富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月四日(火)晴。日の本の皇太子妃殿下のご出産に隠れたが週末台湾にて立法院(国会)選挙あり国民党が歴史的敗北を記し亜扁総統が与党民進党が躍進、国民党から弾き出されし前台湾省宋楚瑜の親民党が善戦、季登輝の台聯が13議席とさすがに力を見せウルトラ保守の新党は一議席と存続も難しき状況。さっそく季登輝が動き出し群策會なる政策集団を発足させる。昨晩の発足会には亜扁総統のほか国民党から季登輝子飼いの立法院(国会)議長の王金平、元行政院長(首相)の粛萬長まで参加し、国民党は再度分裂も確実。亜扁総統は民進党、台聯にこの国民党左派を加え超党派国家安定連盟を結成か。こういった台湾の動きに香港のマスコミ言論が元『九十年代』編集長の季怡、極東経済評論のなど少数を除けば蔡瀾などの無知は論外として『信報』の林行止のような碩学すら季登輝を国民党分裂の元凶と苦言を呈する有様にて全くもって冷静に台湾を「眺め」られず。国民党分裂の原因が季登輝にあるのは当然として元凶というのは国民党の存在を前提としてそれが解体されることを不都合とする主観的な誤謬にて、そもそも国民党なるものが蒋介石の力にて台湾に存在したことじたいがすでに不自然にて蒋経国が何故に季登輝しか選べなかったのか、を冷静に考えれば季登輝を責めることはそもそも季登輝を登用せし蒋経国を責めることになり経国が蒋介石の世継ぎとあってはお話にならず。それにしても季登輝、総統を引退した日には余生を長老教会の牧師として伝導の日々を送る、など嘘八百、台湾民主之父どころか政界大物フィクサーか。季登輝に比べれば中曽根大勲位など好々爺。シャワーを浴びるばかりの生活が足腰の筋肉疲労甚だしく最近ふと風呂に凝り半身浴など始め毎日雑誌など目を通しながら小一時間入浴す。Citysuperにて津村の入浴剤など購う。入浴剤の匂いを嗅ぐと何故か思いだすのは子どもの頃に祖母の家に泊まり祖母が風呂に入れてくれた時の記憶なり。実家にては母が肌が過敏にて入浴剤など使わず道楽者だった祖母にとって日本橋生まれとあっては津村順天堂の中将湯は若い頃からのお気に入りだったはず。PageOne書店にて書斎用にロバート=メイプルソープの花をカラーでとった写真ばかりのカレンダと仕事場用に北斎の風景画のを購う。聘珍樓の甘栗。街はジングルベル、ジングルベルとクリスマスに湧き毎年のことながら何故にキリスト者でもなき者が基督の聖誕を祝うのか不思議に思いつつ、実は祝ってなどおらずただそれに便乗してハレの気分になり消費レジャーが盛んになることが不快。また余に向い笑顔でメリークリスマス!となんら疑問なく叫ぶ、あの無邪気な暴力が頂けず。ビンラディン師が潜伏している可能性があるからと空爆できてしまう、あの発想と同根か。