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2014-12-31

[]2014年は世界文学ローダンの年 22:15

 2014年を振り返ると、3, 4月の『けいおん!』漬け、5月SFセミナーでの世界文学との出会い、8月のペリー・ローダン通読会100巻突破あたりが大きな出来事でした。9月からは何をしていたのかと言われると……なにをしていたんでしょう?

世界文学振り返り

 世界文学を読み始めたきっかけは、もちろんSFセミナーでの牧眞司さん、豊崎由美社長対談です。これまでにもセミナー京フェスと何度も世界文学企画は聴いてきたんですが、なんとなくジャンルSFに固執して外に手を出してきませんでした。最近になってライトノベルもコミックも、面白ければなんでもよいじゃないかと懐が広くなってきた気がしていたので、ようやく世界文学に手を出してみることにしました。


 世界文学の面白さは無差別級の面白さ、という牧さんの言葉通り、千差万別の手触りを楽しむことができました。特に印象に残った3作をあげてみます。

百年の孤独
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 物語の王様はやっぱり凄かった! 蜃気楼の街マコンドの百年間の興亡を、呪いめいた衝動に突き動かされる創設者一族ブエンディア家の運命と密接に絡めて描く大作。親子、兄弟姉妹、3代、4代、……と続く一族一人ひとりの大小さまざまな物語が何重にも積み重なっていくのだけど、最後に行き着くのはタイトル通りの百年という時間。押し包んでくるような怒涛の物語数々に、すべてを押し流していく時間の無情さ、すべてが圧倒的です。

 オールジャンル・オールタイム・ベストですね。なんでもっと前に読んでおかなかったんだろう、とは思いません。いつ読んでも傑作ですから!


 ローダンを100巻読むくらいなら、『百年の孤独』を20回読むほうがよっぽど有意義ですよ! でも自分はローダンも読む人生を選びます。

『わたしの物語』
わたしの物語 (創造するラテンアメリカ)

わたしの物語 (創造するラテンアメリカ)

 こちらはセミナーで豊崎社長が紹介していた中で一番気になっていた作品。

 何を書いても社長が言っていたことに被ってしまうところが難点ですが、とにかく予想を外してくる奇妙な展開が味です。著者と同じ名前を持つ少女アイラの一人称語りですが、帯の煽り「アイラにご用心!」通り、彼女が曲者です。息をするように嘘をつく虚言癖に加えて、脈絡という概念がないかのようにあちこちへと飛びまくる脈絡のない語り、自分のペースなんてものは掴みようがなくアイラのペースに振り回されることになります。

 冒頭で宣言された、修道女になるまでの物語ですら嘘っぱちというのが有名ではありますが、ここまで信頼できない語り手だと、冒頭が間違っているのか、そもそもそのあとに語られたことが全部うそで、本当にアイラは修道女になったのかすら分からなくなります。そんな混沌に振り回されるのが心地よい、とんでもなく不思議な作品でした。

『煙滅』
煙滅 (フィクションの楽しみ)

煙滅 (フィクションの楽しみ)

 こちらは牧眞司さんのおすすめ。飲み会の席などで、特定の文字を使わずに会話をするといったようなゲームをやったりすることがあるかと思いますが、そんなおふざけを本気でやり通した怪作です。フランス語で最頻出文字である"E"を一切使わず、300ページの長編を書き上げたという原作者に、"E"抜きの意義ごと日本語に翻訳した訳者、遊び心に満ちた装丁と、関係者すべての執念が見事に融合しています。

 小説は楽しみ方も自由ですが、書き方、作り方も自由だ!


 ビブリオバトルで本作を紹介してチャンプに選ばれたのも良い思い出です。

ペリー・ローダン通読会100巻突破記念企画

 まるで昨日のことみたいですね。このブログでのエントリーもちょうど1個前ですし。

 お盆休みをほとんどローダンに費やしたせいか、しばらく満腹でサボってしまったので、それからはあまり進んでいないのが問題です。まだアンドロメダに辿り着いてすらいない!

