富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-07-25

七月廿五日(月)未明の地震福島県沖でM6.2で陋宅にて震度4。マグニチュードで1つ違う地震の大きさの違ひ、でM6.2で震度4だと「まぁ大丈夫か」と思ふから。携帯の地震速報が鳴る速報も凄いがPrimaire Golf来る前に突然、烏が鳴き始めた。長いGolf van Secondが止んでも烏どもはしばらく鳴き止まず。それにしても涼しすぎて寒いくらゐの朝。自動車がないと不便。而も今回は先週金曜日に予定外の多忙となり国際免許取得を逸し自動車の運転も出来ず家族と話し「自転車を買おう」といふことになり余り暑くもないので漫ろ歩きジャスコへと往く。途中、間かな町で途中、途中に出くわすのは震災復旧工事に努める作業員がほとんど。災害復興以外なにもないのかしら?といふくらい。震災のあとの家屋半壊や塀が崩れた家々など記憶ある下町の旧市街を歩くとだいぶ片付けも終はり階下の駐車スペースにあつたトラックを倒壊で潰した家屋もすつかり更地。アタシが家具倒壊の片付け手伝つた八旬の老婆の陋屋が通りに面した家主の仕舞屋ごと更地になつてゐる。さすがにまた大きな地震でもあれば倒壊覚悟の古家に身寄りもない老婆はもう施設にでも入つたのかしら。ジャスコはもう開いてゐたが自転車売場は担当の店員が昼からの遅番ださうで店員がゐないので売れない、と薬局担当の店員。路線バスもなく2km近くも歩きて来たのに、そんな……埒も開かずタクシー自動車呼んで近くの、といつてもタクシーで1,150円かけ日用生活用品センターへ。廉価の買ひ物自転車購ふ。自転車に乗るのも何年ぶりかしら、でも乗れないはずもなくタカをくヽつてゐたら母から携帯に電話あり片手運転した拍子に思はず重心崩し自動車が走る方に飛び出てひやっと。昼過ぎまで読書。震災で開業遅れた駅ビル拡張部分に開店したビックカメラに恐る/\入る。カメラや蘋果電脳のアクセサリーなどまぁざく/\。でも何も買はず(ぢまん)。何より収穫?だつたのはフジフィスムのFinePix X100だが一目惚れしてゐたこのカメラを実際に手にしてみたら予想以上に(原平さんのいふところの)金属感がなく評判高い光学ファインダーも風景があまりにガサガサしてゐて「欲しいっ!」といふ気があつさり萎えてしまつたこと。野暮用あつて来たZ嬢を母と駅でお迎へして用事済ませてから百貨店の食堂街で遅いお昼。寿司を飰す。真言宗豊山派神崎寺に先考の墓参。震災で歩く場もなく墓石倒壊してゐた墓地もどうにか片付けられ本堂と庫裡は屋根の修理工事中。庫裡で住職夫人にご挨拶。駅に戻る。アイスクリーム食し電車に乗るZ嬢送り帰宅。美味い常陸牛や焼き鳥など飰し麦酒大いに飲む。日本で麦酒売り上げ不振の由、で売上げ増進協力。母に録つてをいて貰つたNHK BSの特集で草間彌生刀自の「世界が私を待っている・前衛芸術家草間彌生の疾走」見る。草間彌生スタジオからメール貰つて16日の放映を知り実家のテレビには確か録画機能がなかつたかか、と思つたがHDD内蔵の亀山テレビに買ひ替えてゐたのでしつかりと録画あり。大きなキャンバスに百枚の作品完成目指し、ってアタシが香港での上映に一寸関はつた映画「≒草間彌生 わたし大好き」の映像にもあつたあれか?と思つたが昨年から今年の制作で更にまた次の企画であると知り驚き。草間刀自がスタジオで「時間がたりない」と黙々と制作続ける姿、「世界の草間」として大巡回展が世界を周り始め、その反面、十和田では盆踊りなんてキッチュな世界、更にサザビーズや世界の大手画廊で億の単位で売買される草間作品。新宿弁天町で制作続ける草間刀自とこの倫敦や巴里での一人歩きした作品の取引が全く違ふ次元のやうでゐてオオタファインアーツのOさんに世界彼方此方での売買の話を聞くと「よかったわ、嬉しい」と更にそれが作品制作意欲に結びつく、といふ、世紀に稀な前衛芸術家としての側面と自分の作品が高価で取引されることを操るかのやうなプロデュース、商覚。全てにおいて巨人。このドキュメンタリーのなかで草間刀自に付き添い、刀自からいつも「おにいさん、おにいさん」と呼ばれてゐるのがアタシの小学校から高校までの同級生の畏友T君。刀自の助手になつてからもう廿数年? 映像にも出てくるがスタジオがまだ精神病院のなかにあつた頃からの助手で世界中をまわる展覧会から日常の制作や生活の一切合切をば仕切る。五月にマドリードにをられたが、それがこの世界大巡回の最初だつたのね。三時間の圧倒的なドキュメンタリーをただ/\見続ける。高画質、大きな画面のテレビって苦手だが、かうしたアート系ドキュメンタリー見るときなんてやつぱり凄い道具になるものだ。