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2012-05-03

[][]グローバル化した市場の問題を無視したフェアトレード批判を始めると、大変なことになるかもしれない(メモ)

 フェアトレード批判をしている、投資家の記事が話題になっている。

やまもといちろう「数字をきちんと読めない人がフェアトレードとか言い出すと大変なことになるかもしれない(メモ)」

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2012/05/post-8bfe.html

私は、どちらかというと経済の話題は苦手なのだが、あまりにもひどいフェアトレード批判なので、教科書的なことのみメモしておく。

 事の発端は、堀江健太郎のフェイスブックに挙げられた、以下の図とコメントである。

f:id:font-da:20120503143420j:image

この絵、学校教育としてきちんと伝えるべきだと思う。

突き抜けないとこの絵の底に溜まったコーヒーしか飲めないよ、ということを。

コーヒー農家に限らず「一般的」な世界ではプレーヤーが違うだけで、個人に還元される利益はどこも同じような構造だと思うので。

俺はこういう構造に気付くまで多くの時間を要してしまったけれど、気が付いてからは違う目で世界を見ることができるようになったから。

こういうことを知ってるか知らないかだけで人生は大きく変わると思うし、少しでも若いうちにこういうことに気付き、自意識の高い人が生まれたら嬉しいな。

http://www.facebook.com/photo.php?fbid=3906564591039&set=a.2304578822396.135807.1487030623&type=1&theater

コメントに関しては、抽象的な感想だし、「自意識が高い」などよくわからない表現があるため、私もよいと思わない。しかし、問題はコメント部分ではない。先の図の中の商品価格の内訳について、やまもとさんは批判している。やまもとさんの記事の主旨は、上の図の90%以上となっているカフェ・小売業者・輸入業者の取り分は、設備投資や広告の費用であり、コーヒー農家が買いたたかれて、大企業がぼろもうけしているわけではない、ということだ。やまもとさんは、次のように書く。

そう考えると、冒頭で堀江健太郎さんが仰っているような問題意識はやや的外れで、むしろ「外食産業というのは厳しい競争を勝ち抜くために必要な設備投資や広告宣伝負担が大きいから、店舗展開を行ううえでの重しというのは実に厄介なのだなあ」というコーヒー豆全然関係ねえというような結論に本来達するべきなのです。

 つまり、お前らが街角でお茶する代金の結構な割合は不動産賃貸料とコーヒーを煎れてくれる人件費、設備什器代です。店のブランドと環境でセレクトした結果、何十分か店舗内で潰す時間代と思っておけばだいたいあってるんじゃないかと思いますね。

 教訓としては「突き抜けないとこの絵の底に溜まったコーヒーしか飲めないよ」という話ではなく、「駅前に不動産を持っている奴は有利な条件で貸し出しが出来て超有利」とかせいぜいそういう話です。

では、本当に、私たちは「駅前に不動産を持っている奴は有利な条件で貸し出しが出来て超有利」とか思っていればよいのだろうか。なんか、引っかからないか?私たちがコーヒー一杯ぶんのお金を支払って、コーヒー農家の取り分が3〜9円から15〜17円くらいだとしても、コーヒー農家は暮らせるのだろうか?

 フェアトレードを考える上で重要なのは、スターバックスがぼろもうけしているかどうかではなく、農家が暮らしていけるだけの収入が保証されているのかどうか、である。フェアトレードジャパンのウェブサイトでは次のように説明されている。

 コーヒー生産国のほとんどは、いわゆる開発途上国といわれる国々です。コーヒー豆の買取価格は、生産現場とは遠く離れたニューヨークとロンドンの国際市場で決められます。国際市場価格は変動が激しく、ここ最近はテレビなどでも報道されているように、投機マネーなどが流入し価格が高騰しています。しかし、マーケット動向の情報入手や市場への販売手段を持たない個々の小規模農家たちの多くは、中間業者に頼らざるを得ない状況にあり、時に生産や生活に十分な利益を得られず、不安定な生活を余儀なくされ、子どもを学校に行かせるだけの十分な利益を得られないということが起こってしまいます。