 PR通読会では読んでいる巻の話が中心で、も著者の傾向とかは気にはしていてもしっかりと考えていたことがなかったので、自分にとっても記念企画はよい機会になりました。これからはサイクルも50巻(100話)構成になっていくので、それを機に記念企画をやっていきたいですね。


 そういえば、学園ローダン企画なんていうのも設定だけ作っていました。

http://d.hatena.ne.jp/fujigawa/20140321

 改めて読み返すと、原作の設定をうまく学園に変換してあって我ながらよくできているとは思いますが、いかんせん萌えに寄せることに失敗したので没です。作品としては向いてると思うんだけど、自分に萌えが書けない!

 ローダンを100巻読むくらいなら、『百年の孤独』を20回読むほうがよっぽど有意義ですよ! でも自分はローダンも読む人生を選びます。

(大事なことだからry

2014-08-13

[]ペリー・ローダン通読会100巻突破記念企画 作家別作風解析 19:27

 ローダン100巻までを担当した6人の作家の作風について、登場順に紹介していきます。

 作品のナンバリングは、日本版をベースに前半にa、後半にbをつけて表記しています。例えば35aは、35巻『アトランティス最後の日』前半「半空間に死は潜みて」を指します。

 誰が何話を担当しているかということについては、昨日の記事を参考にしてください。

http://d.hatena.ne.jp/fujigawa/20140812

K. H. シェール

初出
1a「スターダスト計画」
担当作数
32話(〈第三勢力〉9話、〈アトランとアルコン〉8話、〈ポスビ〉7話、〈第二帝国〉7話)

 記念すべきローダン第1話を担当したのは、プロット作家として初期ローダン・チームを率いたシェールです。最初から参加している割には担当数は4番目と振るわないのは、調整役としても多忙だったからでしょうか。

 〈第三勢力〉サイクルでは、1a「スターダスト計画」で口火を切った他、5b「ヴェガ星域戦」で舞台を太陽系外に移した他、10a「宇宙の不死者」で超知性体"それ”と細胞活性シャワーを登場させ、ローダンが年齢を気にせず活躍し続ける下地を作るなど、展開を大きく動かす話を担当することが多いように思えます。

 〈アトランとアルコン〉では、幕開けとなる25b「アトラン」において、シリーズではじめて一人称文体を導入しています。一話丸々アトランが一万年前の昔語りをするという異色作30b「アトランティス要塞」、35b「アトランティス最後の日」ももちろんシェールによるものです。

 〈ポスビ〉サイクルにおいても、50b「超種族アコン」は別として、ほかの作品ではアトランによる一人称スタイルは引き継がれます。ローダン以外の一人称スタイルは〈第二帝国〉サイクルではUSOの二人のスペシャリストレミー・デンジャーとメルバル・カソムの二人の報告書が交互に並ぶという体裁に進化していきます。

 ローダンの生みの親(?)ではありますが、一方で自分の担当ではローダン以外に積極的に焦点をあて、作品の世界を広げることに腐心していたという印象です。ひとり語りスタイルは他とひと味違い、毎回楽しんでいた記憶があります。

クラーク・ダールトン

初出
1b「《第三勢力》」
担当作数
52話(〈第三勢力〉18話、〈アトランとアルコン〉15話、〈ポスビ〉10話、〈第二帝国〉9話)

 プロット作家だったシェールとともに初期ローダンを支えたのが、クラーク・ダールトンだといえるでしょう。2話目で登場して以来、200話まででの担当数は最多。2話連続で担当することも多く、シリーズのテンポを作っていきました。

 ダールトン担当作最大の特長は、なんといっても荒唐無稽な大作戦です。

 しばらくはアルコン帝国に勝ち目がないので、やられた体にして引きこもるんだ! と見ず知らずの惑星地球に見立てる偽装作戦で〈第三勢力〉サイクルを締めくくった24b「地球替え玉作戦」、25a「地球死す」という一大作戦を展開したりと、いささか強引でも勢いのある作品が多くあります。また、グッキー、イルツ夫妻以外の未熟なネズミ=ビーバーたちが行方不明のローダンを探す冒険に出る95a「ネズミ=ビーバー遠征隊」、95b「ゲッコ提督」なんていうユーモラスな作品もいけます。

