『戦国乱世から太平の世へ』 岩波新書

●藤井譲治著『戦国乱世から太平の世へ』が発行された。はじめから読み始めたが、実に面白い。今更ながら、学ぶことが多い。
●オビには、「信長入京から 家光死去まで」とある。まさに、私が専攻して研究してきた文学の時代である。信長→秀吉→家康、この時代は、中世末期をも含めて、日本の歴史の中でも、興味をひかれる時代である。
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第一章 戦国乱世
1 信長入京前夜
2 一五代将軍足利義昭
3 信長政権の成立
4 領国の拡大
5 正親町天皇と信長

第二章 全国統一と朝鮮出兵
1 秀吉の天下掌握
2 関白秀吉の時代
3 朝鮮出兵
4 秀次事件

第三章 徳川の天下
1 関ヶ原の戦いと将軍宣下
2 家康の大御所時代
3 家康と天皇・公家
4 大坂の陣豊臣氏の滅亡

第四章 徳川の政権継承
1 秀忠「天下人」への道
2 秀忠の大御所時代
3 「鎖国」の原型

第五章 江戸幕府の確立
1 家光の「御代始め」
2 「鎖国
3 島原の乱
4 寛永の大飢饉
5 日本型華夷秩序
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●生まれながらの将軍として、磐石の体制を整えた、3代将軍・家光が、慶安4年(1651)に没する。明暦3年(1657)には林羅山が没する。寛永の飢饉、江戸大火、江戸を中心にして、日本が大揺れに揺れた時代だった。出版物を見ると、批評書が続々と出版された。私は、この時期を批評の時代と考えた。45年前のことである。

●今度の、「シリーズ日本近世史 全5巻」は、
 ①戦国乱世から太平の世へ
 ②村 百姓たちの近世
 ③天下泰平の時代
 ④都市 江戸に生きる
 ⑤幕末から維新へ
という構成である。これまでの通史とはちがった切り口で、面白い。
■藤井譲治著『戦国乱世から太平の世へ』