 フェアトレードでは、個々の小規模農家がまとまり協働で生産者組合を作ることで、メンバー全員で生産能力を高める取組みをしたり、市場と直接つながり交渉力を身につけ組織を発展させていったり、フェアトレードの利益によって地域社会を発展させていくことができるようになります。国際フェアトレード基準では、生産者の持続可能な生産と生活を支えるために必要な「フェアトレード最低価格」が定められており、国際市場価格がどんなに下落しても、輸入業者は「フェアトレード最低価格」以上を生産者組合に保証しなければいけません。

http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/whyfairtrade/000045.html

上の文章をもう少し詳しく説明する。まず、コーヒー価格の変動をみてみよう。

コーヒー豆価格の推移(1980〜2012年) - 世界経済のネタ帳

上のように、コーヒー豆価格の上下の変動は激しい。こうした価格は、ニューヨークやロンドンの市場で揺れ動いている。小さな市場であれば、ある農産物の豊作であれば、たくさんできた作物を安く売ればいいし、不作であれば、少ししかできなかった作物を高く売ればよい。しかし、グローバル化した市場では、たとえば、大規模農場の多いブラジルでコーヒー豆が豊作であっても、小規模農場の多いエチオピアで不作であるとき、ブラジルの豊作は市場価格に反映されるが、エチオピアの不作は反映されない、ということが起きる。また、ブラジルのコーヒー豆が豊作であれば、より多くの中間業者はブラジルの農家からコーヒー豆を買い、エチオピアの農家から買わなくなるかもしれない。つまり、小規模農場が豊作か不作かとは関係なく、市場の価格や売り上げが決定される。そして、世界中にチェーンを持つコーヒーを提供する大企業は、こうして決定された価格のコーヒー豆を大量に買いグローバル化した市場を支えるのである。

 以上のように、グローバル化した市場では、巨大な農場で安定した生産物を供給できる農家が有利であり、小規模の農場の農家は不利となる。実際に、コーヒーの市場を研究した調査報告では、次のような例が挙げられている。

タンザニア及びエチオピアの生産量は、世界の 4%と 0.6%を占めるにすぎず、両国の生産が先物価格に与える影響はほぼ皆無である。しかし、その生産者価格は、ニューヨーク先物価格に連動している。タンザニアとエチオピアの両国において、政府による管理的なコーヒー流通から自由化された 1990 年代初期から中期以降は、特にこの連動が明白である。辻村によれば8、大規模農園における機械による収穫が主であるブラジルでは、50 セント/ポンドのニューヨーク先物価格で生産費をまかなえるが、小規模農家による手摘みが主であるタンザニアでは、150 セントを超えて初めて一定の生活費が実現するという。50 セント/ポンドは常に実現しているが、150セントは数年に一度の高騰時以外は実現していない。近年、ブラジルの主たるコーヒー栽培地が北東部に移動しており、新品種の導入や灌漑整備、機械化も進んでいることから9、これまでのように霜害等が起こる可能性は低くなっており、ブラジルの不作により価格が高騰する可能性は今後低くなると考えられる。

プロマーコンサルティング「高収益農業研究 アフリカのコーヒー産業と日本の貿易・援助 −タンザニアとエチオピアのコーヒー産業及び輸出促進に対する支援策等− 」

http://www.promarconsulting.com/site/wp-content/uploads/files/Coffee_Final.pdf)

上の資料によれば、そもそも、ブラズルのコーヒー農家と、エチオピアとタンザニアのコーヒー農家では、同じコーヒー豆でも生活していくために必要最低限の買い取り価格に差がある。そして、数年に一度しか、生活していくための売り上げを得られないという現実があるのだ。ここには、小規模農場を営むコーヒー農家の貧困がある。

 では、フェアトレードでは、どうやってコーヒー農家の貧困に取り組むのだろうか。そのために、コーヒー豆の買い取り価格を、グローバル化した市場だけに任せず、農家の生活や生産維持に必要な資金から逆算する。それが「フェアトレード最低価格」の設定である。これには、消費者の発想の転換が求められる。商品に高品質・低価格を期待するのではなく、自分が買う商品を作っている人たちが、十分に生活・生産できる賃金を手にすることができることを期待するのだ。それは、従来の商品価値とは異なる、新しい「フェアである」という価値だ。消費者は、商品を楽しむことだけではなく、商品の作り手の生活保証と生産力維持に金を出す。

