2010-11-02 またまた小説です。
ハナミズキ(返礼)
最近は、移動時間やお風呂で小説を読むよう感じになってきました。今回もすでに映画化されている小説を読みました。「ハナミズキ」です。脚本家の吉田紀子さんが映画化のあとに小説にしたのでしょうか。もちろん、映画は見てませんが。。。
- 作者: 吉田紀子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/08
- メディア: 文庫
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映画では、私の好きなガッキ―がでてます(どうでもいいですよね)この小説、淡い恋愛小説なんですが、まあああ、あり得ない内容とテンポで話しが進むあたりが最大の魅力です。恋愛に対する幻想というか、希望というかそういう話になってます。それでも要所要所にはなかなか鋭いところもあるのですが。個人的な話をすると僕は大学は東京に行きたかったんです。理由はいろいろとあるんですが、実家を出たいという気持ちが一番強かったのかもしれません。W大学に進学する予定だったのですが、当時、付き合っていた彼女と離れられなくて、京都の大学に進学して一人暮らししました。なので遠距離恋愛はよくわからないのですが。。駄目になる、いあいあ、遠距離恋愛中の人は応援したいです。兎に角、恋愛したい人、遠距離恋愛中の人には、あえて勧めます。現実はもっと殺伐としているのですが・・・ボソ
私のようなひねくれものは、この小説を読みながら、ギリシア神話の一節を思い浮かべたり。。Coccoさんのある歌を思い浮かべたり。
30分もあれば読めてしまう気軽な小説です。
2010-09-02
たまには小説でも
随分、久方ぶりです。それにしても今年は暑い!バテテます(汗)
僕は文学少年だったので、古典と呼ばれるものは海外・日本ともに全集があって、殆ど読んでいる。(もちろん、内容はもう忘れたものが多いけどw)この夏は少し自分で休暇を作って何冊か流行りものの小説を読んでみることにしました。よく、夏になると、各出版社が夏イチとかやるじゃないですか。そこで本屋さん大賞とかを数冊読むことに。
1冊目は、もうすでにとっくに映画化されている『告白』湊かなえ著です。映画を見ると原作が読みたくなるのは昔からなのだけど、この映画は見ていないんです。
こちらは、Twitter上で宮台先生が映画を見ての分析をされてます。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
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僕はまだ映画は見てないのですが、是非、レンタルになったら見たいと思います。松たかこさんの演技が大変、素晴らしいとのこと。(好みタイプではないのですがw)そんなことはさておき、この小説は、全て独白という形で進みます。まだ、見てない方、読んでない方もおられると思うので内容には極力触れませんが、僕の脳裏を真っ先によぎったのは、少年法や、穂積先生の『復習と法律』でした。各々が各々の世界観の中で目的達成のために、一見、合理的に行動しているようですが、そのゲームは、意外とチープなところにこの小説のおもしろさがあるのだと。作者の湊さんは、しっかりと背景からキャラ設定まで固めて書かれる作家さんです。決して、楽しい気持ちになる小説ではないですが、とにかく読ませます。文庫化されたので、まだという方には是非、読んで頂きたいです。
次に、今度、映画化が決定している、医療小説では、人気のある海堂さんの『ジーンワルツ』という小説です。医学博士だけあって、医学的なことはもちろん、テーマは、代理母出産や、医療行政まで及ぶのですが、なかなか深いところをついていておもしろいです。このジーンというのは、もちろん、遺伝子のことです。
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 文庫
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映画では主役の女性医師を菅野美穂さんが演じられるみたいです。こちらも、なかなか読ませるのですが、どうしてでしょうか、法律が真っ先に頭に浮かびました。また、医師不足や少子化といった現代的な日本の問題も含んでいます。
この両方の小説を読んで、主人公は女性、大変、知的で計算高く、戦略的にものごとを進めていくあたりが共通項でしょうか。
ただ、個人的には、両方ともラストが・・・という気持ちはありますが。
とにもかくにも現代小説もバカにはできない。思っていた以上におもしろいというのが、この夏の発見でもありました。これからは、食わず嫌いをせず、SFとかいろいろ息抜きに読んでいこうと思います。
酷暑厳しいですが、皆様、ご自愛くださいね。
2010-03-20
「神話と意味」
僕の好きな本の中のひとつに、昨年、亡くなられたクロード・レヴィストロースの『野生の思考』があります。
ただ、本書は難しくなかなか理解しにくい点もあります。そこで、レヴィストロースの「構造主義」とはというエッセンスを抜き出したような書が本書『神話と意味』になります。
- 作者: クロードレヴィ=ストロース,大橋保夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1996/12/16
- メディア: 単行本
