人文学科 送別会

 ラジャバッド大学の学長に挨拶し、人文学科の学部長が送別会を開いてくれた。
赴任から2年半、いろいろと大変なことばかりで逃げ出したくなったが、最後の締めを円満に笑顔で挨拶ができたのが何よりだと思う。


 2年半前に赴任したとき、面接の時と給料が違っていて、支払ってもらうのに3ヶ月かかり、寮の真っ暗な汚い部屋の掃除に数ヶ月かかり、シャワーを取り替え洗濯機を直してもらうのに1年かかった。
 大学が郊外にあるため買い物に大学の公用車を出してくれたのも半年間だけ。翌年からはワーキングビザの申請も費用も個人負担だと言われ、イミグレーションや労働局へ行くための公用車は予算がないと断られた。ーーーここは外国人教師のためのサポートが何もないのだ。外国人の担当が3人もいるのに....。


 幸い、お隣りのチャールズ夫妻が車を持っていたのでサポートしてくれ、働き続けることができた。彼らがアメリカに引っ越してからは中国人の周さん頼み、買い物に行く時はドアをノックしてくれるのでなんとか生き延びている。
「新しい日本語教師は来るの?」と周さんに聞かれて、「たぶん、6月の新学期からになるかもしれないわ」と答えると
「ここの大学は外国人をサポートしてくれないから大変だよね」と言われてしまった。ーーーそうだねぇ...。お勧めはできない。


 そして、最後の最後まですったもんだしていた。
年末のチケットが取れなくて、1週間帰国を早め、週末17日にバンコクで開かれるJFセミナーに参加し、そのまま帰国すると言ったら、15日で退職扱いにすると言われた。セミナーの交通費も出ないそう。
 ーーーあ、そう....。と、もめたくないのでサインした。


 しかし、ちょっとおかしいでしょう? 
中高生のスピーチコンテストの引率を病欠扱いにし、セミナーの費用を出さないために15日で雇用を切るわけ? 有給休暇はどうなっているの? セミナーの費用はいらないから病欠と有給休暇で処理してほしい、と上司に文句を言った。

 すると、「ないです!有給休暇ってなんですか?」と逆に聞かれ、「働く人の休む権利です」と言ったら、あったのだ!有給休暇が。
 それで、なんとか月末までの1ヶ月分の給料を貰えることになったのだ。ーーーやれやれでございました。


 ーーー終わりよければ全てよしーーーことなきを得、めでたしめでたし。