 以上が、フェアトレードの基本的な考え方だろう。もちろん、フェアトレードにも多くの批判がある。まず一番に、フェアトレード商品にお金を出せるのは、もともと富裕層であり、結局は「富裕層―貧困層」の構造の固定化ではないかというものである。金持ちの免罪符や自己満足として機能するという側面がある。「先進国―発展途上国」「農産物生産者―消費者」などの関係性から、もっと根本的な構造変換が必要だという批判もある。二番目に批判されるのは、理念はともかく、実際に売り上げをあげていくには、安定供給や高品質をある程度両立していかなければならないが、品質改良や市場開拓などに必要な資本を、小規模農家が持っていないため、結局は競争力がなく絵に描いた餅で終わりやすい点である。そのため、生産者への技術支援なども同時並行で必要となる。

 日本でのフェアトレードの普及は、西欧諸国に比べると芳しいとはいえない。

f:id:font-da:20120503152457p:image

(http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/000018.html)

しかし、それでも日本でも、フェアトレード商品の売り上げは、年々、増加傾向にはある。

f:id:font-da:20120503152458p:image

(http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/000017.html)

フェアトレード商品を買ったから、コーヒー農家の貧困が今すぐなくなるわけではない。フェアトレードのポイントは、「消費者として、私たちは誰から、どんな商品を買うのか」を考えるという視点を持つことにある。

 私自身、安いチェーンのコーヒーショップで、コーヒーを飲む。いつも、フェアトレードのコーヒー豆を買うわけではない。そして、フェアトレードのコーヒー豆を買ったから、コーヒー農家の貧困が少しマシになったとも思えない。でも、フェアトレードに意味がないか、といえばそんなことはないのである。やまもとさんは、次のように言う。

で、これ。要するに「コーヒー農家はやっすい値段で商品を買い叩かれて、利益はコーヒーチェーンが持っていってぼろ儲け。そういうクソみたいなコーヒー農家の労働者になって搾取される側にならないよう教育すべき」という話ですね。

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2012/05/post-8bfe.html

これは、そんな話ではない。「コーヒー一杯買う時に、消費者として、誰から何を買うことで、何が起きるのかを考えよう」という話が、この図から得られる示唆である。それが堀江さんの「俺はこういう構造に気付くまで多くの時間を要してしまったけれど、気が付いてからは違う目で世界を見ることができるようになった」の意味するところだろう。

 まあでも、投資家がこんな市場の話を知らないわけもないだろう。やまもとさんは、わざとフェアトレードの歪んだ取りあげ方をして、批判を煽っているのかな、とも思う。数字を読むことは大事なのだけれど、その数字を生みだす背景を分析することが、数字に騙されないコツである。

 記事を書いたあとに、フェアトレードジャパンの人の、上手な総説を見つけたので、私の解説より、こちらのほうがわかりよいと思うので、挙げておく。

「本当のおいしさは作る人たちの喜びから」

http://www.bun-eido.co.jp/t_english/ujournal/uj65/uj651519.pdf

HashHash 2012/05/03 17:21
ちょっとこれ読んでみてください。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100207

援助は時として貧困を乞食化させるようです。よくも悪くも競争を避けられない地球上の動物として生まれた以上、競争に勝つ力をつける、つけさせることが最善の救済ではなかろうか。

font-dafont-da 2012/05/03 23:26 >Hash さん
ブログ書いてる私が言うのもなんですけど、世界を憂えているのなら、ネットの情報をうのみにせず、本を読んで考えたほうがいいですよ。
石井光太「絶対貧困」(新潮文庫)などは安価で手軽に入りますし、簡単な言葉で書かれているので、読みやすいと思います。