 思わせぶりな単発設定を出しては、忘れた頃に回収するといった芸当もやってのけます。16b「無限への散歩」で登場した、銀河間を孤独に旅する古種族バルコン人が次に登場したのは、63b「影たちの攻撃」でした。また、未来へ精神を飛ばせるという魅力的な超能力を持ちながら、4a「宇宙からの侵略」(マール)で表舞台から退場していたエルンスト・エラートを〈アトランとアルコン〉サイクルのドルーフ禍では重要人物として復活させ、〈ポスビ〉サイクルでも70b「死者、死すべからず」で活躍させるなど、自分の担当作以外にも目を配って、活用できるものは何でも使ってシリーズを盛り上げてくれました。

 整合性は多少無視してでも迫力を重視する展開に、数十話越しの伏線回収と、超長編スペース・オペラであるペリー・ローダンのイメージ形成に一番近いのがダールトンでした。

クルト・マール

初出
3a「非常警報」
担当作数
49話(〈第三勢力〉16話、〈アトランとアルコン〉13話、〈ポスビ〉11話、〈第二帝国〉9話)

 担当数ではダールトンに迫る2位のマールですが、豪華キャストをふんだんに使った大作好みのダールトンに対して、無名俳優を発掘して低予算ながら丁寧な作品が中心となり、好対照な二人となっています。

 15a「宇宙商人スプリンガー」、15b「パルチザン、ティフラ―」は、シリーズで初めてローダン以外を主役に立てた作品です。若きホープ、ティフラ―候補生を中心とするアカデミー若者たちが淡い恋心やらプライドやらに頭を悩ませながら、スプリンガー相手の絶望状況を打開していく異色作でした。

 ローダンたち中心メンバーの関与が薄いところで進む物語は、〈アトランとアルコン〉サイクルでのグレイ・ビースト流刑囚や、〈ポスビ〉サイクルでの宇宙社会開発援助部隊「第三課」の活躍などにつながっていきます。艦隊やミュータント部隊の助けなしで頑張る「一般テラナー」を描いているので、なんだかんだでローダン頼りな他の作品とは違った冒険譚が楽しめます。とはいえ、グレイ・ビーストには実は艦隊の密かな手助けがあったり、「第三課」もスーパー・ロボットのミーチ・ハニガン軍曹が無双して終わる展開が多かったりというのは、そこはやはりローダン的なのかもしれません。

W.W.ショルス

初出
3b「ミュータント部隊」
担当作数
4話(〈第三勢力〉4話)

 ショルスは第1サイクルで4話書いただけでローダン・チームを離脱してしまいましたので、語ることは多くありません。

 ただ、ショルスが担当した3b「ミュータント部隊」は、その後のローダンの活躍の原動力となったミュータント部隊が文字通り誕生した作品。内実は、ほとんど誘拐同然に集めるんですが、放射線の影響でポジティブなミュータントが誕生したという設定上、メンバーの中心となるのは日本人。有名なタコ・カクタを始め、奇天烈な名前の日本人が多く登場しますが、どうもショルスが日本の電話帳を参考につけたようなことがドイツ本国のサイトにかいてありました。また、ここで同時に財布の紐を握るホーマー・G・アダムスも登場しています。

http://www.perrypedia.proc.org/wiki/W._W._Shols

クルト・ブラント

初出
17b「裏切り者レヴタン」
担当作数
35話(〈第三勢力〉2話、〈アトランとアルコン〉10話、〈ポスビ〉12話、〈第二帝国〉11話)

 ブラントは〈第三勢力〉サイクルでも2話担当してはいるものの、主に〈アトランとアルコン〉以降で活躍しています。

 本筋に積極的に係るようなサイクル・ゲストを上手く使うのがブラントの特徴でしょう。34a「シリコ第五衛星での幕間劇」で登場したローダンとトーラの息子、トマス・カーディフはその後2つのサイクルにわたってローダンを苦しめ、「テラナーの最大の敵はテラナー」という言葉を知らしめました。

