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成毛眞ブログ RSSフィード

2009-12-02

週刊朝日12月11日号 「ビジネス成毛塾」 『キリマンジャロの雪が消えていく』

| 07:47

キリマンジャロの雪が消えていく―アフリカ環境報告 (岩波新書)

キリマンジャロの雪が消えていく―アフリカ環境報告 (岩波新書)

本書のタイトルは『キリマンジャロの雪が消えていく』と抒情的だし、副題も「アフリカ環境報告」で、地球温暖化を恨むばかりの、ありふれた書籍の一冊であるように見える。

しかし、本書において温暖化問題は議論の一部でしかない。人口爆発とその影響、天然資源とガバナンス先進国の援助とその光と影など、多様な観点からアフリカの現在が描き出されている。

これからは本書を読んでいることを自明としてアフリカに関するさまざまな議論が進むようになるかもしれない。少しでもアフリカに関わるビジネスマン必読書であることは間違いないだろう。

第1章はアフリカ地理と気候と有史以前の歴史についての概観だ。わずか23ページなのだが、事実だけを、数字を使い、過不足なく、流れるように記述している。一文字の無駄もない。

これほど完璧な概況レポートを見たことがない。ビジネスマンが担当する地域や市場についてレポートする場合、このような文章をお手本とするべきだと思う。

それにしても、アフリカの苦悩はあまりにも大きい。厳しすぎる気候と大地の上に、人間が大量に生まれ大量に死ぬ。政治は混乱し、人々は殺しあうか、絶望するかを選らぶしかない。野生動物は絶滅に向かういっぽう、素知らぬ顔をして大国が天然資源を買い占める。

そもそもアフリカ人の不幸の発端を作りだした先進国が援助に転じても、副作用が伴うために最善策が見つからない。たとえば小麦粉を配給すると、雑穀に比べ高温で焼く必要があるため、樹木が伐採されて砂漠化してしまうことがあるという。

アフリカ問題や環境問題に人生を捧げたといっても良い著者をして「あとがき」で、「アフリカを救い出す特効薬は見つかっていないし、たぶん、そうしたものはないだろう」となかば絶望しているほどだ。

著者は本書がアフリカに関する最後の著作になるというのだが、アフリカ終焉を告げられたような気がするのは評者だけであろうか。

toshih-ktoshih-k 2009/12/02 10:43 いつも、楽しく読ませてもらっています。
どうでもいいですが、事業仕訳→事業仕分けではないかと。

truehirotruehiro 2009/12/02 12:40 財務官僚の、この種の方面での能力は、間違いなく世界でトップレベルだと思います。
しかし、国家運営という面では、ほとんど無能といってもいいレベルです。
そういった人たちが、日本の舵をきってると考えると、多くの人が日本の将来を憂うのも当然ですね。
徳川幕府時代から、「民は知らしむべからず、之を依らしむべし。」
とされていますが、現代でもほとんど変わってない事実に国民は気づくべきです。

kiokadakiokada 2009/12/02 14:09 はじめまして。いつも拝読しています。

アフリカとのことで、元世界銀行副総裁の故服部正也さんの著書を思い出しました。

ただ、服部氏は2001年の遺稿著作「援助する国される国―アフリカが成長するために」のなかでけっしてアフリカに絶望されていませんでした。ご自身の経験からアフリカの人々をとても信じていらっしゃいました。また先進国人の事情通からのアフリカ情報をあてにしてはならないとありました。(あくまで一般論です。)読後感では欧州が変わればアフリカが変わるんだろうと思いました。欧州諸国や国際機関の裏面を覗き見る感覚がありました。

さきごろ「ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書) 」が復刻されました。絶版中、古書市場では数千〜数万円で取引されていたとか。1965年からルワンダの中央銀行総裁として経済改革を遂行した著者の記録です。ちなみに外務省HPにルワンダと日本の2国間関係は「極めて親日的」とあります。わたしは服部氏の貢献によるものと推測しています。

