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キリンが逆立ちしたピアス このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-12-02

[][]ミニスカ論争

 曽野綾子産経新聞のコラムに書いた主張が話題になっている。曽野さんによれば、ヨーロッパ在住の日本人*1が、日本の学校制服のミニスカートに眉をひそめているという。そして曽野さんは、次のように書いている。

太ももの線丸出しの服を着て性犯罪に遭ったと言うのは、女性の側にも責任がある、と言うべきだろう。なぜならその服装は、結果を期待しているからだ。性犯罪は、男性の暴力によるものが断然多いが、「男女同責任だ」と言えるケースがあると認めるのも、本当の男女同権だ。

このコラムに対して、抗議をしている人*2もいる。怒りを表明している人*3もいれば、曽野さんのような世代の人間の心情を分析している人*4もいる。

 曽野さんの文章は、主語があいまいで、何をいわんとしているのかがよくわからない。たぶん、フェミニズムをバッシングしたいのだろう。だが、もってまわった言い方をしているので意味がわからない。曽野さんは、女性がミニスカートをはくのは、男性をセックスに誘うためだと考えているのだろう。そして、そういう女性は性犯罪にあってもしかたがない、と訴えているのだろう。異論があるのならば、男女同権をとりやめて、女性は男性に隷属することで、庇護を得るべきだというのかもしれない。曽野さんの文章は、このように保守派が言いそうなことに照らし合わせて推測しなければ、意味の通らない文章である。保守派の隠語会話みたいなものである。

 さて、女性がミニスカートを履くことには、どういう意味があるのだろうか。2001年〜2002年に、ミニスカートの記号的意味めぐる論争が起きている。以下に紹介する。*5

沼崎一郎「ミニスカートの文化記号学―<男力主義>による男性の差別化と抑圧― 」

http://www.kinokopress.com/civil/0406.htm

村瀬ひろみ「「性的身体」の現象学 「ミニスカ」からみる消費社会セクシュアリティ構造」

http://www.kinokopress.com/civil/0501.htm

私自身は、意識や深層心理はともかくとして、少なくとも10代のうちにこうした論文アクセスすることができた。それは、「<私>を見ている男性」を見る、ための視座を獲得できたということだ。私は「見られる」という女性の位置にありながら、その視線に抵抗したり、利用したりしようとする、女性の置かれた位置を俯瞰しようとしてきた。要するに、見られながら、見る主体を確立してきたのである。

 この理由は、「ジェンダースタディーズの蓄積」という学問の恩恵を、インターネットいうメディアを通して受けとってきたことが、大きい。もちろん、メディアを論じる上では、メディアを利用する<私>の身体感覚の変化や、ジェンダー意識の変化を考えることは重要である。しかし、身体やジェンダーを論じている情報にアクセスしやすくなったことも、大きな意味を持つ。私がインターネットに触れ始めたのは、10代後半である。もっと年下の世代は、10代前半、いや10歳になる前から、インターネットに接している。

 私たちは、なにもない真っ白な状態で、ものごとを「見る」ことはできいない。ミニスカートをはく人に対しても、すでに作られた枠組みを通して見ている。そして、その相手が見ているだろう視線を内面化して、「見られる私」を自分自身で構築する。そして、「その構築された枠組みがある」ことを知ったとき、ものの見方はまた変わる。

 女性がミニスカートをはくことをやめる必要はない。仮に、男性がミニスカートをはく女性に対して欲情すると感じるとしよう。さらには、欲情すると、レイプという行動にでることも仮定しよう。だとすれば、男性が見方を変えればいいのである。前者は無理だとしても、後者は可能である。一世代では無理かもしれない。でも、時間をかけてでも変えていきたい。そして、すでに少しずつ変わっている、と私は信じたい。

 現在、私は、ミニスカートをはくことによって、恋愛する相手を誘惑することはない。相手も、ミニスカートをはいていることが、誘惑のサインだとは思わない。それでいいのだ。私のフェティシズムは別のところにあるのだから。

 文脈ははずれるが、スカートの話題で思い出したので、紹介しておく。

スカート (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

スカート (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

スカートをはきたい男の子と、スカートをはきたくない女の子と、スカートをはいて走った男の子の話だ。

追記:曽野さんの名前が間違っていたので、訂正しました。申し訳ありませんでした。

*1:それって誰なの?って感じだが。私の友人にもヨーロッパ在住の人はいるが、こんなこと言ってないで。

*2http://d.hatena.ne.jp/manysided/20091129

*3http://d.hatena.ne.jp/Francesco3/20091129/1259458069

*4http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20091201/1259678004

*5:本当はもっといっぱい書きたかったけれど、明日から関東に旅行に行くのでここまでで。3年前に、似たようなことを別のIDで書いてたのを思い出したのではっときます。「見られたい身体」(http://d.hatena.ne.jp/strictk/20060223)考えてることもだいぶん変わりました。また書けたら。しかし、自分でいうのもなんだけど、3年のうちにちょっとは文章うまくなったんだなあー。読み返して、赤面した。

