富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-05-15

農暦四月十七日。三谷幸喜氏が朝日の連載(ありふれた生活)で書いてゐるが大河ドラマの思い出で「国盗り物語」。三谷氏にとつて「初めて年間通して観た」これ(1973年)は、いまだに明智光秀といへば近藤正臣、秀吉は火野正平竹中半兵衛米倉斉加年で一番のお気に入りが伊丹十三足利義昭だつた、と。平幹の斎藤道三を忘れてはいけないが確かに十三のあの義昭は凄かつた。アタシにとつては「コメットさん」のあのお父さん、あれもフツーの子ども向けドラマのお父さんよりかなり非日常に映つたが、それでもコメットさんのお父さんの義昭は本当に驚いた。で三谷さんの一番のお気に入りは1978年の「黄金の日々」だつたといふ。アタシはその2年前の「風と雲と虹と」こそ最良、この配役は今見てもぞく/\するほど。米倉斉加年興世王で怪演ぶり。この2つの間にあるのが「花神」で三谷氏は、この村田蔵六(大山益次郎)を好きな主人公として挙げるが、緒形拳石坂浩二平幹二朗錦之助仲代達矢、渡哲也、加藤剛……と並ぶ主演のなか蔵六役の中村梅之助、これは異色で確かにいゝ味を出してゐた。……と昔話は愉しいが今日も天気不安定。幾度となく驟雨に襲はれる。晩に宴会あり湾仔六國酒店の粤軒。ホテルの総支配人L氏に拙譯のメニュー見せられる。
▼連日、朝日の引用続いてゐるが今日の社説「路上の民主主義 自ら考え動き出す人たち」の「青さ」はすごい。晋三の集団的自衛権についての反対を市民のレベルから訴へるのはいゝが社説の最後のまとめは

きょう、集団的自衛権の行使容認に向け、安倍政権が一歩を踏み出す。また多くの綿毛が、空に舞いゆくことだろう。
社会は変わっている。
深く、静かに、緩やかに。

ですって……。戦後の最悪の動きに対してである、反対なら「朝日新聞は断固として」と反対表明すべきところ、サイモン&ガーファンクルかい、アンタたちは。加藤周一の『羊の歌』的な、このか弱さ。抵抗もなにもなし。
▼香江第一筆と称される林行止でも信報の專欄で多く語るなかで領土問題となると中国に肩入れするから。昨日の専欄「軍事聯盟呼之欲出 多極世界易啟戰端」も「我國是文明大國,先賢的智慧不少可啟迪後人,但因「時代進步」而過時的似乎更多」と多少謙遜はしながらも

筆者的看法是,在當前各與中國有領土主權糾紛的國家人人自危擔心國有資源被強鄰侵佔的情形下,稍後美國主催成立類似「北約」的「東盟軍事聯盟」(「東聯」)的可能性不容抹煞(月前中國駐美國大使崔天凱公開警告美國勿作此圖,你以為美國會乖乖聽話嗎?)。當然,東盟中有若干國家如新加坡、老撾和柬埔寨等不會加入,但改個名稱不叫「東聯」便行……。美國不想「亞洲屬於中國」,因此必會排除萬難,糾集東亞「諸小」對付中國;為師出有名,區內多國成立一個美國主導、控制(如「北約」)的軍事組織,呼之欲出。

と、確かにASEAN南シナ海域めぐる動きに米国の影が見えるのは当然だとしても、林行止は南シナ海で中国が領土主権主張することは責めず。尖閣諸島も「明らかに中国領土」。こゝが不思議。やはりシナの呪縛なのかしら。