キャロル 感想

映画「キャロル」を観ました。(3月5日観賞分、チネチッタ
字幕版。

百貨店のおもちゃ売り場で働くカメラマン志望の若いヒロインと、子供のクリスマスプレゼントを買いに来て手袋を忘れていったご婦人・キャロルさんとの、交流のお話。

ヒロイン側から見るとキャロルさんは神秘的で落ち着いた雰囲気の素敵なマダムみたいに見えます。
一方で、キャロルさんが家族と一緒に居る時はわりと直情的でヒステリックとすら言えそうな面もあります。(もっともキャロルさんが短気だというだけでなく夫の人も高圧的というかキャロルさんを束縛したがる傾向があるみたいで窮屈な感じでもあるわけですが)

そんな二面性のようなものがキャロルさんという人物の深みになっているのかもしれません。

映画の構成としては、ヒロインさんとキャロルさんとが会食している場面から始まって、なんやかんやあってヒロインさんの回想とオーバーラップする形でヒロインさんとキャロルさんとの出会いの場面からこれまでの流れを振り返っていって、また冒頭の場面に戻って、ようやく結末、という感じ。

整理してしまうとどうということはないですが、見ている最中には、おぉ、ここであの場面に繋がるのか、と巧妙なトリックが種明かしされたようなスッキリした感じを受けたように覚えています。
それだけ、そこまでの紆余曲折があまりにも紆余曲折だったのだと思います。

ともあれ、百合とかレズビアンとかいうものよりももう少し一過性の、ちょっぴり熱に浮かされていた感じの衝動なのではないかと、傍から見る分には思うのですが、本人たちの気持ちはまた違うものなのかもしれません。