琥珀色の戯言 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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2007-01-19 世界樹の迷宮/「3DダンジョンPRG」の歴史と復権

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 『Wizardly』や『ブラックオニキス』世代ではけっこう盛り上がっているような印象があって、僕も久々に「発売日買い」を敢行しに行きました。某ゲームショップではなかなか見つからず、「まさか、売り切れ?」と思っていたら、新作の棚の隅っこにひっそりと並べられていて、なんだかちょっと寂しかったです。『怪盗ワリオ・ザ・セブン』が大々的に売られていたのに。

 やっぱり、今の若い衆には「ダンジョン」とか「マッピング」っていうのは受け入れられないのかなあ……

 しかし、当時はめんどくさくてしょうがなかったそういう要素が、今になってみると妙に懐かしいのは何故なのだろう。とか言いながら、攻略サイトを見ながら遊んでたりしそう。

 まだパッケージも開けてないので、週末にでも触った印象を書きます。

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世界樹の迷宮Blog � 新納コラム6:もう一度1から

↑を読みながら、「ゲーム史における3DダンジョンRPGの歴史」を思い出していました。

 コンピューターゲームの世界における「3DダンジョンPRG」のルーツにして集大成は、なんといっても『Wizardry』で、1981年にアメリカのSir-Tech社からApple2用に発売されたこのゲームは、「3DダンジョンPRG」のみならず、『Ultima』と並んで、「RPG」というジャンルそのものを切り開いた傑作でした。ここでも何度か書いているのですが、『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんは学生時代に『Wiz』にハマりまくっていて、『ポートピア連続殺人事件』のファミコン版のダンジョンには「もんすたあ さぷらいずど ゆう」という『Wizardry』の敵とのエンカウントのときに出る表示が「落書き」されています。

 そして、日本国内で、この「3DダンジョンPRG」の魅力を世に知らしめたのは、1984年に発売された、BPSの『ブラックオニキス』と、その続編の『ファイヤークリスタル』でした。当時の日本のマイコンの外部記憶装置はカセットテープが主流だった時代で、英語+高価なApple2+フロッピーディスクという『Wizardry』が「黎明期の日本のマイコンゲーマーたちの夢」だった時代に、この『ブラックオニキス』が日本語(しかもテープ版)で遊べる「3DダンジョンPRG」として当時のゲーマーたちに与えたインパクトは本当に大きなものだったのです。

 「3DダンジョンPRG」の歴史を語る際に、僕はここでちょっと考えこんでしまいました。もちろん、その後も「3DダンジョンPRG」というジャンルが完全に消滅することはないのですが、結局のところ、「3DダンジョンPRG」がコンピューターゲーム界で「主役」だったのは、この時期だけだったのかもしれません。

 その後も「3DダンジョンPRG」としては、海外では本家『Wizardry』の続編や『Might&Magic』シリーズなどが気を吐き、日本国内では『ファンタジアン』や、SF的なストーリーを取り入れた『ザ・スクリーマー』、ホラー調の『ラプラスの魔』、コンシューマーでもファミコンディスクシステムの『ディープダンジョン』、そして『女神転生シリーズ』などがヒットしてきましたが、RPGの主流は、「ウルティマ型」の「フィールド探索型」になっていきます。そして、「1つの巨大なダンジョンが『世界』であり、その奥に『ゴール』がある」というタイプの純粋な「3DダンジョンPRG」は、現在ではほとんど見られなくなりました。考えてみればそれも至極当然のことで、最初に「3DダンジョンPRG」が考え出されたひとつの理由というのは、当時のマイコン(そして、そのゲームを作る人々)には容量的な制約が厳しく、「ダンジョン」という「限定された世界」でないと描ききれなかったという面があったのです。

 「フィールド探索型」のRPGの魅力が「ストーリーを進めていくこと」「新しい世界を見つけること」であるのに対して、「3DダンジョンPRG」の面白さというのは、その世界のなかでのキャラクターの成長を愉しむという「システムに組み込まれる(あるいはそれを超える)喜び」でした。しかしながら、コンピューターの映像的な表現力が増すにつれ、見た目が寂しく、マッピングなどが必要で「作業的」になりがちな「3DダンジョンPRG」は、次第に衰退していきます。「ダンジョン」という概念そのものは「フィールド探索型」のアクセントとして残存しましたし、『ザナドゥ』のような「アクションRPG」を生むための土壌にもなったのですが。

 また、「限定された世界を徹底的に描ききる」というコンセプトの『ファンタシースター』や『ダンジョン・マスター』というゲームも発売されました。

 しかしながら、「3DダンジョンPRG」には、今までのところ『Wizardry』を超えるインパクトを持った作品は出ていないのです。結局のところ、「3DダンジョンPRG」の基幹となるのは「キャラクターの成長システム」であって、それは、『Wizardry』の時点で完成されていたからなのかもしれません。そして、僕が思うに、「3DダンジョンPRG」の楽しさ、「ゲームのシステム的な制約の中で最高の強さのキャラクターを作り上げる」あるいは、「迷宮の完璧な地図を完成させる」という行為って、「プログラミングの楽しさ」ひいては「コンピューターを扱う面白さ」にものすごく似ているのではないでしょうか。だから、初期のマイコンフリークたちは、「3DダンジョンPRG」に適応できる人の割合が高かったのだけれど、コンピューターの普及とともに増加してきた「ゲームだけできればいい」「メールとインターネットだけ」というようなライトユーザー層にとっては、「めんどくさいだけの面白くないゲーム」だと感じた人が多かったはずです。そう考えると、パソコンユーザーそのものがどんなに増えても、「3DダンジョンPRG」を好むような人たちは、もう、これ以上増える可能性はないのかもしれません。『ダービースタリオン』とか『俺の屍を越えてゆけ』のような「システムに組み込まれるタイプのゲーム」はけっして滅んだわけではないので、潜在的なニーズはけっこうあるのではないかという気もしますが、結局、「3DダンジョンPRG」にハマっていたような人たちは、もう、オンラインRPGに行っちゃってるのかなあ。

 『世界樹の迷宮』が、もっともライトユーザーが多いゲーム機であるニンテンドーDSでどんな評価をされるのか、僕はけっこう楽しみにしています。

たまちたまち 2007/01/21 13:56 「フィールド探索型」は自己との外への広がり、「3DダンジョンPRG」は自己の内側への掘り下げ、という視点はなるほどって思いました。
文中にはなかったですが、一応復権を目指して成功している例がありますよー。補足をば。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%B3%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%86%92%E9%99%BA

SigmaSigma 2007/01/27 14:35 通りすがりの、世界樹攻略者です
トルネコは、2D視点のフィールド型、そして、なにより「ローグ」の血統で、パーティを組んでダンジョンに潜るWizとは血筋が全く異なると考えますが、どうでしょ

今でも血筋を保ってきているのは、文中にも出てる女神転生シリーズでしょう
他のコンシューマー向けゲームは、フィールド型のドラクエ・FFのヒット以降、滅んだ気配がします

andrewandrew 2007/02/10 07:20 いえいえ、ダンジョンマスター、ウルティマアンダーワールドを忘れてはいけません。この2本こそRPGの金字塔です。