至福の時間

fujimako06292007-09-11

仕事の後、行きつけのバーに立ち寄る。「長いお別れ」のテリーレノックスじゃないけど、僕も、開店したばかりの夕暮れ時のバーが好きだ。空気が澄んでいて、何もかもが新しい。
僕がここで最初に飲む酒は決まっている。
「アラスカ」というカクテル。

ジンにシャルトリューズ・ジョーヌを合わせてステアしたカクテルだ。
もうかれこれ20年僕はこのバーでこのカクテルを飲み続けている。
自分で、ミキシンググラスを購入して家で何度も作ってみたが、当たり前の事かもしれないけれど、マスターが作ってくれる「アラスカ」を作り出すことは出来ない。
マスターとたわいもない話をしながらカクテルグラスを口に運ぶ。
本当においしい。
体の心から緊張感が抜けていく感じがする。
次に頂いたのはキャプテンモルガンというラム。

プエルトリカンラムで、バニラやハーブの香がブレンドされてるとてもまろやかな口当たりのダークラムです。
それをストレートで、香を楽しみながら口に運ぶ。
本当に至福の時間。
バックに流れるのはたぶんビルエバンスのピアノ。
何も言うことはない。
その次に頂いたのはハイランドモルト、ロイヤルロッホナガー。

ほんのりシェリーの香が鼻に抜ける。
フィニッシュは長くスモーキー。
スモーキーなモルトが大好きな僕にとって、時々、定期的に飲みたくなるモルトのひとつだ。
そして、最後はアイラモルト、カリラ。

強烈なヨード臭が鼻に抜けるヘビーなウイスキー。薬のような味と表現されることもあるが、病み付きになると離れられなくなるのが、アイラ島をはじめとした、島物のウイスキーだ。
これを飲むとほかのウイスキーの味が分からなくなってしまうので、島物は最後に飲まなければならない(笑)
本当に至福の2時間だった。
しとしと雨が降り続いていたせいか、客は僕一人だった。
昔ほど頻繁に通えなくなってしまったけど、僕にはここがある、という気持ちでいられることは僕の精神安定という意味ではすごく大きい。
マスターはもう70。体に気をつけてこれからもがんばってもらいたいです。

今日は、行きの電車で20分、会社で30分、家に帰って1.5時間、計2時間20分