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本書は、ラジオ放送のインタヴューにレヴィストロースが英語で答えているものです。値段は、ページ数の割に高い気もしますが、内容はおもしろいです。5つのテーマから成りますが、「近代」と「未開」の二項性、または、それに付随する近代・科学の優位性を名人芸のように相対化・無意味化してくれます。レヴィストロースが言うには、未開の無文字社会においても、必要性(生存など)において、近代社会と変わらず、諸所の能力(近代人にはないような)を発揮していると言います。そして科学との関係性においても科学を決して批判することはありません。神話というのは、一見、断片的で意味不明に思われる内容ですが、レヴィストロースは、その断片(神話素)との関係性から、秩序や法則的なものを見出し、全体として、ひとつの大きな前提を創っていることを証明しています。つまり、ある条件が整えば、時系列でなく、共時的に捉え、神話にさえ、諸所のネットワークからなる「構造」があることを教えてくれます。ちょうど、英文法を考えるような感じでしょうか。ぜひ、レヴィストロースの著作にあたろうと思う方には、はじめに読んでもらいたい本です。
また、こちらは伝記的なものですがこういう新書が安くてあります。
- 作者: 渡辺公三
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/11/14
- メディア: 新書
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少し本書からは話がそれますが、レヴィストロースは自分自身について、つまり「私」についてはあまり語っていません。そのスタンスは、サルトルとの論争からわかりますが、主体というものをある一定に規定されながらも、その中で自由にやるよというような場所として捉えているような気がしています。このあたりは、実存主義だけでなく、現象学的な主張とは相いれないのかなあと思っています。
2010-03-08
アメリカ・アカデミー賞
正直、2月はいろいろとしんどかったです。なんとか乗り切りました。働きながら研究するのは自分が思っていたより大変です。ただ、自分で決めた以上は、初志貫徹、頑張ります。
アカデミー賞の発表がありましたね。作品賞は、「アバター」が獲得するという予想は見事に外れました。
「ハート・ロッカー」は、まだ観てません。これから観に行こうと思ってます。「ハート・ロッカー」とは、日本語でいうと「棺桶」の意味です。イラク戦争での爆発物処理班を描いた映画ですね。
キャスリン・ビグロー監督には、心からの賛辞を送りたいです。作品賞受賞監督では、女性ははじめてですね。「女性の日」の今日には、ふさわしいと思います。
ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」は、観た方も多いと思います。キャメロン監督は、カナダで幼少期を過ごし、8歳の時のキューバ危機にかなりの影響を受けたそうです。その後、カルフォルニアに移り住み、経済的な余裕がなかったため、独学で働きながら映像技術を習得し、誰よりも早く、そして遅くまで工房で作業したそうです。
こういうエピソードを聞くと勇気がでます。キャメロン監督でも、若い時に才能はもちろん、賢明に努力したのだなあと。自分に才能があるかはわかりませんが、努力だけは精一杯してみます。
話がそれてしまいましたが、「アバター」をはじめ、キャメロン監督の映画のメッセージは、人類とテクノロジーの関係です。私たちが人間である以上、コントロール出来るかは別としてテクノロジーの進歩は止めれません。今後、私たちは、何を失い、何を得るのでしょうか。漠然とそういうことを考えています。
小さな頃から、父親にこれからは、PCと英語の時代になるといわれ、スキルを身につけてきました。あながち、世界中を転々としていた、父親は、20.30年先を見ていたのだなあと感心しています。
自分も焦らず、20、30年先を見据えて、頑張ろうと思う今日この頃です。
2010-02-21
小林秀雄を読み返す
久々にどういう訳か小林秀雄を読み返してみた。小林秀雄は、日本を代表する文芸批評家といえる人物である。彼の「本居宣長」はなかなか重厚で難解と言われている。うん、確かに難しい。が批評をする者は、一度は目を通してほしい作品の数々である。
彼が文芸春秋などによせた批評が「考えるヒント1〜4」とあるので、このあたりから興味のある人は手につけられたらと思う。
- 作者: 小林秀雄
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/08
- メディア: 文庫
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この中の短編批評に『言葉』というのがある。小林曰く、形(形態)を真似ることで、日常生活は成り立つ。言葉の意(意味)を理解しようとすることは難解である。
つまりは、おはようと声をかけられたら、真似ておはようと答えれば、コミュニケーションは成立する。おはようの意味などわざわざ考えないでしょうという話である。
僕の解釈では、小林は、「形→意味」のベクトルになる。あるいは、「意味」までいかないかもしれない。そうすれば、言葉にならない、なっていない奇声や表情も彼には言葉であったのだろうと考えた。また、ウィットゲンシュタイン的な言語ゲームもすでにみてとれる。
小林を批判する際によくつかわれる方法論として、外部が欠落しているとか、ナショナリスティックなどがあるが、一言、二言、finalventさんとTwitterでたまたま話をしたのだが、形から離れていく言葉の意味の自明性に対する批判であり、ナショナル(言葉の了解の帰結で起点でもイデオロギーでもない)ものへの外部への不在というスキームは、批評者を無条件に特権化する。
このポストを見て、腑におちない部分がようやくわかった。小林をイデオロギカルに読んでいる、まさに外部性なき自分に気付いた。感謝、感謝である。
しかしながら、小林には、あまりにも普遍性を重視する傾向があると思うし、本居宣長を前提にしていて、本居宣長の周縁を敷衍していない。ゆえに、可変性や変化にはもろいと思う。
けれども、あああ、なるほどと思わせる小林のテクスト主義だが文体、鋭さはさすがに立派である。
批評の世界なので、あああ、なるほど。これは、おもしろいと思わせればある意味、批評は成り立つと思う。


