BFG 感想

映画「BFG」を観ました。
9月19日、横浜ブルク13にて。
2D字幕版。
原作未読。

巨人のビッグ・フレンドリー・ジャイアント爺さんのお話。

BF爺さんが児童養護施設から幼女を拐かした件についてのフォローが何も無かったように見えて、なんともモヤモヤした気持ちが最後まで晴れることはありませんでした。

前科持ちな爺さんの再犯ということのようなので、擁護の余地は無いと思うのですけれども。
スッキリしません。

ヒャッハー勢に虐げられたBF爺さんが更に弱者である幼女に手を伸ばしてしまう、救いの見えない負の連鎖。
つらい。

BF爺さんのセリフによると巨人族は地球と同じくらいの年齢らしいのですが、それだけの年月を経た結果があんなヒャッハーな人たちなのかと思うと、時間の残酷さを感じます。
十二国記だったかナウシカだったかで、はじめのうちは賢王だった人でも年を経ると暴君になってしまうみたいな話があったようにおぼろげな記憶がありますが、長寿というものは心の摩耗もたらしてしまうのかもしれません。


英語がわかる人なら言葉遊びの部分をもっと楽しめたのかなあと思います。

「人間」のことを巨人族は「ニンゲンマメ」とか「マメ」とか呼んでいましたが、どうやら「ヒューマン・ビーイング」を「ヒューマン・ビーンズ」と言い換えていたようでした。
そういう言い間違いというか言葉遊びみたいな要素がいろいろ盛り込まれていたようなのですが、とにかく英語の聞き取りができないもので、字幕であえて違和感のある書き方をされていても、それがどういう言い間違いなのかわからなかったのが少しもどかしかったです。

とくに、BF爺さんと同族の巨人たちについて、あれは固有の名前なのか、種族としての名称なのか、すらわかりませんでした。


舞台となったはイギリスということで、ひょんなことから女王陛下が登場します。
あのあたりのくだりは、なんだか楽しかったです。

おそらく想定外の事態でしょうに、それでもなお取り乱すことなく、女王陛下の威厳のもとに衛兵さんたちも落ち着いた対応をしていて、さすがは英国でした。

あと、女王陛下の一存ですぐさま軍隊が動くところもさすがです。

どこかの東の果ての国みたく、軍隊を動かすために段階を踏んだ承認を経たり会議を繰り返したり総理ご決断を!、なんてやっていたらあそこまでスピーディーな対処は難しかったかもしれません。

プップクプーの場面は本作で唯一大笑いできた場面かもしれません。

ただ、いくらなんでも得体の知れない飲み物を女王陛下がいきなり口にするのは無防備すぎではないかと思ったり。
毒味役とかいなかったのかしら。


基本的にはヒロインさんとBF爺さんの二人だけで閉じた世界のお話でしかないように見えました。

が、前述の通りBF爺さんの人柄はともかくその凶行に関しては容認しがたい上に、ぼくにはメガネ属性(メガネキャラに対する嗜好属性)が無いせいかヒロインさんにあまり魅力を感じなかったこともあって、登場人物には愛着をあまり抱くことができませんでした。

どちらかというと、ヒロインさんと同じ児童養護施設の子たちはヒロインさんをどう見ていたのだろう、みたいな部分に興味があります。