琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

役者魂!

http://www.fujitv.co.jp/yakusha/staff/cast.html

まあまあ、かな。松たか子さん好きなので。
でも、このドラマ、ちょっと烏山さんの「自分語り」多すぎですよね。そして、少なくとも第1回では、本能寺海造さんの「役者魂」は全く感じられず。というか、単にワガママなオッサンだし、この調子じゃあ、事務所が切り捨ててない理由がわかんない。加藤ローサさんの大根役者っぷりは、素なのか演技なのか微妙だ……
松さんはこのドラマの台本を読んで、ずーっと『ラ・マンチャの男』を演じ続けているお父様のことを思い出したりするのでしょうか。まあ、幸四郎さんは何をやっても幸四郎さんなのに芸域は広い人だし、松さんにも同じことが言えるのかもしれないけれど。
ところで、今日のこのドラマでいちばんインパクトがあったのは、「ミツルギレイジ(美剣玲二)」という名前でした。成歩堂とか千尋さんも出てくるのかな、と一瞬期待してしまいましたよ。

ぐっとくる題名 ☆☆☆☆

ぐっとくる題名 (中公新書ラクレ)

ぐっとくる題名 (中公新書ラクレ)

「文章術」「小説家入門」の類の本は世に結構出ているにもかかわらず、作品にとってもっとも重要なファクターのひとつである「タイトルをどうつければいいのか?」ということは、意外と語られることが少ないのです。もちろん「内容が無い」ものはどうしようもないのですが、素晴らしい内容でも、読者の興味を持ってもらわなければどうしようもないのです。この「ぐっとくる題名」、ブログをやっていて、「どんなタイトルをつければいいんだろう?」といつも悩んでいる人は、実用書として、ぜひ一度読んでみることをオススメします。目からウロコが落ちます。駄洒落みたいなタイトルも、あらためて分析してみれば極めて高度な「計算」や「良質のセンス」が詰め込まれているのです。
 僕が「ぐっときた」のは、ブルボンさんが、カフカの『アメリカ』(現在は『失踪者』と改題されているそうです)について書かれているこの部分。

 マックス・ブロートは、いくつかの短編を除き、遺稿を焼き捨ててくれとカフカに頼まれたが、それを無視した。そのおかげで「審判」「城」といった作品が世に出たわけで、遺言を履行しなかったという行為が「文学的に」高く評価されている。
 だが、この小説に「アメリカ」と名づけた、そのことも文学的に大きな仕事をしたといいたい。主人公がさまようのは未開の分からない場所、広大な場所、どこか明るい、楽天的な気配のある場所。まさにこれは「アメリカ」を描いた小説だ(当時においてもそうだし、現代のアメリカをみてもなお普遍性を持つと感じる)。また、作品がそれを名乗ることで、実物のイメージすら刷新してみせる。
 辞書の二番目の意味のように、新たな(言語としての)「アメリカ」になろうとするような意欲を感じさせる。とても力強い命名でもある。
 とりとめなく舞台が変わり、途中の章も抜けているらしい未完成の作品に「アメリカ」と名づけたことで未完成の小説が「自立」した。

 この紹介文を読んでいるだけで、作品を読んでみたくなります。結局、1927年に刊行され、ずっと『アメリカ』だったこの作品は、カフカの生前の意向をくんで、現在では『失踪者』というタイトルにされているそうなのですが。
 こうして考えると、作者が、必ずしも最高のタイトルをつけられるわけではない、ということなのかもしれません。いや、作者としては、『アメリカ』なんて、あまりにもベタすぎるタイトルだ、と結論づけてしまうかも。 
 1925年にセオドラ・ドライサーの『アメリカの悲劇』という作品が発表され、ベストセラーになっているので、当時の人は、「また『アメリカ』?」と思っていた可能性もあるのですけど。
 ところで、この『アメリカの悲劇』は、1931年に同じタイトルで一度映画化されているのですが、1951年に再映画化されたときには、「反米映画だと思われるのを懼れて」『陽のあたる場所』というタイトルに改題されているんですよね。『アメリカ』というタイトルは、改題の憂き目に遭いやすいのかも。

 なんかもう、脱線しまくりですみません。

WEBで「ぐっとくる題名」をつけるには?

過去に僕が書いたもので「題名のつけかた」に関するものを集めてみました。
しかし、我ながらけっこう前から同じようなことを何度も書いているものですね……

アクセスアップを呼ぶ「見出しのテクニック」

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060614#p2

簡単にインパクトがある「タイトル」をつけるには?

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060813#p2

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、なぜ、あんなに売れたのか?

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20060924

『WEB日記の良い題名、悪い題名(技術編)』

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20030209

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