ご紹介の著書と読み比べてみようと思います。

dotcomdotcom 2009/12/02 16:33 成毛様へ 

いつも楽しく読ませていただいています。有難う御座います。

ご存知だとは思いますが、IPCCの温暖化捏造疑惑が海外のmediaでは報道されいます。(国内の大手マスコミはまるで報道規制がかかった様に報道しないで、ドバイ・ショックの報道でごまかしている感があります。)

http://dotcom07.blog32.fc2.com/blog-entry-40.html

また、ウォールストリート・ジャーナルも地球「寒冷化」を認めた報道をしてます。(このことは11/4の読売にもでてます。)

http://dotcom07.blog32.fc2.com/blog-entry-39.html

お忙しいところ誠に恐縮ですが、もしよろしければ成毛様の「CO2が原因といわれる温暖化と呼ばれるもの」に関するご意見をお聞かせ頂けば有難いです。勝手ながら宜しくお願い申し上げます。

founderfounder 2009/12/02 23:34 dotcomさん、人間が作りだしたCO2を含むいろいろなガスが、将来なんらかの大気に対する影響を与えると思います。温暖化であればまだ克服できるかもしれませんが、寒冷化などになったら人類は100万人も生き残らないでしょう。以前は気候の均衡が崩れるには地質年代的な時間がかかると思われていましたが、最近では数10年でも起こると考えられてます。こうして、議論している間にもスレッシュホルドを超えているかもしれません。

ともあれ、この問題についてはかなり悲観的です。自分の子供とその子供くらいまでの間は地球の気候が持ってほしいと思ってます。温暖化であれ寒冷化であれ、CO2削減に意味がないと思っている人がいることは承知しています。他の政治問題でもそうですが、どうぞご自由にと申し上げるほかありません。議論するつもりはまったくありません。

founderfounder 2009/12/02 23:38 tochih-kさん、あら、ホント。完全に勘違いしてました。本文直しちゃいました。ありがとうございます。

dotcomdotcom 2009/12/03 01:04 成毛様へ

お返事有難う御座います。

ungo21ungo21 2009/12/03 07:19 服部正也さんのことは成毛さんの本を読み、知りました。
当時と比べて、今の日本はお金を海外に落とす事ばかりを覚え、外貨を稼ぐといったような姿勢を全く無くしたような気がします(ファストリなど元気な企業は除きますが)。政権与党でさえも、高齢化社会における内需主導などと無謀なことを、掲げてますが。
早い話が内向き思考なのですが、成毛さんは、一部の官僚に対し、仕分けの件でお怒りのようですが、今こそ、「四賢人版マーケティングの心得」で述べていらっしゃった通り、「官僚の輸出」を、国策として考えたらどうでしょうか(全くもって、勝手な個人の考えですが(笑))?
英語を喋るだけで、逆に出世の足枷となる官僚組織ですが(本当らしいです)、個人の能力としては、高いと思いますので、もったいなく思い、思いつきでカキコませていただきました。

founderfounder 2009/12/03 08:43 ungo21さん、たしかに、最近のいわゆる「財界」が老化していると思います。想像力も覇気も感じられません。CO2削減などは最大のビジネスチャンスだというのに反対してしまいます。原発もハイブリッド車もLED基本技術もヒートテックも持っているのに残念です。

仕分けについては文部科学省の官僚に対して怒ってました。有名人とメディアを利用して大衆を煽るのは、本当にバカにされている気分がします。毛利さんをフルに利用して宇宙関連予算を取ってましたので、手口は熟知しているのでしょう。おかげで、毛利さんはあのCMタレントは元宇宙飛行士だったのか、CMの中でもなってしまいました。

官僚の輸出ですが、あまりヒドイと日本の評判を落とすようです。フランスではこのような事例がありますが、日本ではメディアが日本語で会見してくれる外務省のお話を報道するだけなので、知られていないようです。
http://www.diplo.jp/articles09/0909-2.html

gnostikoignostikoi 2009/12/03 12:12 もしかして感心ではなく関心ではないですか?

なかのひと