 その後は〈ポスビ〉サイクルのヴァン・モデルス、〈第二帝国〉サイクルのティル・ライデンと、個性的な科学者をローダンのもとで活躍させています。二人ともサイクルのカギを握る人物だけあって、69a「銀河への強襲」や88b「最後の一分」など、あわや太陽系帝国滅亡かというギリギリの展開も多いです。

 ダールトンが技術は敵から奪う他力本願超展開派だとすれば、ブラントは解決策はテラナーの頭のなかにある自力超理論派と言えそうです。

ウィリアム・フォルツ

初出
37b「戦慄」
担当作数
27話(〈アトランとアルコン〉4話、〈ポスビ〉10話、〈第二帝国〉13話)

 フォルツは、現在ハヤカワ文庫SF版が訳されている辺りにプロット作家を担当した重要人物です。〈アトランとアルコン〉サイクルでは4話のみ担当、〈ポスビ〉サイクルから積極的に関わっていきます。

 デビュー作37b「戦慄」は、ドルーフとアルコン帝国の板挟みにある太陽系帝国がぎりぎりの綱渡りをしている銀河情勢などどこ吹く風で謎のミュータントがオタマジャクシ級の宇宙船を乗っ取っていくというホラーじみた不可思議な作品でした。ここのメンバーは46b「秘密使命モルク」にも再登場しますが、そのほかの作品でフォルツが出す登場人物は、その話限りの使い捨てが多いような印象です。

 かと言って、マールのように独自路線ばかりというわけでもなく、〈第二帝国〉サイクル後半のプロフォス編では、90b「仮借なき敵」を始め、プロフォスにさらわれたローダン一行の苦難を最も積極的に担当しています。

 独自路線とメイン・ストーリーをバランスよく担当してきた作家と言えそうです。

H.G.エーヴェルス

初出
99b「最後の砦
担当作数
1話(〈第二帝国〉1話)

 エーヴェルスのデビューはプロフォス編の締めくくりでした。いきなりそんな重要なところを任されるだけのキャリアがあったのでしょうか? 100b-150aまで100話構成となる〈島の王たち〉サイクルでは25話を担当と、これから活躍していく作家です。

総括

 ローダンが大いなるマンネリと呼ばれながらも(本国でも通じるんでしょうか?)50年以上にわたって連載が続いていることの一つの理由に、個性豊かな作家がそれぞれの持ち味を活かしつつ全体としてストーリーを紡ぐシステムが上手く働いていることがあるんだと思っています。

 振り返ってみると、プロット作家のシェールがサイクルを方向付け、ダールトンとブラントがそれぞれのやり方でストーリーを忠実に進めるところに、マールとフォルツが独自路線で世界に広がりをもたせるというように、役割分担が出来上がっているのがよくわかります。

 大型新人エーヴェルスを加えて迎える第5サイクル〈島の王たち〉からは1サイクル100話構成と長さも倍になりますが、さてどんな展開を見せてくれるでしょうか*1

*1:170巻までは一度読んでるんですけどね

2014-08-12

[]ペリー・ローダン通読会100巻突破記念企画 作家別傾向概略 00:21

 twitterで淡々と続けてきた #PR通読会 が1年半ちょっとで100巻に到達しました。そこで、これまでやろうやろうと思いつつ放置していた、作家ごとの傾向をまとめてみようと思います。

