書評:サンクコスト時間術

くよくよ悩んでいるヒマがあったら前進しよう! そんな気持ちにさせてくれる本です。『今、自分にできる最善のことは何か』そう自問自答しながら前進しようと決意させてくれます。


サンクコスト時間術 (PHPビジネス新書 66) (PHPビジネス新書 66)
斎藤 広達
PHP研究所
売り上げランキング: 90
おすすめ度の平均: 5.0
5 良書だと思います。
5 人生観が変わる(大げさでなく)
5 楽しく読めて役に立ちます
5 時間に対する考え方が変わります☆
5 これは良書!

サンクコストとは?

『サンクコスト』とは、sank cost(もう沈んでしまったコスト)を指します。従って、『サンクコスト時間術』を一言で言ってしまうと、もう取り返しのつかなくなったことは切り捨てて今できる最善手をとりましょうという考え方となります。

実践するには?

4つの発想法に分解しています。

  1. Situation:状況判断
  2. Time Left:残り時間
  3. Best Answer:最善の答え
  4. Action:アクション

上記の4つのS-Tiba(エスティーバ)サイクルをまわし続けようというのが本書が我々に訴えることでした。

私にとってささったこと

以下の2つについて、私はちゃんと考えて実行していませんでした。

1.標準工数
残り時間でできることを算出する際に、『標準工数』を利用しています。

プロフェッショナルは、自分の作業時間を完璧に把握している。

例えば、

  • プレゼン資料を1枚仕上げるのにかかる時間
  • 1つの調査の準備期間

など、細かい単位の作業時間から、中程度単位の期間見積もりまで、自分が行ったときの標準的な時間を把握しているからこそ、残り時間の中で自分がとりうる選択肢を把握することができます。
正直、自分自身のことを振り返ってみると、標準工数として定量化したことはなかったです。感覚という定性的な捉え方のみでした。これでは計画を立てることができません。今後は定量的に標準工数を捉えようと思いました。

2.まず5分

とにかく五分走れ

考えてばかりでなかなか実作業に手が着かないことってありますよね。そういう集中力が高まらないときにはどうすべきなのでしょうか。

気が乗らない仕事も五分頭を使うと、だんだんと考えるモードに切り替わっていくものです。

たしかにまず走り始めることが肝要ですよね。頭でそうわかっていてもなかなかグズグズしてしまうものです。例えば、プレゼン資料はまずフォーマットを決めてしまうと、中身を埋めたくなってきます、なんてことが紹介されています。なるほど、たしかにそんな経験ありますよね。走り出したら勢いがつく、そうポジティブに考えるようにしようと思います。

改善してほしいと思ったこと

あとがきにこうありました。

新書の書き方に慣れていないため、読みにくい点も多かったのではないかと思います。

いえ、ほとんどが読みやすかったです。ほぼ完璧。だからこそ1点だけ気になりました。

  • 『アンチサンクコスト思考』も大事だという話は、もっと簡単にすべし。

「なんでも切り捨てれば良い」とだけ言ってる訳ではないよと著者は言いたかったのだと思います。それはたしかにそうです。読者としてもそう思って読んでます。ですが、事例としての説得材料があまりないのに、アンチサンクコスト思考・ナンピン思考・もったいない思考と3つの言葉を用いて説明するのは、主張ポイントがぶれると思いました。単行本なら事例ももう少し加えて説明できるのでしょうが。

マインドマップ

今回のマインドマップはこちらです。


これからは、状況判断をし(S)、期限までを意識した選択肢を考え(Ti)、その時点で最善の答えと判断したら(B)、もう悩まず走りだす(A)ことにします。もう、Actionの前にグチグチ再考するのはやめます!