これも いきものの サガか(3)

さらに,こないだの続きで書いた藤堂先生の分も上げておこう.こちらもかなりやっつけ.

Yan and de Pabloでは本当は2つのアルゴリズムを提案してるんだが,1つ目がどう読んでも理解不能だったので省いた.著者ら自身も2つ目の方を褒めてるのは事実だし.
追記: そう言えば誤差に関する詳しい分析 arXiv:cond-mat/0506555*1 を見つけるだけ見つけたのだが,√(ln f)に反比例とか何とかよく分からないので,触れるのを忘れていた.まぁいいや.

これも いきものの サガか(2)

まぁこれは,そんなに酷い出来でもないかな.

1, 2問目はどうでもいいんだが3問目は異常に負担が多く,ナニコレという感じ.研究室のF君から教えてもらった,その問題のネタ元であるBraunstein and Kimble, Teleportation of Continuous Quantum Variables, PRL 80, 869 (1998)の前半の解説になっている.
量子系に対する擬似確率分布関数の一種Wigner関数を主役にした量子力学の体系を構築することができて,しばしば "quantum mechanics in phase space" 等と呼ばれる.しかしSchroedinger形式やHeisenberg形式を完全に置き換えるには至りそうもない.と言うのも任意のunitary変換で結ばれた状態それぞれのWigner関数は一般には簡潔な関係を持たないからだ.実際,時間発展は
\partial_t W(x,p) = \left.\frac{2}{\hbar}\sin\left[\frac{\hbar}{2}\left(\partial_{x1}\partial_{p2}-\partial_{x2}\partial_{p1}\right)\right] H(x_1,p_1) W(x_2,p_2)\right|_{x_1=x_2=x,p_1=p_2=p}
という妙な式で記述される.(この辺はHillery, O'Connell, Scully, and Wigner, Distribution Functions in Physics: Fundamentals, Phys. Rep. 106, 121 (1984)やLee, Theory and Application of the Quantum Phase-space Distribution Functions, Phys. Rep. 259, 147 (1995)にいくらでも詳しく書いてある.)
しかし量子光学で現れるいくつかのunitary変換については都合よいことにWigner関数同士も変数変換で結ばれる(例えばBarnett, Methods in Theoretical Quantum Optics, OUP, p. 122*1).そのような性質を利用しつつ,Braunstein-Kimbleはパラメタrのsqueezed vacuumから作ったEPR対を利用した量子teleportationが「入力状態のWigner関数を分散exp(-2r)のGaussianで畳み込む」という簡潔な操作に対応しているという驚きの事実を述べている(r→∞で畳み込みは恒等変換となる). ...等を,式を追って(Gauss積分ばかり)解説したのだが,やはり変数変換周りが色々怪しくて,具体的には積分の変数変換で余分な因子-1だの1/εだのが付いてしまった.その辺りは適当な表現でごまかしてある.特に最後,EPR対のBobのmodeのdisplacementはBraunstein-Kimbleでは抽象的に書いてあるが 古澤,量子光学と量子情報科学数理工学社 ではあくまで実験系ベースで,変調した光とのbeam splitterによる重ね合わせで説明されている.その重ね合わせで導入されたmodeに関してGauss積分したら符号どころか1/ε(→∞)が付いて,さすがにこれは規格化を崩すのでけっこう困った.

BSをこうやって処理しようとしてできなかった

量子光学でBeam Splitterの相互作用Hamiltonianに関係する式なのだが,
A \equiv a^\dagger_1 a_2 - a^\dagger_2 a_1
とすると,a^\daggerとの交換関係と等価な式を行列形式で
A \left(\begin{matrix} a^\dagger_1 & a^\dagger_2 \end{matrix}\right) = \left(\begin{matrix} a^\dagger_1 & a^\dagger_2 \end{matrix}\right)\left(\begin{matrix} A & 1 \\ -1 & A \end{matrix}\right)
と略記できる.この形を基にすればA^ka^\daggerとの交換関係は
\left(\begin{matrix} A & 1 \\ -1 & A \end{matrix}\right)^k = \left(\begin{matrix} f_k(A) & g_k(A) \\ -g_k(A) & f_k(A) \end{matrix}\right)
から計算できる.ここで2種類の多項式
f_k(x) \equiv \frac{1}{2}[(x+i)^k+(x-i)^k]
g_k(x) \equiv \frac{1}{2i}[(x+i)^k-(x-i)^k]
と定義される.See also Sloane's A096754 ( http://www.research.att.com/~njas/sequences/A096754 )
追記:A^k (a^\dagger)^nA^k(a^\dagger)^nより右に移したかったんだけど,(ありがちだが)n重ネストした和が出て処理しきれなくなってしまったという話.

これも いきものの サガか(1)

日々を生きるためとは言え,こんな酷い出来栄えのレポートを提出してしまった...

後は藤堂先生分 (Monte Carlo) だ.うひー
(ちなみに要求されている質に対する比で言うと,一昨日提出した修士論文修士論文発表審査会の資料になる版)の方が酷かった気もする.あれはさすがに冗談でも外部に出回らせる訳にはいかない)

コメントをメールで通知する機能のバグ?

なんか最近,はてながこの日記へのコメントをメールで通知してくれなくなったんですが...
myはてな とやらで確認するとちゃんと学校のアドレスになってるし,学校のアドレスでは勝手にはじくフィルタはないはずだし,おまけに同じアドレスで再登録しようとしたら理由も表示されずに「このメールアドレスは使用できません」とか文句言われる.
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