watarigarasuwatarigarasu 2012/05/04 11:59 この論点ではコーヒーの価格下落が生産過剰によるものであることを無視しています。この状況で高い価格で買い上げれば生産過剰を促進してしまいます。コーヒー農家より換金性の高い商品作物に移行できなければそのしわ寄せが他の農家に行くだけです。(「資本主義が嫌いな人のための経済学」第7章を参照しています)。
あと農家を直接搾取するマフィアの対策も必要ですが、フェアトレードでは限界があり、暴力装置としての国家が責任を負う必要があると考えます(http://momonga-zuizui.at.webry.info/201102/article_9.html参照)

hino666hino666 2012/05/04 13:15 フェアトレードに対しては、ジョセフ・ヒース著「資本主義が嫌いな人のための経済学」の指摘も興味深いと思います。

・フェアトレード運動がかなり活気づいたのは「2001年コーヒー危機」のさなか、世界市場での供給過剰からコーヒー豆の卸売価格が壊滅的に下落したときだった。

・問題の根本原因がコーヒーのあまりの生産過剰にあることは誰も否定しなかった。供給過剰の原因は、生産増のみならず、先進国でのコーヒー消費の激減にある。
・世界のニーズより1000万袋も多くコーヒーを生産しているなら、適切な解決法はそんなに多く生産するのをやめることだ
(存在しない西洋の消費者向けのコーヒー豆栽培に使われた土地と労働力は、本当に必要とされているもの、例えば食糧の生産に使うこともできたのだ。)。

・原因療法ならぬ対症療法に走る見本のごとくに、オックスファムその他のフェアトレード信者は、西洋の消費者がこの供給過剰に対し、コーヒーにもっと高値を払うべきだと示唆した。
これでは(問題を解決しないという意味で)間違っているだけでなく、(解決すべき問題をまさしく悪化させるという意味で)とるべき行動の正反対ですらある。
 二〇〇二年に発表された、この件に関するオックスファムのごく明確な姿勢の報告では、国際コーヒー機関の運営責任者パブローデュボワの発言を引用している。「フェアトレード運動が明らかに示したのは、良質の品を買いたいという消費者の意欲を損なわないで、生産者は今日の破壊的な安値の倍の報酬を得られるということだ」。
 これはこれで結構なことだが、まったく的はずれである。問題は、生産者がその産品の市場価格の二倍報酬を得られて、なおかつ生産を減らすことを納得させられるかどうかなのだ。
 →この辺の話は、日本のコメ農家の減反や戸別補償の問題にも当てはまるかも?

 ≫ Amazon.co.jp: 資本主義が嫌いな人のための経済学: ジョセフ・ヒース, 栗原 百代: 本 http://www.amazon.co.jp/%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%8C%E5%AB%8C%E3%81%84%E3%81%AA%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%BC%E3%82%B9/dp/4757122810

HashHash 2012/05/04 13:37 本のご紹介ありがとうございます。でも海外在住ですので簡単に手に入りません。

私は特に世界を憂いているわけではありません。人間が自然淘汰のルールから逃れられないと言っているだけです。淘汰されたくなければ自分が淘汰する側になる以外方法がないという厳しいルールで何億年も地球が回っている、ただその厳然たる事実を受け入れるしかないと思っています。

細かいことですが、コーヒー豆を生産している人は米でも麦でも生産物を選べる場合がほとんどです。コーヒー豆生産を選ぶのは米などを自分で作るよりコーヒー豆と交換(貨幣を介して)することでより多くの米を得られると判断するからでしょう。コーヒー豆よりも交換価値の高いものを作るという選択肢もあります。テレビでも自動車でも。それは他人に情けをかけてもらうのではなく教育でしか実現できないと思います。

教育を援助する云々は話が飛躍しすぎますので割愛します。フェアトレードの仕組みを含めて自発的競争でしか勝ち取れないものです。フェアトレードが情けをかけて高値で低品質のものを買うという制度から抜け出せなければそれは淘汰されるべきシステムに成り下がることだと考えます。

