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2009-05-09

明日の文学フリマの参加告知

明日、大田区産業プラザPiOにて開催される第8回文学フリマに、ふたたびextramegane編集長主宰のBWN(g:bwn)で参加します。発表されるコンテンツの名称は『QuickResponse』。ブースはE-12。既に編集長の宣言文を読まれた方はご存知のとおり、今回のBWNは本を売りません。ただ、作品の発表があるだけです。今回はその思い出話から始めます。


今年の2月13日の出来事。今回の文フリの申し込み締め切りの当日のことだ。日付が13日に変わって少したったころ、ぼくはextrameganeさんとSkypeでチャットをしていた。第7回文学フリマで頒布されたタモリ同人誌『Tamorization』を送り出したBWNで、ふたたび文学フリマに参加することが検討されていたからだ。

そこでぼくは、今回のBWNは会場で本を売らないということ、コンテンツをウェブ上に用意して、その場所を指し示したQRコードを無料、もしくは低価格で配布するという計画を聞いた。けっきょくのところQRコードは無料になったわけだけれど、ぼくはこの話を聞いたとき、Radioheadの『In Rainbows』のことを少し連想した。

Radioheadがやったことは、『In Rainbows』というアルバムの音源をウェブ上で公開し、レコード会社を経由させず、直接ひとびとにダウンロードしてもらう、そして、価格は個人がダウンロードの際に決定できるというものだった。もちろん、無償で手に入れることも可能だった(いまはウェブでの配信は終了し、バンドのマネージメントが契約した地域ごとのレーベル/ディストリビュータをとおしてCDが流通している)。

当のRadiohead野田努氏に「ウェブに接続可能なコンピュータを持ってるひとびとだけを想定するのはアメリカナイズされた世界観だし、購入費用を個々人が勝手に決めて良いというのはブルジョワ系左翼の振る舞いでしかない」と一部批判されていたのだけれど、BWNのプランも、それと同じことなのだろうか?これはQRコードを識別可能なケータイを持った人だけを相手にした試みでしかないのか?

とりあえずぼくは、ぼくのケータイではQRコードを読み込むことができないということをextrameganeさんに伝えた。extrameganeさんのケータイも同じだった。というか、その時点で参加表明していたメンバーの半数以上がQRコードを識別する機能を持たない機種のユーザだった。それを知ったとき、ぼくはこのプロジェクトは大丈夫だと感じた。ここにあるのは、別にQRコードへのこだわりではないと確信したからだ。こうしてぼくは『QuickResponse』に参加する意思を固めた。

だからここで明確に伝えておきたい。前回の『Tamorization』が二次創作の禁止された文学フリマにおける「二次創作とは何か」という問いであったように、今回の『QuickResponse』も文学フリマにおける作品の発表媒体や流通といった形式へのチャレンジであるということを。そしてそれは、既存の媒体や流通形式を否定するものではなく、ともに文学フリマを盛り上げるための共生関係を目指したものであるということを。

明日の文学フリマで発表される『QuickResponse』は、そんなBWNがお届けするワンダーランドです。文フリ当日はBWNのブースに限らず、ご協力いただける複数のサークル様のブースにもQRコードを置かせていただけることになっています。会場をめぐり、いろいろな同人誌を手に取りながら、QRコードをケータイに取り込んでみてください。ケータイで読める5つの小説世界やこの日のために準備されたミニブログサービス「kamatter」など、複数のコンテンツへとアクセスすることができます。

例によって、ぼくは小説の一編を担当しています。誰が何を担当しているかは箝口令が敷かれているため、現時点では公表を差し控えますが、当日、何らかのかたちで発表されることになると思います。いまのところメルマガでは、『蒲田喪失』、『道祖神のまつり』の二編が紹介されています。前者は蒲田から大切なものが盗まれてしまう物語。後者は背筋がぞわぞわする感じの伝奇物とのことです。

順番が前後しましたが、今回のBWNはメルマガの配信も実施しています。既に8回ほど配信されていますが、メルマガに登録していただけるとバックナンバーを読むことも可能ですので、登録はいまからでもまったく遅くありません。上述した『蒲田喪失』と『道祖神のまつり』の概要発表や、『蒲田迷宮探検』という小説の全文先行配信、ならびにケータイで聴くことのできるテーマソングの公開もあり、充実した内容になっています。メルマガのリンクからこれらのコンテンツやバックナンバーへと飛ぶことができます。また文学フリマの当日にも配信がありますので、5月10日は蒲田に行くよという方は登録されることをおすすめ致します。会場でも受信できるように、ケータイのアドレスでの登録、あるいは登録されたメールアドレスからケータイへの転送設定をしていただくのがよいかと思います。

詳細は以下をご参照ください。

あらためて示しますが、『QuickResponse』はQRコードにこだわった単なるトリックプレイではない。だから、もしあなたのデバイスがQRコードを認識しないものであっても、大丈夫。なぜなら、そういったひとたちへの考慮も準備されているし、それに、文学フリマには『QuickResponse』以外にもたくさんの作品があるからです。ぜひ5月10日は大田区産業プラザPiOへお越しください。

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