素朴派?
油彩の場合、絵の具は「置く」って言うんだそう。それを、わたしは「塗る」と言うものだから、いつも言い直される。「描くとか、置くと言いなさい」と。
わたしが思うに、大きなキャンバスは置くというよりは塗る感じだね。ひと昔前の映画館の看板のイメージかな? 芸術とは程遠い看板屋のような絵はペンキ塗るのと変わんないじゃん?と思ってしまうのだ。
顔の目鼻口と説明的に描いていくのは、素朴派。皮膚は肌色だよー、と塗っていくのも素朴派。人物デッサンで顔を描き込んでいくのも素朴派。と散々言われた。素朴派って、素人ってこと。ーーーあはははは、笑える。さらに、筆が小さい!と言われた。
山岳会に入った時も同じようなことを言われていて、岩登りのパートナーに「紐、結んだ?」と言って怒られた。「ロープとかザイルと言えよ。俺はヒモかよ!」と。
テントの中で全身用のエアマットを広げたら「誰だよ、こんな長いの持ってきて!半身用でいいんだ」「半身用だと足が冷たいじゃん?」と言うと「足はザックの中に突っ込むんだよ」とのこと。
冬山に60リットルのザックを持って行ったら、共同装備を前に「ザックが小さい!共同装備が入んないだろうが。冬山は100リットルが常識だ」と言われた。
車の運転ができないので食事担当が多かった。山岳会のコッヘルは大きくて重いので自前でチタンの軽いコッヘルを用意したら「チタンはご飯が美味しく炊けない!」と即却下された。怒られているうちに体力もついてみんなについていけるようになり、海外の山にもじゃんじゃん出かけていたから、人間どう変わるかはわかんないね。
さてさて、山姥はアーチストに変身できるか? 神のみぞ知る。