フェアトレードを否定しているのではなく、付加価値を高めないと絵に描いた餅で終わってしまうと言いたいだけです。

font-dafont-da 2012/05/04 14:35 >watarigarasuさん
生産過剰については、世界銀行をはじめとした国際金融機関が、発展途上国から借款の返済を迫り、外貨を得やすいコーヒーなどを栽培するように指示しているという背景もあります。
ところで、換金性の高い作物というのは具体的に何を指しているのでしょうか?確かにアフガニスタンでは「換金性の高い」大麻の栽培が盛んです。それは、結果的にマフィアを潤すことになるのですが。
また、マフィアは、挙げておられる記事にも書いてあるように、発展途上国では政府高官と癒着していることがよくありますし、警察とも癒着していることもあります。つまり、国家とマフィアが、対立関係にないことも多いのです。
なので、おっしゃっていることは逆で、国家が限界を迎えているので、そのとき民間でできることを探して、小さな草の根の活動としてフェアトレードが行われるのです(しかし、同時に現地の人がリスクを抱えるのも、上記の記事のとおりです)。
こういう問題のポイントは「答えはこれだ!」みたいなことは言えないので、(自分は)どこから手をつけて、よりよい方策をとっていくのかを思考することにあります。

font-dafont-da 2012/05/04 14:54 >hino666さん
watarigarasu さんの返信にだいたい書いたので、割愛します。食糧ではなく、コーヒーを栽培することになったのは、国際機関(とその背景の国際的なポリティクス)の後押しでもありました。「<誰が>生産量を減らすのか?」が問題だと思いますよ。政治的に力を持ちにくいものを、黙らせる形で(つまり抑圧する形で)、生産量を減らすことを避けるのが、大事です。

font-dafont-da 2012/05/04 14:58 >Hashさん
そうなんですね。では、私には有用な本をご紹介することも難しいので、ご自分でお探しになってお勉強なさるとよいのではないかと思います。
まず、米を作るために、必要な地理的条件から調べてみましょう。そして、地球の何億年の歴史の中では、米の栽培は一番古いものでも1万2000年前くらいしか時代が遡れないようです。国際貿易なんて、たかだか大航海時代以降のものです。地球の歴史の視点からみれば、つい最近始まったばかりの問題ですから、人間が思考錯誤して対応策を考えるしかないのでしょう。

HashHash 2012/05/04 21:33 大航海時代に始まったのは大陸間貿易です。国際貿易はシルクロード貿易のその昔、商人という言葉の由来になった商王朝、3000年くらい前まで遡れます。当時の中国は今の欧州のように割拠されていたので"国際"貿易と呼べるでしょう。3000年の試行錯誤を経た問題ですから、解決するまで気が遠くなります。

いいニュースとしては現在の原油高や食料高です。第一次産業により多くのお金が行くように世界が変化しつつあります。これは先進国と途上国という、それこそ大航海時代以降に発生した地理的経済格差がようやくここに来て平準化し、一物一価へと収斂する過程ではないでしょうか。

マフィアや国家との話ですが、残念ながら神の見えざる手の前には人間の組織などあまりに無力です。共産主義国の経済がどうなったかはご存知でしょう。個人は自分の利益の為に努力します。共産国では努力に報いない制度だったのでみなが十分に努力しなくなり経済が破綻しました。例えば北朝鮮経済のように恐怖政治の元でも生産は向上しません。本当に国際機関の圧力程度で必死にコーヒー豆を作ると考えられますか? コーヒー豆を作るのは芋や野菜を作るより儲かるからです。国際価格が暴落して割に合わなくなれば知恵ある人々はコーヒー豆作りを止めて他のものを作りますよ。

フェアトレードも一つの解決策かもしれませんが、ブルーマウンテンコーヒーのように、ほんの少し品質がいいものに何十倍もの値段がつきます。価格操作より品質管理が近道かもしれません。

font-dafont-da 2012/05/04 21:51 >Hashさん
そうですね、大陸間貿易の間違いですね。失礼しました。なんにせよ、たった3000年です。地球の何億年の歴史に比べれば、本当に一瞬です。気が遠くなりますね。

CoreyCorey 2012/05/04 22:31 地球規模の歴史スケールで なんて仰いますが、数億年前は大陸の場所は今と全く異なっていましたし、当然、気候も全く違っていました(当たり前ですね)。