 個々の作品の感想や、サブタイトル中の頻出語解析などはtogetterにまとめてあるので、興味がある方はそちらも見ていただければ。


ペリー・ローダン通読会1〈第三勢力〉

http://togetter.com/li/705371

ペリー・ローダン通読会2〈アトランとアルコン〉

http://togetter.com/li/705381

ペリー・ローダン通読会3〈ポスビ〉

http://togetter.com/li/705389

ペリー・ローダン通読会4〈第二帝国

http://togetter.com/li/705396

ペリー・ローダン通読会外伝1 サブタイトル形態素解析とか

http://togetter.com/li/705527


 150巻までは自炊してPDFになっているし、サブタイトル&著者のデータもまとめてはありますが、100巻突破記念なので、今回は100巻までの内容を扱います。ローダンは本国ドイツの2冊分を1巻に合本していますので、例えば1巻前半(本国1話)を1a、後半(本国2話)を1bと表記することとします。ということで、今回の取り扱いは1a(1話)から100b(200話)までです。

 ローダンは、プロット作家と呼ばれる一人が展開の大枠を決め、それを元に複数の作家が共作するシステムをとっています。まずは、100巻まで200話を、どの著者が何話担当したか見てみましょう。

著者担当話数
クラーク・ダールトン52
クルト・マール49
クルト・ブラント35
K.H.シェール32
ウィリアム・フォルツ27
W.W.ショルス4
H.G.エーヴェルス1

 さらに、199話4サイクルのサブタイトルを、担当著者ごとに色分けしてみました。

f:id:fujigawa:20140812221930j:image

 ダールトンとマールの2人でほぼ半分、残りをブラント、シェール、フォルツの3人が書いています。ショルスは極初期に4作書いただけで消えてしまいました。エーヴェルスは99bと登場が遅く1話のみの担当ですが、100bからの〈島の王たち〉サイクルでは25話を担当するなど、今後活躍していきます。

 各サイクルの冒頭をシェールが必ず担当しているのは、シェールがプロット作家だったからだと思われます。冒頭に限らず、シェールの担当回にはそのサイクルにとどまらない長期的に重要なものが多いような気がします。その代わりなのか、最初から参加している割には担当作数ではダールトン、マールに後れを取っていますね。

 一方、サイクルの締めはダールトン、フォルツ、ブラント、ブラントとばらばらでした。

 時々同じ作者が続くことがあると思っていましたが、きちんと見てみると、〈第三勢力〉〈アトランとアルコン〉、〈第二帝国〉サイクルは同じ作者が連続して担当した話がそれぞれ20, 21, 22話と、4割近くになります。3話連続したのは〈アトランとアルコン〉サイクルでダールトンが1回やっているだけでした。一方、〈ポスビ〉サイクルではブラントが2話連続担当を2回しているだけ。さらにいえば、〈ポスビ〉サイクル前半のアコン編では一回も作者が連続していません。この時期に何かあったのでしょうか?

 担当作数をサイクルごとに分けてみると、活躍時期がずれていたりはしますが、大きな偏りなくまんべんなく担当が振られている印象です。一人に過度な負担をかけずにチームワークでやっていくのが、週刊で40年以上続いている秘訣なのかもしれません。

 と、今日はここまで。明日はそれぞれの作家がどんな話を書いてきたのか、思い出せる限りで分析します。

2014-07-31

[][]ローダン版『レッドスーツ』の世界での処世術 00:56

レッドスーツ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)ネタバレあり!

 ジョン・スコルジーの『レッドスーツ』は素晴らしくバカバカしい傑作でした。本作の元ネタは〈スター・トレック〉でしたが、残念ながら新旧劇場版と、シャトナーの書いたスピンオフ、角川スニーカー版〈ヴォイジャー〉くらいしか分からないので、TVシリーズ特有のチープさというのは想像で補うしかないのでした。

 でも、我々には想像で補わなくてもいい週刊スペースオペラがある!


