家庭教師のバイトで、都立高校入試の数学の予想問題を作成したのだが、そこで作成した作図の問題と実質的に同じ問題*1が実際に出題されたぜーという話を自慢したかったのだが、Twitterにもなんとなく書きづらかったのでここに書く。いえーい。


「模試で出題した問題が的中!」みたいな予備校とかの宣伝を聞いて、一体どうして的中することなどあるのだろうか、何か違う問題を的中と誇張して言ってるんじゃないの?などと思っていたが、自分で予想問題を作ってみて、そのからくりがわかった。
要するに出題できる範囲・仮定してもいい受験者の知識は極めて限られているので、出題の可能性はそんなに幅広くはないのだ。都立高校入試の作図の問題で言えば、使っていいのは線分の垂直二等分線と角の二等分線の作図くらいで、しかもそんなに複雑ではない問題となると、いくらでも作りようがあるとまでは行かず、明らかに問題作成者もどうにかこうにか苦労して作っている。平成21年度だったかの、直線l上の2点A, Bと、l上にないCが与えられて、AP=PB+BCとなるようなl上のPを作図する問題などは、無理やりひねり出した感もあるがこの条件を満たしつつちょっとしたパズルになっていていい問題だと思ったが。


まぁ家庭教師としては的中したかどうかはどうでもよくて生徒がそれで解けるようになってなければしょうがないのだが、そこは正直五分五分な感じではある。そのまま出題されることもワンチャンありうるとは思っていたので、生徒の学力的にも臨機応変に知識を応用して作図の問題を解けるかどうかは微妙なところがあったこともあり、「この問題がそのまま出るかもしれないから解法を暗記するくらい復習しなさい」とでも言おうかとも思ったが、あまり予想にとらわれすぎるのも、予想が外れたときに却って応用が利かなくなる恐れもあるのでそこは日和ってそこまでは言わなかった。
ということは結局、予想が的中!とは偉そうに言えないのであり、というのは、予想は「私はこれが来ると信じる!」というコミットメントを伴って初めて価値があるのであって、「これもあるかもしれない、ないかもしれない」という姿勢が許されるのならば、多種多様な予想のポートフォリオを色々な信念の度合いで持っておけば全対応できちゃうからね。


まぁこの話をTwitterに書きづらかったというのは、友人のフォロワーで本職の教師がいるのにバイトの分際でどうこう言うのもあれかなーって思ったわけですが、しかしある分野で所詮は素人でしかない自分を肯定できないのは大きく言えば自分の生を自分自身で否定していることと同じなのでどこかには書く必要があると思ったのだった。

*1:「直線l上にない点Pを頂点に持ち、直線l上に対角線を持つ正方形を作図せよ」という問題