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fujiha 絵巻物語

2018-12-31

SF「本歌取り」3

『枕草子』の「山は」の山々は、歌枕、恋(通い婚など)の言葉遊びのリズムで楽しめます。この中では、やはり大比礼山と大和三山の一つ耳成山を取り上げたいです。大比礼山は、東游(あずまあそび)の終盤の「おおひれのこひれのやまはよ 寄りてこそ寄らなれや とおめはや」を採用しています。他の段でも東游を愛でていますので、清少納言さんのお気に入りだったのでしょう。「寄りてこそ」は過去記事に示しましたように、『源氏物語』(夕顔)の名場面でも採用されています。紫式部さんも「高麗唐土の楽よりも東游みなれたるは、なつかしくおもしろく」(若菜上)と、「本歌取り」で物語を彩ります。

さて、SF本歌取りで注目したいのは、『枕草子』の冒頭の段です。

「春はあけぼのやうやう白くなりゆく山ぎは少し明かりて紫式部だちたる雲の細くたなびきたる」

山(ぎは)-日の出

です。

同じ段の秋。

「秋は夕暮れ山の端いと近うなりたるにからすの」

山(の端)-日の入

です。

山から昇る朝日。初日の出、鏡餅をみると手塚治虫さんの火の鳥』(望郷編)でコムてロミが乗った「岩船」にも見えます。(「岩船」は「星屑」とも表記されています。)

「岩船」が時空間を旅して、懐かしい、帰りたかった地球をめざします。日の出、日の入、宇宙からの飛来。

文学作品にはあまり太陽信仰が触れられていないようですが、子どもも暗唱している、あの『枕草子』の最初に隠されています。

奈良飛鳥の耳成山は、香具山、畝傍山とともに大和三山の一つです。学生の時は友人と山に礼をして、同日のうちに登りました。この三山は巻向山、三輪山、忌部山と山頂を結ぶと、対称になり、その中心ラインは、夏至の日の出(冬至の日の入の絶妙な配置になっていました。)まるで、「人工物」のように。どこからか飛来して鎮座したように。

『火の鳥』(できればオリジナル版か大判で)は遠い記憶が蘇るようなお話。コムたちが乗ったような「岩船」は、日本各地の神体山の言い伝えなどからも、超太古に実際に「飛来」したとわたしは感じます。それが『古事記』の神々、天の鳥船などの神話として伝わっているのだと。

耳成山…『火の鳥』のコムと母のムーピーとの会話。

「ロミはねわたしたちとちがって目で物を見るんです」

−「それにねロミは少し耳も遠いの大声で話すんですよ」

「耳?」

「耳ってなーに?」

飛来した星人は耳が無かったのかもしれません。

歌や神話の「本歌」辿り、過ぎ来し方を思いますと、「本歌」が観えてきます。

今年もおかげさまで、大晦日を迎えることができました。ありがとうございました

皆様、良いお年をお迎えください。

東天紅東天紅 2019/01/13 22:04 明けましておめでとうございます。
鏡餅が岩船なら、月のうさぎの餅つきもUFOの製造かもしれませんね。
耳が無い…耳が聞こえない「聾」は「龍の耳」と書きますが、蛇にも耳はありません。

最近、永井豪さん原作で、実兄の永井泰宇さんが書いたノベライズ版の「凄ノ王伝説」を読みましたが、古代の神話の物語かと思ったら超能力SFで意外でした。正直言っておめでたいお正月に読むには向いてない作品でありました。

ふじ葉ふじ葉 2019/01/19 21:47 明けましておめでとうございます

東天紅さん
お正月から凄いお話ですね。永井豪さんの『マジンガーZ』をはじめとした物語は、未来と太古、そして現在を一つに繋げる力があるようです。手筭治虫さん、石森章太郎さんや楳図かずおさん(特に『わたしは真悟』『漂流教室』『RoJIN』)の作品群は遠い過去の記憶にある畏れ、懐かしさを感じます。

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