 ということで、ある日自分がローダンの世界でキャストをやっているらしいと気づいた時に身を守る処世術を考えてみました。

 ローダンの場合、旗艦ごと全滅という可能性もあるので、旗艦に乗ってしまったら主要キャラクターと任務に出なくても危険はうなぎのぼりです。自称ヒューマニストのローダンが率いる艦隊では比較的人命は大切にされますが、もちろん戦争では旗艦以外もさっくり沈められますので、旗艦以外の死亡率が極端に低いとも思えません。また、民間人として地上で暮らすという選択肢も、アコン人の卑劣な陰謀やホルンシュレッケ禍で惑星表面の生物ごと消え去るというリスクからは守ってくれません。


 絶望的に見えるローダン世界ですが、生き延びたいなら、スタトレにはなくて(?)ローダン・シリーズにはある抜け道を目指すのがお勧めです。

 その道とは、すなわちサイクル・ゲスト(筆者命名)になることです。ローダンが12.5~50巻の「サイクル」という単位で大きな物語を形成しているのは有名な話ですが、それぞれのサイクルにはたいてい重要な役割を果たすゲストが登場します。ゲストたちは当然ドラマチックな展開や、時には死ぬより目に遭いつつも、殆どの場合はサイクルの最後まで生き抜いて表舞台から引退することになります。


 サイクル・ゲストにはいくつかの特徴がありますので、積極的にそうした行動や立場を選び取っていくのが、ローダン世界で生き延びるコツといえるでしょう。ここでは、お勧めの選択肢を挙げてみます。


主要キャラのいないところで仲間と大活躍する

 いつまでも同じ顔ぶれでは飽きるからなのか、主要キャラをほとんど出さずに一連のエピソードが展開されることがローダン・シリーズには少なからずあります。特殊な組織に所属することでこのルートに入りやすくなる傾向もありますが、それ以外の方法でもいけないことはないので、比較的間口の広い選択肢だと言えるでしょう。

 ただし、このルートに入るためには最低でも相棒、できれば4,5人のチームがそれぞれの技能を最大限活かすことが重要ですので、ぼっちの人は諦めましょう。

アルコン・サイクルのマルセル・ルゥと仲間たち
最初にドルーフと接触して生き延びた若い軍人たち。創意工夫で次元に穴を開けてドルーフ世界への道を切り開いた。
アルコン・サイクルのグレイ・ビースト住人
ローダンを暗殺しようとしてハニー・トラップに引っかかった若者や、同時に暗殺を企てていた別の集団が、流刑される途中で無人の惑星に墜落。対立を繰り返しながらも生き延る。
ポスビ・サイクルの観光局第三課
実は秘密情報局のエージェントたち。スーパー・ロボットのミーチ・ハニガン軍曹を押し立てて大活躍。

科学者になる

 ローダンの世界では、科学者はかなり優遇されます。科学者だけで構成される探索船〈エクスプローラー〉シリーズに乗れば、少なくとも軍艦よりは高い生存率が期待できるでしょう。特に、複数の分野に秀で、いざとなったら医者が無理やり眠らせない限り何昼夜でも働き続けるほど研究熱心で、同僚からは胡散がられるほど突飛な理論を次々に繰り出す科学者なら、サイクル・ゲストのチケットはもう手の中にあるも同然でしょう。アカデミーに入るくらいから準備をしなくてはいけないというネックがありますが、自分のキテレツっぷりに自信があるなら目指してみるのも手です。

 ただし、このルートの場合、やり過ぎは禁物です。あくまで目の前のサイクルにだけ重要な研究をするべきです。下手に基幹技術の開発なんかをしてしまうと、タイミングによっては細胞活性装置を授けられて、相対的不死者としてサイクルを越えてローダンと行動をともにしなくてはならなくなる恐れがあります。

ポスビ・サイクルのヴァン・モデルス
ロボット心理学者、専門外の生物学でもアイディアをガンガン出していく積極性がある。
ブルー・サイクルのティル・ライデン
粘液質で周りの評価は低いが、いつの間にか自分の求めるようにプロジェクトを動かしてしまう。朝食の時間はローダン相手だろうと仕事を断る。

あなたもサイクル・ゲストになろう

 どうでしょう、どちらも狭き門ですが、救国の英雄となった上に一連の物語が終われば表舞台から引き下がりひっそり暮らせる(?)サイクル・ゲスト、もしローダンの世界に迷い込んだら、貴方も目指してみませんか?

