分裂勘違い君劇場 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2007-02-07

「健康のためには、お肉もしっかり食べなきゃ」というのは科学的根拠のない迷信です 09:25 「健康のためには、お肉もしっかり食べなきゃ」というのは科学的根拠のない迷信ですを含むブックマーク 「健康のためには、お肉もしっかり食べなきゃ」というのは科学的根拠のない迷信ですのブックマークコメント


たとえば、以下の食品成分表*1を見てわかるように、最終的に体内で利用されるタンパク質の量を単位カロリーあたりで見ると、牛肉よりも納豆の方が34%、豆腐の方が55%多くタンパク質が含まれています


それから、よく、肉を食べないと必須アミノ酸が不足して健康を害するだのという本が書かれていていたりします。

しかし、上記の表で、納豆のアミノ酸スコアが100になっていることから分かるように、必須アミノ酸のバランスが悪いのは、他の植物性食品のことであって、納豆は必須アミノ酸のバランスがとれています。

なので、

404 Blog Not Found:書評 - 脳の栄養失調

植物だけで必須アミノ酸をバランスよく摂取するのは本当に大変なのだ。

というのは間違いで、植物だけで必須アミノ酸をバランスよく摂取するのは、実に簡単。納豆や豆腐や枝豆を食べればいいだけです。


それから、トリプトファンが不足して脳のセロトニンが不足すると言われたりもしていますが、それも訂正しておくと、大豆のトリプトファン含有量は490mg/100g、牛挽肉のトリプトファン含有量は190mg/100gで(食品成分表より)です。水分の分を考慮しても、植物を中心としたタンパク質摂取でトリプトファンが不足する、ということはありません。


さらに、リジンも不足すると言う人がいますが、大豆のリジン含有量は2400mg/100g、牛挽肉のリジン含有量は1400mg/100gで、これもやはり、問題になるような数値じゃありません。


つまり、お肉を食べる主な理由は味であって栄養ではありません

ようするに、肉というのは、タバコとか酒とかコーヒーみたいな、嗜好品に過ぎません。


単に栄養のためであれば、納豆や豆腐の方が、能率がよいです。

その方が、ずっと安いですし、地球環境にも良いです。


そもそも、京都議定書がどーたらとか、地球温暖化対策がどーたらと言う人は、能書きたれる前に、まずは塊よりはじめよで、肉食を減らしてみてはどうでしょうか。

家畜は糞などから温室効果大きいメタンガスを発生させるうえ、いったん家畜に穀類を食べさせてから、その肉を食べるというタンパク質摂取方式だと、非常にエネルギー効率が悪く、地球環境負荷が極めて大きいです。

レジ袋を無くすより、肉食を減らした方が、何十倍も地球環境には効果あると思いますけど。


あと、味についても、かなり幻想であるケースも多いんじゃないかと思います。

私は、もう1年もほとんどお肉を食べていませんが、肉を食べるのをやめて肉料理が恋しかったのは、最初の一ヶ月ぐらいだけでした。

結局のところ、オイシイ野菜の食べ方を知らなかったから、相対的に肉がおいしいと思いこんでいただけで、オイシイ野菜料理の方法をいくつか覚えたら、肉に対する未練が、あまりなくなってしまいましたよ。


あ、それから、おもに味に関する問題で、魚まで食べないのは、ムボーです。

魚系を禁じ手にしてしまうと、おいしく作れる料理が激減します。


たとえば、100gの肉と同じ量のタンパク質を植物だけで摂取しようとすると、納豆1パックでは足りず、冷や奴と枝豆を追加するはめになったりしますが、どんなにバリエーションをつけてみたところで、毎日納豆と枝豆と豆腐ばかり食ってたら、すぐに飽きちゃいますよ。