ようこようこ 2009/12/02 23:40 派手とか声が大きいとか要するに「弱弱しくない」女を批判したい人のファンタジーとして「痴漢に遭うやつは露出度が高い」があると思います。それが全くの伝説なのは、多くの女性の体験からわかるのではないでしょうか。私も、路上でかなりハードな痴漢に遭った時はスポーツ帰りで汚いズボンですっぴんでスポーツバッグを提げている状態でした。電車での痴漢も、露出が高いような見た目に「攻撃的」な人よりも単純に「背が低い」のほうが確率が上がりますよね。そういう意味で、性的被害に遭いやすいのは以前2ちゃんで話題になった「黒髪ロング」だと思います(娘が黒髪ロングだと痴漢に遭うので茶髪にさせるという母親の話題)ギャル系は確かにギャル系の男性からの迷惑はあるでしょうが、最低限「こいつは弱い」という踏み躙るところからの攻撃は受け難いと思うので、若い人がギャル系に流れるのは自衛かなと思います。

font-dafont-da 2009/12/03 00:09 >ようこさん

難しいですね。私は、以前、性暴力被害者の支援団体にかかわっていました。そこは女性限定の団体でしたが、あらゆるタイプの女性がいるんじゃないか、と思うくらいみんなバラバラでした。調査者として統計をとったわけではないので、私の印象論ですが……。痴漢も同じように、被害者が集まったらバラバラなんだという気がします。(というか、むしろ痴漢にあったことのない女性を集めて、共通点を探したほうがいいのかも……。なかなかいないんですけどね、痴漢にあったことのない人。

RR 2009/12/03 01:44 > だとすれば、男性が見方を変えればいいのである。

ここ、論理が飛躍してます。なぜ男性が一方的に見方を変えなきゃいけないんですか? 女性の行動に男性だけが何かを変える努力を負わされなければいけない理由はありません。例えば、男性が短パンを履いているのに嫌悪感を覚える女性がいたとして、それで嫌悪感を覚える女性の見方を変えればいいのです、と言うのでしょうか? おかしいでしょう?

実際には、ご自身で書かれているように、好奇の目にさらされるのと、それが普通になっていくせめぎあいの中で、お互いにお互いの距離感というのを作っていく、というのが現実的な落とし所ではないかと。

y_arimy_arim 2009/12/03 03:05 #Rさん
横レスですが、
>男性が短パンを履いているのに嫌悪感を覚える女性がいたとして
これ、敢えて本文に対応させるなら
>仮に、男性がミニスカートをはく女性に対して欲情すると感じるとしよう
にあたりませんか? 内心の問題ですから。そしてそうであるがゆえにfont-daさんは「前者は無理だとしても」と仰っているのではないかと。Rさんはそこをスルーしていらっしゃるように感じられます。
「女性の見方を変えればいい」という言葉が要請される事態というのは、「欲情すると、レイプという行動にでる」のごとく、嫌悪感を理由に危害を加えるようなケースだと思われますが、いかがでしょうか。

ちしゅーちしゅー 2009/12/03 03:09 自分を、自分じゃない他者の視点から見ることができるようになる、それが大人になるってことだ、‥‥と、高校生の時に通ってた塾の塾長が言ってました。熱く語るんじゃなく、淡々と。聞いたときはよくわからなかったけど、今では何となくわかった気になっています、しかし自分がソレを出来てるかどうかというと、たぶん出来てないように思えます。

自分から、だけじゃなく、他人から見られる自分という視点の獲得というのは、その「大人になる」の大事なプロセスなのかなあと思いました。経験からは、同年齢の場合、男性よりも女性の方がだいぶ「大人」な感じがしますが、それはそういう、何というか、男性が女性を(それとは知らずに)ずいぶん虐げてしまってるような状況が作用してる面もあるからなのかな?と思いました。成長を促しているということ自体は良いことかも知れないけれど、でもちょっと悲しい。

ミニスカ、最近びっくりするようなのは見てない気がします。田舎に越してきたからかな。ミニスカに限らず魅力的な女性を見ると「うわっ」と思って、気付くと不躾な視線を送ってたりします。人によっては「この男バカなんだなあ」的にスルーしてくれますが、人によってはえらい居心地悪そうです。わたしも知らない人からじろじろ見られるのはキライだし、そういう配慮のようなものは忘れてはならんのだなと思います。

tamamusitamamusi 2009/12/04 00:35 こんにちわ。消毒方面から来ました。

「夕涼み、よくぞ男に生まれけり」つう江戸時代の篭かき文化が現代に再現したのかと思えば感慨ひとしお。プ
フランス絶対王朝期には王様までモッコリタイツを穿いてたから、これは社会公認。今でもバレリーノに残ってますぅ。ニューギニアの原住民はペニスサックで局所を強調しておーる!これらに較べればミニスカなど可愛いものだと思いますがね。ヘッ バカな婆あが同性を貶して何とする!とかおもた。ちなみにこれら局所強調の社会的な意義についてはわだすはな〜んも考察でけまへん。どこぞの天才(天災)が分析してくれればしやわせ。ではでは。

六文太六文太 2009/12/23 18:15 こんなくだらないことをまじめに議論してる人たちがいることに驚きました。

font-dafont-da 2009/12/23 23:41 >六文太さん

新たな発見があってよかったですね。

中性士中性士 2010/01/06 16:06 はじめまして こんにちは。

私は、

それでも着るなら着るなりの理由はあだろうし
着ない理由が強ければ着ないだけの話だと思いました。

似合う似合わないはない別として
着衣選択の自由といいますか
勿論ミニスカ自体に悪はなく
それを取り巻く思想にも悪は無いと思いました。

ミニスカは武器にもなりますし
弱者の足枷にもなります。

それを現実でも思想の上でも
自らの置かれた環境状況等で 他を避難し理解しないという事が結局の所 悪なのではないかと思いました。

女性 男性 両サイドから見て あんな素敵なアイテム→
(中には素敵と思わない・思えない方<やっぱ女性の方が多いのですかね>もいるかもしれませんが そんな事を言い出したら世の中沢山のアイテムある中キリがない・・)
→平和に残っていってもらいたいと思いました。

レイプ云々の事件のクダリにミニスカだから云々が出てくる事が悪だと思いました。

ミニスカ とか 誘惑 とか 視線 とか 嫌悪 とか、
人との絡みあわせによって毒にも薬にもなるりコロコロ変わるモノなので
ようは アイテムや感覚・思想を使う 人 次第だと思いました。

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