2014-03-21

[]学園英雄ペリー・ローダン(初期設定) 17:58

 twitterでトーラはツンデレだし、クレストは執事っぽいし、今ならローダンアニメ化してもいけるんじゃないか、というポストを見かけたので、前々から考えていたミュータント部隊がとある研究学園都市にいたらネタと組み合わせてみることにしてみた。

 ところで、トーラがツンデレなのは誰もが首肯するところだと思うけど、クレストは長身痩身な外見はともかくとして執事というのはちょっと人類の友にそぐわないんじゃないかしらん。属性としては、ツンデレのトーラのほかに、ドジっ子アンネ、幼女ベティに淫獣グッキーと、それなりに揃うね。

 第三生徒会編として、2クール分の内容紹介も構想中だけと、とりあえず大まかな設定を先に。

ストーリー

外界から隔絶された片田舎にある太陽系学園は、長く続く三大生徒会の対立が最終局面を迎えようとしていた。学園崩壊の危機が迫る中、外界に活路を見出そうとそれぞれの生徒会は伝承にうたわれる隣村、月村への到達競争を始める。新発明の自転車レースに勝ったのは、西側生徒会精鋭のペリー・ローダンと仲間たち。彼らはそこで、見たこともない巨大な乗り物と異人に出会う。彼らこそ、数多の学園を支配する大アルコン学園の生徒たちだったのだ。

ローダンとアルコン学園生徒会長の妹、トーラの出会いが、すべての学園の未来を変える!

登場人物

太陽系学園第三生徒会首脳部

三大生徒会の争いで崩壊間際の学園を救うため、ローダンが設立した第四の生徒会。でも名前は第三生徒会。

ペリー・ローダン
太陽系学園西側生徒会探検部の優秀な部員。灰色の瞳に引き締まった長身。状況の変化に瞬時に対応する姿から「瞬間切り替えスイッチ」と称される。大アルコン学園の科学部部長クレストの援助を受け、「第三生徒会」を設立、太陽系学園生徒会統一に乗り出す。
トーラ
大アルコン学園生徒会長の妹。目的を失って無気力化した学園を離れて、勢力外に新たな発見を求める探検部を率いる。片田舎の太陽系学園とその生徒たちを馬鹿にする態度をとる一方で、ローダンの大胆なやり方には困惑している様子も。
クレスト
トーラとともに探検隊を率いる、アルコン学園科学部部長。ローダンこそ、無気力化して自滅の道を歩む大アルコン学園の後を継ぐ存在だとして、協力を惜しまない。
レジナルド・ブル
ローダンと一緒に月村へ行った探検部部員。赤い剛毛、お腹周りは豊満。豪放磊落な性格で、ローダンに率直にものを言える唯一の存在。第三生徒会設立後はローダンの副官として人間関係の調整に駆け回る。通称ブリー。
アラン・D・マーカント
西側生徒会社会部部長。西側生徒会の安全を担う立場にありながら、ひそかにローダンの理念賛同し、協力する。
フレイ
探検部の後輩。ローダン独立に慌てた西側生徒会が月村に派遣され、アルコン学園の乗り物を壊してしまう。性格、体格がローダンにそっくりで、第三生徒会加入後は、何かと外回りの多いローダンに代わって学園を預かることも。影が薄い。
コンラッド・デリングハウス
フレイトと一緒に月に行った探検部の後輩。元気が取り柄で、ローダンについて回っては細々とした雑用をやっつける。
ホーマー・G・アダムス
学園の会計をちょろまかして謹慎処分を受けていたところをローダンに助けられた不良。第三生徒会会計として、クレストからもらった知識をちらつかせて、学園中の部活を第三生徒会に転向させる。禿を気にしている。
太陽系学園超能力部部員

過去の生徒会闘争の結果、様々な突然変異を有する生徒が太陽系学園に通っている。ポジティヴな変異を遂げた生徒たちのためにローダンが立ち上げた超能力部は、学園統一だけでなく、将来大アルコン学園に対抗するためにも強力な手勢となる。とある研究学園都市流に、レベル1-5に分類される。特例でレベル6も存在する。

