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02月23日(水) [マン点コラム] この10年の新築マンション市場(首都圏)を見える化

本日、マンション広告なし。

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不動産経済研究所が2月22日、「2010年の全国マンション市場動向」を発表。

大見出しは次の3つ。

  • マンション発売、6.4%増の8.4万戸。5年ぶりに前年比増加に。
  • 東名阪は増加も地方圏は全滅。大都市圏中心部・大手中心の市場。
  • 平均価格は5.8%UPの4,022万円、発売総額は13%増加の3.4兆円。


マスコミ各社のネットニュースの見出しも、上記見出しをなぞらえたものが多く、内容的にも物足りない。

  • 日経:全国マンション発売6.4%増 2010年、大都市圏で回復
  • 朝日:10年のマンション発売、5年ぶり増 都市部のみ伸長
  • 読売:マンション発売5年ぶり増
  • 毎日:マンション発売:5年ぶり上昇 10年は8万4701戸


今回、不動産経済研究所が発表した記事には、過去10年間のマンションの「発売戸数」や「価格」の推移データが表形式で掲載されている。

さらに、08年〜10年の事業主別発売戸数(上位20社)――いわゆるランキングも掲載されている。


最近の新築マンションの市場動向(首都圏に限らない)を知るための、貴重な情報が満載されているのだが、いかんせん、数値の羅列なので、直観的に理解しづらい。

そこで、首都圏のデータを中心にグラフ化したうえで、独自の考察を加えてみた。


新築マンション発売戸数の推移(全国)

「5年ぶりに前年比増加」ということなのだが――

新築マンション発売戸数の推移(全国)

全国の発売戸数の約半分を占める首都圏の傾向を見ると、05年から下降し続けていた発売戸数は、09年をボトムに反転していることが分かる。

ただ、05年以前の8万戸の水準には遠く及ばない。


新築マンション発売戸数の推移(首都圏)

首都圏の新築マンションの発売戸数の内訳を見てみると――

新築マンション発売戸数の推移(首都圏)

23区の発売戸数だけが、この2、3年、低迷状況からなんとか脱しつつある様子がよく分かる。


新築マンション価格の推移(首都圏・近畿圏)

ここ10年の販売価格の動向はといえば――

新築マンション価格の推移(首都圏・近畿圏)

首都圏の「平均価格」は、01年に約4,000万円だったのが、06年を境に大きく上昇し始め、07年に約4,600万円、10年には約4,700万円となっている。

また、首都圏の「平均単価」のほうも、06年を境に大きく上昇し始め、07年にm2当たり60万円の水準を上回り、08年以降は約65万円前後と高止まりしている。


新築マンション価格の推移(3都県)

3都県の新築マンション価格の動向はといえば――

新築マンション価格の推移(3都県)

23区の「平均価格」が、07年の6,120万円から漸減し始め、09年に5,190万円と底を打ったのち、10年は5,497万円と微増。


新築マンション?単価の推移(3都県)

23区の「平均単価」は、80万円〜85万円の間に高止まりしている。


上二つのグラフを見て、何か気がつきませんか?

07年以降、23区(赤色)の「平均価格」は漸減傾向なのに、「平均単価」のほうは高止まりしている。

どういうことだか分かりますか?


平均専有面積(=平均価格÷平均単価)が小さくなったことで、「平均価格」が下がっているのです。

ようするに住戸を狭くすることで、分譲価格を下げているということ。

まだ、分かりにくいですか?


新築マンションの価格と専有面積の関係

もう少し分かりやすくするために――

23区の「平均価格」と「平均単価」を用いて、「平均専有面積(=平均価格÷平均単価)」を逆算し、新築マンションの「平均価格」と「平均専有面積」の関係が分かるグラフを作って見た。

新築マンションの価格と専有面積の関係(23区)-1

07年から09年にかけて、「平均専有面積」が小さくなることで、「平均価格」が下がっていく様子が分かりますよね。


上のグラフを作ってみて、改めて気が付いたことがある。

データが二つの塊(「01年〜05年のデータ」と「07年〜10年」)に分かれていることだ。

06年から07年にかけて、「平均専有面積」はあまり変わらないのに、「平均価格」が1,000万円近くも上昇(5,149万円⇒6,120万円)しているのだ。

なぜ、たった1年の間に、23区の新築マンションの平均価格が1,000万円近くも上昇したのか?

新築マンションの価格と専有面積の関係(23区)-2

筆者は、耐震強度偽造事件の影響だと考えている。

耐震強度偽装事件が発覚したのが05年11月17日。

再発防止の一環として、改正建築基準法が施行されたのが07年6月20日。

あまりにも拙速な法改正がその後のマンション不況の引き金となり、「改正建築基準法不況」とか「国交省不況」、あるいは当時の国交大臣の名前をとって「冬柴不況」と言われたほどだ。

改正建築基準法に対応するための、マンション事業の遅延コスト増や、設計・工事監理などのコスト増が、最終的にはマンション価格に反映しているのではないか――。


06年から07年にかけて新築マンションの平均価格が上昇した事象は、23区に限らない。

下図のように首都圏全体のデータを見ても、23区と同様の傾向が読み取れる。

新築マンションの価格と専有面積の関係(首都圏)



事業主別発売戸数の推移(全国)

08年〜10年の事業主別発売戸数(上位20社)データについても、以下に考察しておこう。

10年の事業主別供給戸数トップは3年連続で大京(5,307戸)。

第2位は三井不動産レジデンシャル(5,037戸)、第3位は野村不動産(5,036戸)となっている。

今回、不動産経済研究所が発表した上位20社は、3カ年分(08年・09年・10年)。

ランキング(順位)だけだと、各事業主の勢いのほどが分かりにくい。

そこで、過去に発表されたデータも含め、04年以降の発売戸数の推移をグラフ化してみた。

事業主別発売戸数の推移(全国)

いわゆる大手不動産会社は、常に上位にランクインしている様子がよく分かる。

また、「3年連続トップの大京」とはいえ、かつての発売戸数水準と比較すると大きく落ち込んでいる様子もよく分かる。

06年〜10年までの10社ランキングを表形式でまとめておいたので、興味のある方は、「マンション選び!(http://1manken.com/)」をご覧ください。


発売戸数上位20社のシェア増加が意味するところ

ランキングに目を奪われず、発売戸数に着目することで、大変興味深いことに気がついた!

発売戸数上位20社のシェア増加が意味するところ

上位20社のシェア(全国主要都市の発売戸数に対する上位20社の合計発売戸数の占める割合)が、07年以降上昇し続けている理由だ。

リーマンショックの影響で、中小デベロッパーがマンション事業からの撤退を余儀なくされたことに加え――

耐震強度偽装事件発覚(05年11月17日)以降、ブランド力のある大手デベロッパーの寡占化が進んでいるということだ。


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