大絶滅

―遺伝子が悪いのか運が悪いのか?-
著:デイヴィッド・M. ラウプ
訳:渡辺 政隆
平河出版社 (1996/04)
ISBN : 4892032654
2018.05/23に照会した、「生物はなぜ誕生したのか」内で、参考文献として紹介されていた本。
発行年が結構古いが、1980年に発表されたK-T境界説の発表を受けて、著者はスティーヴン・ジェイグールドの断続平衡説による過去の絶滅の発生原因を説く。
日本語がこなれていてすいすい読める。こうでなくっちゃ。
生命の歴史を説明する例として、本のページ数に例えている箇所(p38)が秀逸。
日本語に変換して言い換えれば、350頁の本があったとすると、1頁:1千万年に相当する。
1頁に約800文字があると仮定すると、約12,500年/文字に相当する。
現生人類の最も古い化石:約30万年前とされるので、ホモ・サピエンスの歴史は巻末最終部に、24文字で記載することになる。
ホモ・サピエンスが、地球上至る所に進出している。←これで24文字!
本書初版執筆の時期的(1991年)に、ユカタン半島のチクシュルーブクレータが発見されていなかったことから、白亜紀終末の証拠とされるクレータは、アイオワ州にある直径三十数kmのマンソン・クレータ説をとっている(1996年の日本語版のためのあとがきで、チクシュルーブで触れられている)ところが興味深い。