なお、ローダンはレベル1の弱いテレパス能力者なので、残念ながら幻想をぶち殺せない。

主要どころだけで20人くらいいる気がするので、適当に抜粋する。

ジョン・マーシャル
ある日、食堂で暴れだそうとする不良生徒の行為を未然に防いだことで超能力が発覚したテレパス。超能力部部長として、個性豊かなメンツをまとめ上げる。レベル3。
エルンスト・エラート
時間と空間を渡り歩けるテレテンポラリア、人の精神に入り込んで支配することもできる。バランス・ブレイカーなせいか、たいてい誰も知らないどこかをほっつき歩いていて出番は少ない。レベル6。
イワン=イワノヴィッチ・ゴラチン
イワンとイワノヴィッチという二つの人格が一つの巨体に住み着いていて、いつも一人でけんかをしている。目からビームは出ないが、見たものを大爆発させることができる。レベル5(第4位相当)。
キタイ・イシバシ
日本寮出身のヒュプノ(暗示能力者)。一人に徹底的に暗示をかけるのも、千人単位でだますのもお手の物。レベル5(第5位以上)。
グッキー
廃校に住み着いていた巨大なネズミとビーバーの合いの子のような謎の存在。モフモフ。テレパス、テレキネシス、テレポーターの三重能力者で、有り余る力を悪戯に注ぎ込む学園のマスコット。レベル5(ランク外)、CV金朋
ベティ・タウフリー
幼女。優秀なテレパス兼テレキネシスで、飛び級して学園に。世話役の先輩が学園を裏切ろうとすると、容赦なくぶちのめす冷酷さも。レベル4の中でも上位。
タコ・カクタ
超能力部部員には、日本寮出身者が多いが、その中でもとくに有名な部員。第三勢力に真っ先に加入した最古参のテレポーター。レベル4。
ラス・ツバイ
アフリカジャングルで猛獣に襲われた際に超能力が発現したテレポーター。肌が黒いというだけで、どこの学園に行っても化け物扱いされる。本当は気持ちのいい好男児なのに。レベル4。
フェルマー・ロイド
何かとツキのないテレパス兼探知能力者。レベル4。
アンネ・スローン
愛されドジっ子テレキネシス。よく失敗はするし、危機に陥って周りに助けられたりする。サークラ姫の素質がありそう。頑張ってレベル3から4に。
ラルフ・マルテン
人の見てるもの、聞いてるものを見聞きできるテレオプティカー。ベティが好きなロリコン。レベル2。

外の学園

太陽系学園統一を果たした第三生徒会の面々が出会う他校の生徒たち。統制のゆるんだ大アルコン学園も、かつて支配下に置いていた学園の独立運動に手が付けられない。

大アルコン学園
数多の学園を従える伝統の大学園の栄華も昔のこと。名門に驕りコネ入学を繰り返してきた結果、今や授業中もソシャゲに明け暮れる無気力生徒の集まりに過ぎない。
IVs服飾学園
トーラたちの通信を聞きつけて最初に太陽系学園にやってきた勢力。大アルコン学園辺境で好き勝手しているガラの悪い学園。変装が得意で、在校生と入れ替わって学園に混乱を引き起こす。
トプシダー爬虫類学園
トーラたちの通信を聞きつけたが、フォックスハンティングが苦手で隣町のベガ学園に殴り込みをかける間抜けな連中。
アラス医療専門学校
医療の名門校だが、陰湿な生徒が多く、新興勢力の太陽系学園から治療費を巻き上げようとする。

ワンダラー

ベガ学園から始まった謎のオリエンテーリングの終着点。太陽系学園を焦点の一つに持つ楕円軌道を回っている動く校舎。

「それ」
ワンダラーの主。謎に包まれた声だけの存在だが、オリエンテーリングを抜けてきたローダンになにがしかの資格を認め、生涯学生でいられるような処置を与える。
ムンク
「それ」が作った人型対人インターフェース。微笑みを絶やさない。