富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三重県美杉村

fookpaktsuen2014-09-15

農暦八月廿二日。李香蘭逝去が日本の新聞でも一面記事だつたが蘋果日報の特集は一頁大でさすが。信報は「李香蘭傳奇落幕 促和平遺志永垂」と社説扱ひ。午後台風警報が3號に。香港から400km圏内ぎり/\を西南に進む台風。時折疾風が走り抜ける。早晩に太古城。Z嬢の所望で珍しくモスバーガー。太古城の映画館で矢口史靖監督『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常』見る。何度かこの日剩に登場する三重のM女史は家が「津」だと聞いてゐたが正確には美杉村で、ローカル線オタクには名松線*1の終点。美杉村がなぜ津市美杉町なのかがピンとこないが(それに名松線も松坂に出る)M女史の家が神社だとも聞いてゐたが、この映画は美杉を舞台にしてゐる、と初夏に話を聞き夏の映画祭にかゝるかしら、と思つたら選ばれず見る機会もないか、と思つてゐたら先週末から突然の上映。ポスターも地味だしあまり客の入りはよくない。矢口監督らしく三浦しをんの原作をよくまとめてゐる。M女史の神社があるのは美杉でも一番奥深い太郎生で、そこは名松線の終点(奥津)*2から自動車で山間に入ることになるが国道368号線は一旦、奈良県御杖村に入り、また美杉に戻るといふ伊勢の本当に山深いところだと知る。
▼SCMP紙の世論調査で行政長官選挙の2017年「普通」選挙改革案に泛民主派は反対票投じるべきが48%で賛成すべき39%と市民の半数が改革案反対の由。アタシはとにかく「鼻をつまんでもシラク」と同じで北京に対抗したところで利もなく兎に角今回はバカを承知でこの改革案に賛成すべきと思ふのだが。
▼都新聞の「こち特」は政治の堅い特集並ぶが珍しく将棋で羽生さんが竜王だけ永世称号が穫れないか、と明らかな理由はないが、たまにはさういふネタも面白い。デスクメモで牧ちゃんが「羽生さんの尊敬する棋士に故升田幸三名人がいる。その升田さんは生前こう言った。「棋士は無くてもいい商売だ。だからプロはファンにとって面白い将棋を指す義務がある」。羽生さんもきっと意識している。ふと棋士を記者、将棋を記事と入れ替えてみた。ただ、わが身の至らなさにうろたえるばかりだ」。やはり田原牧記者のコメントはいゝ。この升田幸三の言葉、何の生業でもけっこう身につまされるか。
自民党政調会長の稲田某女が昨日のテレビ番組で朝日新聞は「単に訂正ではなく、日本の名誉回復のために何をするかを発信すべきだ」と指摘。誤報訂正以上に何をすればいゝのかしら。日本はこんな立派な国です、とでも意図的に誤報流せばいゝのかしら。むしろ参考になるのが紐育時報の今日の社説“Japan Nears a Nuclear Reboot”だらう(こちら)。“The government of Prime Minister Shinzo Abe is eager to restore nuclear power as part of his plan to revive the country’s sputtering economy”などと晋三宣はうとも
Fukushima showed that absolute safety of nuclear power is a dangerous myth, especially in earthquake-prone Japan.
The chaos that ensued from the Fukushima accident should be an obvious reminder of the need for such plans in the event of a major accident.
と、これこそ本来の「日本の名誉回復」のための主張であるはず。朝日が今一番怖いのは今回の三連荘でかうした原発や平和などに対する確固たる姿勢が崩れること。まぁそれがいかに朝日で崩れやすいか、が昨日見たビデオニュース・ドットコムの番組が語つてゐる。

*1:松阪から近鉄大阪線名張を結ぶ計画だつたが途中の伊勢奥津までが開通で計画断。

*2:2009年10月8日の台風18号の被害により家城〜伊勢奥津間はバスによる代行運転中。