少し枠から外れかけたお姉さんが、孤立しかけている男子にも意外に優しく接してくれた、みたいな経験談

あれは勘違いするので危険。




高木さんの、ハの字というかもっとRの小さい円弧みたいな眉毛の笑顔とか、たまりません。



そんなわけで、窓側最後列で男女隣り同士ということで、「となりの関くん」(アニメ既見、原作未読)と通ずるところもありそう、などという言及は既に普及しているに違いありません。

そういえば「たまこラブストーリー」でも、たまこさんともち蔵さんは窓側最後列で男女隣り同士でした。

あの、たまこさんともち蔵さんがあまり動かずに周囲の時間だけが経過していく描写もおもしろかったです。