コメ栽培の歴史は1万2千年と言われますがその頃のサハラ砂漠は緑に覆われた草原であったといわれます。気候の変動は数百年規模で起きる場合もあります。更に栽培技術は格段に進歩しています。五百年前には北海道でコメが作られるなんて誰も思わなかったでしょう。資金援助側の問題はこれから改善することは可能です。

またHashさんは「米でも麦でも」と書き別に米にこだわるわけではなく「コメ」が前面に出てくるのは『日本人だから』でしょう。現地に合わせて麦でも芋でも主食となる作物はあります。

個人的にはコーヒーに限定して言えば『良いものを見合った価格で買う』ことが解決策ではないかと。ブルーマウンテンが引き合いに出されておりますが『安くて不味いコーヒー』を無理して飲む必要は無い。

font-dafont-da 2012/05/04 22:50 >Coreyさん

???論旨がよくわかりません。地球や米の話を論点にしようとしているのはHashさんなので、そちらへのコメントということでしょうか。

「見合った価格」が、生産者の生活を保証できるシステムの上で決定されるというのが、フェアトレード、という話を、この記事ではしているところです。

たちばなたちばな 2012/05/05 06:40 価格決定は、売る人と買う人が決めることで、その両者でない人が見合った価格を想定できませんよ。あと、良心的に高く買ってあげても、その地域の物価を押し上げてしまうと、逆に生活が苦しくなることもあります。その苦しさを緩和してあげるために、さらに高く買ってあげると益々物価があがって苦しくなる。それと、取引というのは、双方に損がでます。常に売る方が損してるわけではありません。逆に双方に、得もでます。その損得の中で利益をだせるかは、個人の能力であって、個人の損失を市場が補償するってのは不可能です。こちらは、保険か政府の生活保護しかないですね。政府の生活保護でいうと、税金なので、税金での不公平をなくすほうが効果的です。現状の貿易だと、関税があるないで、統一されてないので、その国の政治家の能力で、損失を補償してもらえなくて苦しくなるでしょうね。でも、その政治家を選んだのは、その国の民の自己責任です。じゃぁ、税がダメなら、残りは寄付です。結局、また、この最初に書いたように、手にしたお金が増えたとしても、苦しくなるんです。個々の力の積み重ねで解決するしかないでしょうね。一番困るのは、地獄におりる一本の蜘蛛の糸や、善意で満足したい人間の欲望の肥大とかでしょうかね。理想は痛いってことかなぁ。その痛みに耐えられる人が可能にするんでしょうね。でも、たいてい、痛みを引き受けたりできない人の方が多いですよ。ま、単純に、農産物の価格が上がれば、売れなくなってしまうんですから。買われなくなってもっとかわいそうってことで。「見合った価格」についてよく考えるためには、なにか商品をつくって売ってみたらどうですか? ネットだとオークションで気楽に体験できます。売った利益で、今度は何かを買ってみて。そうした方が、「見合った価格」の、目利きができるようになると思います。私個人でいうと、農産物の国が経済力がなくても、先進国での商品価格での比重が小さくても、すごく儲かっていると思いますよ。なので、その国で儲かってる人がこそこそ隠している不正を正さない限り無理でしょうね。結局、いくらフェアトレードで取引価格が上がっても、生産者にはお金は届きません。

font-dafont-da 2012/05/05 09:03 >たちばなさん

価格は、当事者間だけで決められているわけではありません。ある地域の商品を高く買い取ることと、その地域の全体の物価が上昇することとは直結しません。個人の能力で利益が出るか決まるとは限りません。個人の損失の補償は保険か政府の生活保護だけではありません。限定的な市場介入はあります。政治家を選んだのは、その国の人たちの自己責任とは限りません。アフガニスタンの大統領選の混迷をご覧ください。欲望の肥大が一番困るというエビデンスはありません。かわいそうかどうかの話はしていません。個人がネットでオークションをするのは趣味の範囲であり、商取引だとは社会通念上考えられていません。価格は目利きによって決められるわけではありません。農産物の国が儲かるエビデンスはどこですか?不正を正す方法はなんですか。

