分裂勘違い君劇場 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2006-12-30

未来の転職が、過去にさかのぼって現在の自分を有能にする 19:22 未来の転職が、過去にさかのぼって現在の自分を有能にするを含むブックマーク 未来の転職が、過去にさかのぼって現在の自分を有能にするのブックマークコメント


転職、すなわち中途採用の面接では、自分が過去に取り組んだ仕事について質問されます。

しかも、ごまかしがきかないよう、具体的な行動内容を、細かく聞かれます。

広く浅く訊くのではなく、何カ所か適当に選んで、狭く深く訊いていきます。


たとえば、エンジニアなら、過去に自分が開発したシステムにおいて、

なぜ、そのフレームワーク、ツール、ライブラリ、DBを使ったのか?

他に、どのようなフレームワーク、ツール、ライブラリ、DBが候補として

上げられたのか?

他の選択肢と比べて、どの様な短所と長所があるのか?

なぜ、他の選択肢ではなく、それを選んだのか?

使う前に、どのように性能評価・検証したのか?

なぜ、ある部分を汎用的に作り、別の部分をハードコーディングしたのか?

なぜ、その設計だと、生産性が高く、トラブルのリスクやメンテナンスコストが低くなるのか?

もっと低くできる余地として、どのようなものが考えられ、

なぜ、それを作り込まなかったのか?

実際に、どのようなトラブルが起こり、それにどのように対処したのか?


営業であれば、顧客組織の利害関係者のかかえる問題の核心はそれぞれどこにあり、

そのとき提案した自社の商品のコアバリューは何で、そのときの顧客にとって

それはどのような意味を持っていたのか?

顧客の抱える問題を、具体的にどのように解決する提案だったのか?

より高く買ってもらうために、どのように見せ方を工夫したのか?

他に、どんな見せ方が考えられ、なぜ、他の選択肢を取らなかったのか?


おもしろいことに、有能な人というのは、そういう具体的な行動を聞き出すと、

細部まで鮮明に覚えていて、スラスラ答えます。

徹底的に細部まで、なぜその行動を取ったのか?と問い詰めていくと、打てば響くように答え、持論を展開します。


一方で、無能な人というのは、まずそもそも、細部を覚えていません。

理由を問い詰めても、曖昧な答えしか返ってきません。

なぜ、そのとき、そのPCサイトのケータイ版を作らなかったのか?

なぜ、ターゲット顧客を、中高年の男性に絞った商品にしたのか?

なぜ、その設計で、セキュリティー上問題ないと言えるのか?

なぜ、そのとき、普通のファイルシステムを使わずに、RDBをわざわざ使ったのか?


要するに、仕事というのは、意志決定の連続であり、どれだけ質の高い意志決定ができるかで、

仕事の質が決まります。

そして、質のよい意志決定をするためには、

「なぜ、自分は、この行動を取るのか?ほんとうに、この行動が最適な行動だと言えるのか?」

ということを、徹底的に自問自答しながら行動しなければなりません。

有能な人というのは、常にそれをやっているわけです。

そこまで徹底的に鋭く判断をしながら行動しているため、

自分がそれぞれの場面で行った意志決定の理由を、細部まで鮮明に覚えているのです。


このため、無能な人は、いくら面接マニュアルを読んで体裁だけとりつくろっても、

この「狭く深く」タイプの質問をされると、すぐにボロが出て、

面接で落とされてしまいます。


この、「狭く深く」タイプの質問に模範解答するには、

普段から、最高品質の意志決定をし続けなければなりません。

何となくそういうスライド構成にするのではなく、なぜ、そのスライド構成が、もっとも

顧客の心をとらえると言えるのか?

なぜ、そのツールを導入したのか?

なぜ、その業務フローにしたのか?

常に、それがその時点で最高の判断である理由を、誰もがなるほどとうなずく説得力のある言葉で、

明快に説明できるようにしておかなければなりません。

その方法は、こういう理由で、問題があったのではないか?とつっこまれたときに、

きちんと反論できるようにしておかなければなりません。

常に、3年後の転職の面接の時、スラスラと答えられるようにと、意識しておかなければなりません。


また、面接のときにアピールポイントとなるような役割や作業は、

自分から積極的に引き受けるようにします。

アピールポイントになる仕事とは、世の中的に、需要が大きく供給が少ない仕事です。

たとえば、高度な技量を要求されるシステムの設計とか、プロジェクトのマネージメントとか、

難しい営業交渉とかです。

もっと言うと、崩壊寸前のプロジェクトをなんとか立て直したり、問題だらけのシステムを引き継いで

なんとか動くようにしたり、赤字プロジェクトを上手に撤退させたり、などの、

逆境に陥っても、なんとか切り抜けるタフネスも、強力なアピールポイントになります。

プロジェクトは、晴れの日だけでなく、雨や雪や暴風雨の日も、必ずあるからです。

順調なときだけ上手くやれても、風向きが悪くなったらもろくも崩れ去る人材は、

結局、アテにならないのです。


こうして、常日頃から、3年後の転職面接で、どう外面を取り繕うかを

気にしながら仕事をしていると、次第に中身も充実し、本当に有能な人間になってきます。

表面だけお化粧して良く見せようとすると、不思議なことに、中身までいい女になるのです。


未来の質問が、過去にさかのぼって現実を作り出すわけです。