1976年6月21日放送 アフタヌーンショー

*1

 DVD新日本プロレス1より。

 アリはブラッシーを引き連れスタジオに登場する。トレーナーのアンジェロ・ダンディや通訳のケン田島もいる。

 アリは穏やかさと険しさ、不敵さの混じった表情に見える。
 猪木のスパーリングを見ながら、おどけて大げさに驚き、怖がってみせるアリ。
"I'm going home. I changed my mind" (もう帰る。気が変わった)

 この部分で注目すべきは、延髄斬りの原型とおぼしき技を出していること*2。そして、猪木の次のアピールである。

「……グローブ、素手、そのうちどれをとってもかまわないということで、ボクシングのグローブを選んだわけです。それも4オンスの一番薄いグローブです。しかしここにきて、またまたルールを変えて、わたくしのタックルは許さない、寝てからのパンチは許さないという、ここへきて怖じ気づいたのか怪我をするのが怖いのか(中略)相手からどんな方法で来てもかわまわない、ということ。それは今も来てもかわりません」

「猪木が1ラウンド以上もったらビックリする」
 猪木のスパーリングを見終わったあとアリはで8ラウンド予告を翻し、1ラウンドと言っている。
 実は、この部分に新間の告発*3以降、アリ戦に関する重要な焦点となった「がんじがらめのルールは本当にあったのか?」を解く鍵があると考えている*4

*1:テレビ欄は朝日新聞縮刷版による

*2:このときは、背中に当たっている

*3:新間寿アントニオ猪木の伏魔殿――誰も書かなかったカリスマの「裏素顔」』(徳間書店、2002)

*4:この点については、そのうち書きたいと思う