そして、自説をうちのコメント欄で披露するのはなぜなんでしょうか?自分のブログでやればいいのでは?私に伝えたいなら、トラックバックでどうぞ。

経済の記事あげたの初めてだけど、また独特のかんじの人たちがコメントするんだな……

やすひろやすひろ 2012/05/05 20:31 フェアトレードじゃないと農家さん可哀想なんで、これからはコーヒー飲まないで六甲の美味しい水を飲むことにしました!
僕も自意識がすごくアップした気がします!

font-dafont-da 2012/05/05 23:16 >やすひろさん

六甲の美味しい水はフェアトレードは関係ないのでは?
「自意識がアップする」というのは、最近の流行言葉なんでしょうか?自意識がアップしたら、自意識過剰になるんじゃないかと思いますが。もしかして、自己評価があがる、という意味で使ってるのかな?

HashHash 2012/05/06 17:20 これ掲載しなくてもいいです。

今気づきました。社会貢献しようよ、というブログが偶然経済に一家言ある人々のコミュニティにリンクしてしまったのですね。たとえは悪いですが、「私の好きな服は○○ちゃん(アイドル)がXXX放送で着ていたのよりこちら」という普通のファッションに関する発言が○○ちゃんの追いかけオタクサイトに偶然引っかかり、○○ちゃんを悪く言うやつは許さん的に炎上したみたいな。

ご迷惑おかけしました。ごめんなさい。これに気を悪くせず世の中を少しでも住みやすくする方法を引き続き論じてください。

font-dafont-da 2012/05/06 18:55 >Hashさん
自分の話を聞いてもらう場所が欲しいんだったら、別の場所に行ったほうがいいですよ。
こんなもん、炎上というほどの騒ぎでもないので、気にしなくてよいです。

トトロントトロン 2012/05/08 00:56 理屈こねる人が多いんですね
「結局、いくらフェアトレードで取引価格が上がっても、生産者にはお金は届きません」
お金が生産者に届くのがフェアトレードなんですけど

フェアトレードで豊かになれば多少は物価も上がるでしょうがそれよりも豊かになっているのだから
差し引き豊かです
名目賃金の上昇aが物価上昇bをひき起こすが実質賃金もあがっているから(a−b又は(1+a)/(1+b)−1)やはり豊かになる
a>bなので

macskamacska 2012/05/08 03:06 何人かの方が説明しているような、フェアトレードがお金にならないコーヒー豆生産に農家をしばりつけるために、長期的にはかえって貧困を固定化させてしまう、という側面は確実にあると思います。それはあらゆる産業補助に共通する問題で、日本の農家でもデトロイトの自動車産業でも同じ。本来なら転作するなり転職するなりしたほうが利益になる人が、不自然な価格形成によっていまある状態から抜け出せなくなる。
 というわけで、できることなら、コーヒー豆の価格を無理やり買い支えるよりは、その分のお金を農家に直接再分配するほうが一番効率がいいに決まっています。商品を限定せずに直接現金を支給する限り、農家の決定に不自然な影響を与えることはありませんから(つまり、転作したほうが得な人はするだろうし、しないほうがいい人はしない)。ここでフェアトレードを批判している人が、フェアトレードの代替策として誰も「大規模なお金の再分配」を主張していないのが不思議です。

font-dafont-da 2012/05/08 08:37 >macskaさん
 もちろん、「大規模なお金の再分配」がフェアトレードの代替策が出てくるなら、それは聞いてみたい話です。私がフェアトレードの利点だと思っているところは、「生産者の生活保障を中心に、商品の流通を考える」ところですから、もちろん生活保障が特定商品の生産と引き換えにせざるをえないフェアトレードよりは、生産者に自由な選択が得られる生活保障のほうに、私は魅力を感じます。
 しかし、今のところ、お金の再分配はうまくかないことが多いです。(ありていに言えば、汚職の問題)誰が、どのように、生産者の手にお金を渡せばうまくいくのかが分かれば、私はそっちの策に乗り換えると思います。