なので、肉を止めるにしても、魚は必須です。

実際、私は魚はガンガン食っています。


あと、環境問題にこだわるなら、魚は冷血動物なので、エネルギー効率がとてもいいです。恒温動物のように、体温維持のために、大量のエネルギーを消費しないからです。

とくに、プランクトンを食べているアジとかイワシとかだと、効率の良さはひとしおです。


また、重金属や有害な化学物質の生物濃縮の問題を気にするなら、やはり、食物連鎖の下の方の、イワシやアジがよいですね。

アジの開きは、私の大好物です。


念のため細かな補足事項

細かいことを言い出すときりがないのですが、肉食を減らして、それを大豆製品で置き換えると、当然ですが、摂取する各種成分の比率が変わります。


たとえば、食物繊維とフィチン酸の摂取量が増えます。

この二つは、ミネラルを吸着する作用があります。

つまり、有害な重金属を吸着して排泄する作用(いわゆるデトックス)があると同時に、有用なミネラル分の吸収率も悪くなるんですね。


もちろん、「ほうれん草と納豆を一緒に食べると、ほうれん草の鉄分が全く吸収されなくなってしまう」などというほどではありません。


また、食物繊維とフィチン酸は、どちらも、いろいろ良い効果ももたらしますので、単純に食物繊維とフィチン酸の摂取量が増えることが悪いことだとも言えません。


食物繊維の摂取量を増やすことメリットは、言うまでもないので割愛しますが、フィチン酸は次のようなよい効果があります。

●抗酸化作用

●抗ガン作用

●満腹中枢を刺激して食欲を抑える


なので、食物繊維とフィチン酸の摂取量が増えたことによるメリットだけ享受して、デメリットを無くすには、ミネラル分を含む食材を大目に摂取したり、マルチミネラルサプリを併用することですかね。


このように、肉食を大豆製品で置き換えると、その副作用としてたくさんのメリットとデメリットが生じるわけですが、あまり細かいことを気にしてもしょうがなくって、結局は、重要なのは、トータルメリットがプラスかマイナスか、ということです。


で、疫学的調査データを見れば一目瞭然ですが、実際には、食事が原因の深刻な病気は、ほとんど次の二つが引き起こしています。


●カロリー過剰

●野菜不足


なので、「肉食を大豆製品で置き換えたときに生じる、メリットとデメリットのうち、健康に対して与える重大なファクターは何か?」というと、「フィチン酸などの微量成分の効果」ではなく、「摂取カロリー量が減る」ということになります。


あるある大辞典が問題なのは、食品に含まれる微量成分ばかりを取りざたして、トータルメリットは結局どうであるのか、という一番本質的な部分を見えにくくしてしまうことなのですね。


もちろん、さらにもっと大きな視野でトータルメリットとデメリットを言い出すと、「いや、オレは健康などどうでもいいから、おいしい物を食いまくって、太く短く生きるんだ!」などという価値観のレベルまで込みで議論しなければならなくなるので、きりがないのですが。

*1:科学技術庁資源調査会の五訂日本食品標準成分表より。吸収率と生物価は、次のWebページで拾ったデータ。http://www.obihiro.ac.jp/~kojima/kougi/shokuryo.htmlhttp://www.zennoh.or.jp/bu/nousan/daizu/goods/goods1.htmhttp://www3.ocn.ne.jp/~eiyou-km/newpage123.htm。牛肉の吸収率は、正味タンパク質利用率のデータから逆算しました。また、これは調理する前のサーロイン牛肉ですが、それをサーロインステーキとして食べた場合、油が流出する分もありますが、調理用の油や、ステーキの上にかけるソースなどが加わり分もあるので、カロリーはそれほど変わらないと思われます。また、この例はサーロインのですが、サーロインだからとくにタンパク質含有量が低い、ということもなく、大まかな傾向は、我々が日常よく口にする肉全般に言えることです。なので、ササミとかヒレ肉とか、特殊な例は除きます。そもそも、毎日ササミやヒレ肉ばかり食べてられませんよね。