2011-07-07
頚性うつ−首こりと自律神経症状―
**首こりは万病のもと うつ・頭痛・慢性疲労・胃腸不良の原因は首疲労だった! 松井孝嘉 **
著者の松井孝嘉氏は、脳神経外科医で、30年以上首の研究を続け、自律神経失調症の治療法を世界で初めて完成させた、と、略歴にあります。この本には、その画期的な治療法とその効果について、わかりやすく書かれています。
首こりは万病のもと―うつ・頭痛・慢性疲労・胃腸不良の原因は首疲労だった! (幻冬舎新書)
- 作者: 松井孝嘉
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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その病名は、頚椎症候群。
そして、その治療法とは、
1.低周波治療器で首の筋肉をほぐしていく
2.遠赤外線で首を暖める
3.電気鍼
4.ビタミン注射
薬はほとんど要りません。首の筋肉の緊張がとれると、頚椎の異常な並び(ストレートサインといって、まっすぐ一直線になり、湾曲が失われるもの)も自然な並びに回復するといいます。
首の緊張がとれてくることによって、これまでストレス病とされていたつぎのような病気が、続々と治っているのだそうです。
緊張性頭痛 めまい 自律神経失調症 うつ状態(頚性うつ) パニック障害 ムチウチ
更年期障害 慢性疲労症候群 ドライアイ 多汗症 機能性胃腸症 過敏性腸症候群
機能性食道嚥下障害 血圧不安定症 VDT症候群 ドライマウス
この中の、頚性うつのところの説明を見てみましょう。
私の病院には、他院で「仮面うつ」「軽症うつ」と診断されていた患者さんや、ほんとうは「うつ状態」なのに「うつ病」と診断された患者さんがたくさんいらっしゃいます。そういった患者さん方は、ほとんど例外なく重度の首疲労症状を抱えているのですが、首疲労の治療を受けていただくと、みなさんかなり早い段階で「うつ状態」に別れを告げることができるようになるのです。(90ページ)
これまでの『常識』からいったら、ストレスから脳がうつ状態になり、その身体表現として首や肩の凝りがあるというという理解のしかただったと思うのですが、この方の説明によると、逆です。
子どものときに遊具から落ちた、自転車や自動車の事故、長くうつむくデスクワーク、などの原因でつくられた首の凝りが慢性化し、自律神経の自然な調節能力が失われた結果、うつ状態が起こった。というのです。
天動説→地動説みたいな話ですが、そういわれれば、そうかもしれない、と、思いました。
松井医師は、ムチウチ症の研究をするうちに、その症状が自律神経失調症とよく似ていることに気がつかれ、頚椎の治療をすることで、症状がなくなっていくことにだんだん気がついていかれたということです。なぜかという理屈は、まだわかっていないことが多いのですが、とにかく治療実績はでているのだそうです。
発達障害の人にはうつやパニック障害、その他の自律神経症状を抱える人はたくさんいます。体のイメージがとりにくい人も多く、調子が悪くても気がつかず自分で凝りをほぐしたりという意識の持ち方が弱い場合もあると思います。首を治療することで、とても元気になれるとしたら、これは朗報です。
そこで、ひとつ問題です。
今のところ、松井医師の系列の病院でしか、この治療は受けられないらしいということなのです。
首の凝りをほぐす、暖めるなんて、簡単なような気がします。そもそも民間療法のいくつかにも、首の凝りを治せば自律神経症状が良くなると謳っているところはあります。それと、どのように違うのでしょうか。
松井医師は、治療法を確立するまでには、鍼灸などの東洋医学系の治療もいろいろ試したといいます。首を暖めると治りが早まることはわりと早くからわかっており、比較的奥の方の筋肉を暖める低周波治療器を探しあて、照射のノウハウを確立するのに、時間がかかったということでした。
それに、一発の照射で治るかというとそんなことはなくて、入院治療も含めて根気良く暖めないといけないようです。
松井医師のノウハウには、確かに、一定の治療水準を保つためのいろいろな工夫がありそうです。
でも、筋肉をやわらかくする、緊張をとる、暖めるということなら、スポーツトレーナーや各種民間療法にはノウハウがあるような気がします。ストレッチングや体操など、自分で凝りをほぐしていく方法もたくさんあるはずです。
松井医師の実績を踏まえて、いろんな試行錯誤が行われ、頚椎症候群の治療法がもっと発展できる余地があるのではないでしょうか。首の凝りを自覚する人は、別に特別な病院にかからなくても、今日からなんらかの対策を立てて、首を大事にする生活に切り替えていくことで、早速何かが改善するかもしれません。
それに、発達障害のせいだと思っていたしんどさも、『首』ひとつで、改善するかもしれないです。
この部分を読んでみてください。
体が調子よく動きはじめると、心のほうも自然にいい方向へと動き出すものなのです。物事を前向きに捉えるようになり、いろいろなことに積極的にチャレンジするようになってきますし、小さいことにくよくよしたり落ち込んだりすることがなくなり、人間関係の距離のとり方やコミュニケーションなども、円滑にうまくとれるようになってきます。
そして、他人から何かを働きかけられたときの”反応力”や”対応力”がみるみるよくなっていくのです。きびきびとした反応のできる人、その場に適った対応を機敏にとれる人は、とても輝いて見えるもの。(中略)首が回復してくるにつれ、日ごとにそういう”輝き”が増していくのがわかります。(197ページ)
たかが首凝りと侮ってはおられません。あなたの首は凝っていませんか?
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