船田船田 2012/11/29 20:03 「お金が生産者に届くのがフェアトレード」

問題の核心はここでしょう。私はこの点について、フェアトレードの理想は分かりますし、商品を買うこともありますが、かといって現状のフェアトレードに全面的に賛同する気にもなれないのです。

○歩留まりの問題:いちばん最初のコーヒーカップのイラストと同様、私たちが上乗せして買った金額のうち、コーヒー農家に届くことのはごく一部分です。8割届いてほしいなんて子供っぽいことは思いませんが、欧米NGO職員が高給取りだったら……それよりはスタバ(もフェアトレード的なことをやってるしスタバという会社も好きだから)で飲んでスタバとその外注先の雇用に貢献したいという気も。

○副作用:短期&局地的なら問題ないと思いますが。長期&広範囲で広まった場合、フェアトレード外のコーヒー豆の価格、全体の生産量、現地の物価&雇用に与える影響が予測不可能では? 環境分野で、害虫駆除のために外来種をつれてきたら思いも掛けない結果になり生態系を壊してしまったという例が過去によくありますが……。

○同じ品質で寄付分だけ価格が高いなら許容できるが、しばしば品質が非常に不安定で、安いコーヒーよりまずい。フェアトレードのお米を買ったら精米品質が悪すぎて食べられなかったことがあります。

批判のために批判したいという気はなくて、むしろ「心配しすぎ。そうはならない」と理論的に説得されたいという気持ちの方が強いです。

一ノ瀬一ノ瀬 2013/03/03 19:16 はじめまして、通りすがりです。私自身珈琲好きだし、以前、知人がフェアトレードのコーヒーを輸入して自家焙煎してましたので、興味がありました。
はっきり言って皆さんの批判は市場経済の観点から見ても的外れです。
フェアトレードは市場制度と矛盾しません。
船田さんがおっしゃるような配分の問題は改善の余地があると思いますが。
もともと自由主義国オランダで発祥したもので、市場制度に合わせて発想されています。
フェアトレード商品は、本質は商品の付加価値です。
減反や個別補償といった政策と例えている方がいますが、全く違います。
単に金をばらまくような政策と違い、実際の売上の中から農家に還元されるので、継続性があります。
バラマキODAよりも圧倒的に有意義だと思います。
またしばしば国家政策で市場が左右される外国為替なんかよりよっぽど健全な市場を形成しえます。
ましてや減反や個別補償、原発事故などの失策を、無理やり「地産地消」というとってつけたようなキャッチフレーズでカバーしようとするよりも、よっぽどまっとうです。
だから50年近く継続できた歴史があるのです。
別にフェアトレード商品はコーヒー豆に限定して縛り付けているわけではないので、供給が飽和して栽培環境が適する物があるなら契約農家も違う商品生産に移るだけです。
要は、貧困にあえぐ農家の自立支援と有機栽培の普及を目指す、というポリシーの価値を付加した商品の販売であって、市場主義と何ら矛盾しません。

ちぃこちぃこ 2014/02/09 12:39 私はド素人ですが、同じくやまもとさんの記事を見て、違和感を感じました。
確かに堀江さんの「突き抜けないとこの絵の底に溜まったコーヒーしか飲めない」というコメントは、「じゃ、店頭で飲まなきゃいいじゃない」という単純な反論が出来てしまうので、表現力のまずさを感じましたが、それとフェアトレードとは全く別の話のような気がして。。

「フェアトレードを考える上で重要なのは、スターバックスがぼろもうけしているかどうかではなく、農家が暮らしていけるだけの収入が保証されているのかどうか、である。」という一文で違和感がすっきりしました。
また説明文も分かりやすかったし、コメント欄で議論されてるメリットもデメリットも含めて勉強できたのでお礼申し上げます。

やまもとさんは、あのコーヒーの図は企業に搾取されているかに見えるけど、そうじゃないと言いたかっただけなのかもしれませんが、私みたいな一般人がやまもとさんの記事を読むと、なんだ、フェアトレードってコーヒー農家が搾取されてるかのように訴えてるけど、そんなこと無いんじゃん。フェアトレード要らないんじゃん、と思う可能性もあると思う。

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