2006-10-04 「待っている人」がいなくても更新できるのか?/立喰師列伝
■[WEB]「待っている人」がいなくても更新できるのか?

http://d.hatena.ne.jp/xura/20061003/p1
リアクションへのリアクション、みたいになってしまって、なんだか申し訳ないのだけれど。
僕は基本的に書くことが好きだし、やっぱり個人サイトとかブログって、書くことが好きで、楽しくないと続けられないような気がする。僕はこうしてキーボードを叩いているだけでも、けっこう幸せなのだ。
でも、実際に「待っている人がいなくても、更新を続けられるのか?」と問われると、僕にはあまり自信がない。昔はあった、すごくあったのだ。それこそ、僕が人類最後の生き残りになったとしても更新できるくらいの自信があった。
3年前くらいに、事情があって、前にやっていたサイトを閉鎖した。しかしながら、サイト運営の楽しみは捨てがたく、僕は全く新しい場所で、新しい名前で、新しいサイトを始めたのだ。
ところが、これが誰も来てくれないのですよ驚くほどに。前にもどこかで書いたのだけれども、同じ人間が同じようなことを書いているはずなのに「場所」が変わると、本当に誰も読んでくれなくなるのだ。そもそも、これを読んでくれているあなたも、この文章が今日できたばかりのブログの一番最初のエントリだったら、絶対にたどり着けなかったと思う。
そして、一度「ある程度の数の人に読んでもらうこと」に慣れてしまうと、「誰にも読んでもらえないこと」のストレスっていうのは、かなり大きい。閉鎖する前は「誰も読んでいないところなら、気軽に書けて楽しいんじゃない?」なんてワクワクしていたのだけれども、本当に誰も読んでくれていないと、正直、一人でカラオケボックスでカラオケをやっているような気がしてくる。「誰かと一緒に行っても、みんな他人の歌なんて聴いてないし」なんて思っていても、実際にひとりっきりで歌い始めてみると、その場に人が「いる」のと「いない」のとでは大違いなのだ。それこそ「練習用」になら、誰にも読まれないブログに書くのもアリなのかもしれないけれど。
以前一人暮らしのときには何も感じなかった部屋でも同棲していた彼女がいなくなったら急にがらんとして何かが欠けてしまったような淋しさに襲われるように、「人に読んでもらうこと」に慣れてしまった人にしかわからない孤独というのが、たぶん、ここにはあるのだ。
■[映画][DVD]立喰師列伝 ☆☆☆

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劇場で観ようと思っていた押井守監督の最新作なのですが、上映館が少なかったこともあり、結局「DVD待ち」していたのです。要約発売されたのですけど、レンタルコーナーには置かれておらず、購入して観賞。
……眠い、眠すぎる!
うーん、これは「問題作」だなあ、というか、「どうして押井監督の最新作なのに、あんなに上映館が少ないんだろう」なんて疑問に思っていたのですけれど、観終わったあとには、「これを劇場にかけられるなんて、押井監督ってビッグネームなんだなあ」と考え直しました。
この作品には、日本の「戦後」というものへの押井監督の問いかけが溢れているのですが、正直、映画単体で観ると「なんじゃこりゃ?」という感じです。細切れのストーリーとまくしたてられ続ける長い長いナレーション。眠る前に観よう、と思って観始めたのですけど、観る前に何度も寝てしまいました。もちろん「狙って」いるのでしょうけど、これがツボにハマる人って、一体どのくらいいるのか大いに疑問です。「立喰師」を語ることは押井監督のライフワークらしいのですが、本当にそうなのであれば、どうしてもう少しとっつきやすいような妥協をしようと思わなかったのでしょうか。いや、これって押井監督にとっては、「どうしても作りたかった作品」なのかもしれないけど、どうみても観客不在の作品だとしか感じられなくて。むしろ、最後まで頑張って観た自分の忍耐力を褒めてあげたい。
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というかですね、作品そのものよりも、この作品について押井監督が語った↑の本のほうがはるかに面白くって興味深いというのはどういうことなのか、と。あと、個々の「立喰師」たちのキャラクターに、ほとんど思い入れができなかったのも難点です。彼らの「ゴト」の具体的な事例について描写しないのが「演出」なのかもしれませんが、長々とナレーションで語られるよりは、実際の「現場」を描いてみせてくれれば、もうちょっと伝わるものがあったのではないかと思うのだけれど。
テーマも思想も面白そうで、楽しみにしていた作品だったのですけど、結果的には「ブログの(ネガティブな)ネタにしかならない」作品で、正直ガッカリしました。意欲作ではあるのでしょうし、僕がわかりやすいハリウッド映画に慣れすぎているのかもしれないけれど、やっぱり、「わかったフリ」なんてしたくないのです。
とりあえず、山寺宏一さんの喋りと「(ピーッ)ーランド」連発は印象に残りました。

押井作品って、自らもなにかしらモノをつくってメシを食ってるひとが高い評価をしてるような気がします。特にウォシャウスキー兄弟とかJ・キャメロンとかが押井スキーなのは、日本のオタクへの憧れの象徴として押井を見てるからかな、よくわかないけど、って感じです。
ファンが苦笑しながら「最悪!」なんて頭を抱えつつも次回作を観てしまうような押井さんというのは、やっぱり愛されているということなのでしょうね。「立喰師列伝」に関しては、「ああ、あんたもアレ、観ちまったのかい……」というような妙な連帯感を抱かせてくれる作品なのかもしれませんね。
押井さん自身が、自分の作品の「ピンポイントっぷり」に対して無頓着であることが、世界のクリエイターには羨ましいのかもしれないな、と僕は感じました。いやほんと、「立喰師列伝」って、説教ですよほとんど。でも、時々思い出して観ては、やっぱり後悔してしまいそうです。