都市伝説:赤いマフラー・青いマフラー・紫のマフラー

 ある小学校に、いつも赤いマフラーを着けている女の子が転校してきた。

 女の子も男の子も、あまり愛想のない赤いマフラーの女の子に、最初こそ興味をもったものの、次第に遠巻きにするようになった。

 疑問に思ったクラスの男の子の一人が、「なんでいつもマフラーを着けてるの?」

 と聞いた。

 それまで無愛想だった女の子は男の子の方を向いて、

「中学生になったら、教えてあげる」

 と答えた。

 
 男の子と女の子は同じ中学になった。

 しばらく経ったある日、「中学生にもなったし、なんでマフラーを着けてるのか、教えてくれよ」

 と尋ねた。

 女の子は「私と同じ高校にいったら教えてあげる」と答えるだけだった。

 
 高校でも、再び二人は同じ学校になった。

「何で赤いマフラーを着けているのか、そろそろ教えてくれよ」
 
 男の子の問いかけに、

「私と同じ大学にいったら教えてあげる」
  
 と微笑むだけだった。


 二人は同じ大学の同じ学科に進んだ。

 その頃には、二人は恋人同士になっていた。

 それから同じ会社に就職し、結婚もした。


 結婚してしばらく経ったある日のことだ。

 男は妻となった赤いマフラーの女に、

「ところでさ、おまえって、なんでいつもマフラーしてるんだ?」

 と聞いた。

「そうね。わかった、そろそろ教えてあげる」

 そういうと、彼女は今まで決して外さなかった赤いマフラーを首から外した。

 ごとっごろん

 彼女の首が、床に落ちて転げた。

 彼女の首は、昔から赤いマフラーで繋がっていたのだ。


 その家では、赤いマフラーをした女性と青いマフラーを着けた男性が、仲むつまじく暮らしているという。

 最近では、紫のマフラーをつけた子どもが生まれたようだ。



 これが都市伝説、赤いマフラーです。

 一番最後は本来存在しないのですが、ごく最近に広まっているこの都市伝説の余談です。

 この女の正体は飛頭蛮だったという説もあります.

 そうしたさまざまな解釈をあてはめていくのは、この都市伝説の楽しみ方のひとつでしょう。

 よくわからないけどとにかく怖い、しかもちょっと切ない都市伝説の典型だと思います。