棚橋宗七 木版画展 ー大通美術館

 東京在住、道南の江差出身のアーチストが北海道で初めて個展を開催している。
偶然、通りがかり吸い込まれるように中に入った。なんだか懐かしいと感じたのは同郷で同じ想い出を持つからだと知る。


 高校時代、故・横山先生から絵の指導を受けたとのこと。東京で広告代理店に勤め、早期退職して木版画アーチストとして独立。彫りから刷りまで一人でこなし、夏の間、洞爺湖畔のアトリエで刷りあげるそうだ。


 木に並々ならぬ愛着をもち、まるで人格があるように感じる。
角材、棒、浜の暴風柵、床など、人間の暮らしを吸い込んだような木目と柾目が美しい。絵を見ながら、縄文時代中期の円筒土器を思った。あの時代にも繊維を撚り、小枝に巻きつけて回転させ土器面に柾目文様を施していたのだ。


 とにかく、一見の価値あり。足を運んでみて!


ギャラリー大通美術館 札幌市中央区大通西5丁目11番地 大五ビル1F  〜9月16日(日)まで