2009-10-22
採算見通しなく、全精社協に赤字施設運営依頼 厚労省
社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協)による補助金の不正受給事件で、厚生労働省が07年ごろ、採算がとれる見通しが立たないまま、赤字経営が続く精神障害者支援施設「ハートピアきつれ川」(栃木県さくら市)の事業を引き受けるよう、全精社協に依頼していたことが、同省関係者の話で分かった。
全精社協による運営は、同年に引き受けて間もなく暗礁に乗り上げたという。同省の無責任な姿勢が、全精社協による不正行為を誘発した結果になったと言えそうだ。
同省関係者らによると、ハートピアは96年、同省の発案で設立されたが、「全国精神障害者家族会連合会」(全家連)の経営は赤字が続いた。全家連の資金繰りが行き詰まった07年1月ごろ、同省の担当課長(当時)が、全精社協の前会長らに「引き取ってほしい」と事業譲渡を打診。全精社協は月に数回、同省側と相談を重ねたという。
経営再建に向け、02年に運営の見直しを検討した外部委員会の報告書は「経済的にも、精神障害者の処遇の面からも危機的な状況」と指摘した。建物の修繕費だけでも1億円弱かかる状態だった。
この委員会には同省担当者も参加。ハートピアの運営が行き詰まっていることを把握したが、「施設は維持しなければならない」との見解を示していたという。
こうした状況を知った全精社協の一部の理事は受け入れに反対。だが、執行部は07年4月、破綻(はたん)した全家連の事業を引き受けることを強行、08年7月には土地と建物を買い取った。
全精社協関係者によると、事業を引き受けたのは、精神保健福祉法に基づく「精神障害者社会復帰促進センター」の指定を同省から受け、補助金交付の機会を増やす狙いがあったという。厚労相が1法人だけ指定するが、全家連の破綻で空席になっていた。
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