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2005-07-29

[]慣れるな、危険! 慣れるな、危険!を含むブックマーク

子どものころ、男の人は大人になると、皆、煙草を吸うものと思っていました。なぜだろう。ただ、親戚のおじさんたちが集まると、昼間からテーブルに瓶ビールが並び、そのなかに無造作に置かれた灰皿や、座布団に転がるマッチ箱の景色が、いまでも目に浮かびます。

私の父も、ヘビースモーカーでした。けれど、家族に気を遣ったのか、家のなかではほとんど吸わない人でした。夜、ベランダや庭先で、蛍のように揺れる赤い炎はとてもきれいでしたが、そういう父の姿が、私は子どものころからあまり好きではありませんでした。暗黙のうちに、父は私の前でだけは遠慮せずに煙草を吸うようになりました。

確か、私が高校生のときだったと思います。本棚に、覚えのない小箱がさしてあるのを見つけました。なんだろう、と思って取り出すと、それは当時、流行りのニコチン・パッド。父が「禁煙したい」とでも医師に相談したのでしょう。「これ、なに?」と聞くと、父は誇らしげにシャツをめくり、お腹に貼ったパッドを見せてくれました。「へえ、えらいじゃん」そう思ったものの、数日後、パッドを貼ったまま煙草を吸っている父を発見しました。実の親ながら、ホントに愚かしい人だと思いました。

私は喫煙家ではありませんが、かといって、世の中の過剰なる禁煙ブームや健康至上主義にのるつもりもありません。それにしても、先月末から突然増えた煙草の警告表示に、気持ちの悪さを感じるのは私だけでしょうか。「肺がんにより死亡する危険性は、非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」とか「未成年者は周りの人から勧められても決して吸ってはいけません」など、その警告方法はさまざまですが、一番笑えたのは、MILDSEVENなどのパッケージの側面に書かれた、この文言。「mild、super lightsの表現は、本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではありません」

……知ってるよ、そんなこと!

こんな文言で、ぐるり一周囲まれた箱は、実に見るに忍びないものであります。『早春』という映画で、地方出向を命じられたサラリーマン(池部良さん)が先のことを案じながらショート・ピースの箱を対角線上にクルクル回す場面がありましたが、いまのPEACEでは、レイモンド・ローウィも涙するのでは、というほどの情けないありさま。あんなシーンは、もう成立しないでしょう。

言いたいことをただストレートに書いただけの文言が、バカみたいに真剣すぎて笑えます。いったい、この警告表示にどれほどの効果があるのでしょうか。煙草の箱以外にも、街には私たちの注意を喚起させんとする不快な看板や放送がやたらにあふれていて、以前は当たり前だったことがかえって埋もれてしまっているように思えてなりません。親切ごかしなメッセージ、たとえばスポーツクラブや駅のトイレに書かれた「いつもきれいに使っていただいて、ありがとうございます」という気味の悪い一言とか、ブックオフの店員さんたちが、客が来店したという気配を感じただけで、下を向いたままテープレコーダーのように「いらっしゃいませ〜。本日は・・・」と唱え始める接客態度とか。こういう耳障りなものにいつしか体が慣れてしまうのは、とても恐ろしいことだと、私は思うのですが。

haruki_xxxharuki_xxx 2005/07/30 23:58 大変に真っ当なご意見と思いますが。
最後のブロックの文章を拝見していると、22日のエントリーに付いているhideさんファンの皆さんのコメントへの編集部からのご回答が、益々薄っぺらく誠意の無いものに感じられて不愉快この上ありません。
> いつしか体が慣れてしまうのは、とても恐ろしいことだと、私は思うのですが。
特にこの言葉をそっくり編集部の皆さまにお返ししたいと思います。
確かに全ての媒体に目を通し、完全な記事を書く、ということは難しいことなのかも知れません。しかしそれが出来ていなければ売り物として文章を発表すべきでは無いと私は思います。貴誌は低俗なスキャンダル等を載せるようなスタンスの雑誌ではないとお見受けしました。そのような立派な、しかも来年で90周年という歴史ある雑誌の編集に携わっている方のご返答があのような形というのは余りにもお粗末過ぎです。
> 警察の発表とその後の新聞報道の前例に従いました。
このご回答で終わりにされるのであれば、貴誌の体質はまさに『体が慣れている恐ろしい状態』なのではないですか?
あの記事を見て、インターネットをやっていて、尚且つこのブログの存在を知っているhideファンの方というのはほんとのわずかなことと思います。実際私自身も、たまたまはてなでブログを書いていなければ知らなかったのではないかと思いますし、ネットで知り合った友人たちもこちらの存在を知りませんでした。
こちらでご回答されただけでは、あの記事を見て傷ついたhideファンへの謝罪などには到底なり得ません。ご回答の内容も納得出来るものではありませんし。もっともあの内容で良い、と編集部の皆さまがご判断されたのであれば、それはそれ。
私は歌舞伎も好きで、役者さんのインタビューなどもしてくださっていたので好感を持っていただけに残念、ということで。この程度の見識しかお持ちでないのか、と見限るだけで終わる話ですから。

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