琥珀色の戯言 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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2009-11-30 失われてしまったケーキの話

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 一昨日の21時前、嫁の携帯電話が鳴った。

 こんな時間に誰が何の用だろう?と言いながら出た嫁は、「いえ、ちがいます」などとしばらく話をしてから、電話を切って思案顔。

「何の電話だったの?」

「うん、それがねえ……ケーキ屋さんから『ご注文のケーキ、まだ受け取りに来られてないんですけど』って。この間、クリスマスケーキをその店で注文したときに、あなたの誕生日ケーキも一緒に注文したんだけど、ちゃんと、『12月27日』って言ったつもりだったんだけどなあ……でも、こっちでちゃんと『12月』って念を押したわけでもないし、このままだと、あのケーキ屋の店員さん、店長とかに怒られるよね……」

 嫁は、しばらく考えてから、僕にこう言った。

「ねえ、ケーキ、食べたくない?」

 (たぶん)嫁が言い間違えたわけではないと思うが、注文したときに確認したわけではないし、12月24日のケーキとともに、12月27日のケーキを注文するより、間近に迫った11月27日の分を注文するほうが、はるかに「よくある話」ではあると思う。僕がその店員さんだったら、同じ間違いをしたかもしれない。

 そして、その日は早い時間に夕食を摂っていたので、その時間、ちょうど僕たちは「ちょっと甘いものでもあったらいいな」という気分でもあったのだ。

「それなら、取りに行くからって、もう一度電話してみるね」

 そう言って、嫁はそのケーキ屋にもう一度電話をかけた。

「ええ、いや、大丈夫ですよ。12月の注文はそのままでいいので……もったいないですし。………そうですか、はい……」

 こちらの言い間違いだったかもしれないし、そのケーキ、こちらで引き取りますよ。もちろん、ちゃんとお金も払って。そう伝えようとしたのだけれど、電話の向こうの店員さんは、「いえ、こちらの責任ですから、本当に申し訳ありませんでした」の一点張り。

 結局、「ありがとうございます。お待ちしています」という話には最後までならなかったみたいだった。

「どうする? 閉店時間まであと30分くらいあるし、たぶん、営業時間中は『処分』しないと思うよ。それに、せっかく作ってくれたのに、もったいなくない? ちょうどいま、ケーキ食べたいし。こっちから取りに行ったら、『渡さない』とは言われないよ」

 嫁はそう言っていたし、僕もケーキを食べたい気分になりかけていたのだが、そのケーキを店に取りには行かなかった。

 取りに行って、「じゃあ、ありがとうございます」って、普通にお金を払ってケーキを受け取れればいいのだけれど、この話の流れだと、「こちらの責任ですから、お渡しできません」と断られるか、あるいは、ケーキは渡してくれるけれど、「こちらのミスですから、お代は要りません」ということで、ちゃんと払いたい僕と押し問答になるかのいずれかになることが予想され、そういうことが起こるのは、ケーキがもったいないとか、食べたいという気持ち以上に煩わしい未来予想図だったので。

 結局、そのケーキは失われてしまった。

 もちろん、「お誕生日プレート」を外されて、翌日その店のショーケースに並んでいないとは限らないけれど、おそらく、捨てられてしまっただろう。

 僕たちはあの日、どうすればよかったのかな。お互いに悪気がなかっただけに、かえってあのケーキにとても申し訳ないことをしてしまったような気がしてならない。

さとこさとこ 2009/12/01 05:21 お互いの中間を取って、「それでは半額(3割引でも)引き取ります」という提案をしたらよかったかもしれませんね。それでもまだ、こちらのミスですからと言われてしまうんでしょうか? 100%お店側のミスでもないような気もしますけどね。騙して余分にお金をせしめようと平気でする人たちがたくさんいる国に住んでいると、日本ってこんな国だったんだ・・・と複雑な気持ちです。いくつかの国を廻っているとレートの計算が分からなくなり、お金の桁を間違えて150円の買い物に1500円くらい出していたと後で気づいたことがあります。日本なら、「間違えていますよ」と返してくれるんだろうけど、当然、何も言われませんでした。

青島青島 2009/12/01 08:12 先読みしすぎ。向こうに間違いがあるなら、大きなお世話。自分たちに間違いがないという確証(明細や受け取り日がかかれている紙とか)がないなら、明らかに、fujiponさん側のミス。ミスなんだから、へりくだるのはfujiponさん側。へりくだる、謙るというのは、社会で生きていくために常識なのに、fujiponさん側は持ち合わせていないようだ。ということは、どういうことかというと、周りの人間に激怒している人がいて、表面上にこやかに接しているだけだろうね。あと、世間の常識ならば、クリスマスとその後の12/27ならば、二つ頼んだりしない。庶民は、同じ日に二つを祝うのだよ。もっと貧乏ならば、正月にクリスマスと誕生日と正月を祝うのだよ。もっと、世間に関心をもたれたらいかが?

青島青島 2009/12/01 08:17 そもそも、おかしくないかい? 大人の誕生日にケーキを注文するというのは。もし用意するなら、自分の家でつくるもんでしょ? 見た目なんか関係ない。子供のための誕生日ケーキは、プロの作った美しいケーキを特別にあげるというのはわかるけど。

青島青島 2009/12/01 08:22 さらにもう一言、【村上春樹の文学賞での演説】を思い出しなさい。

とんま天狗3号とんま天狗3号 2009/12/01 09:51  青島さんのコメントがあまりに激しいのでちょっとびっくり。私は正しさよりもやさしさだと思いますが・・・。
 それはさておき、自分だったらどうしたかなと考えてみると、たぶん受け取りにいったんじゃないかな。料金を受け取らなかったら、それでも廃棄されるよりはマシだろうし。相手の好意にちょっとお得感を感じてしまうかも。
 こんなささいな出来事のエントリーが一番好きです。みんなどうでもいいようなことで、いろいろなこと思っているんだって実感できて。そんな普通さがこのブログの魅力ですね。

のりこのりこ 2009/12/01 10:38 青島さんはある一つの事実(27日の誕生日を祝う)だけ捉え、そこに向けて自分の感覚を主張することだけに専念し、あとの文脈は読み飛ばしているとしか思えません。27日の誕生日を各人がどう祝おうと自由で、それ否定するかのような書き方は、自分の世界観の狭さを露呈しているだけのように思えます。
ちなみに私だったら、もしかすると勘違いさせちゃったかもしれないな、悪いことしたなとは思いつつも、先方が引き取ってくれることにほっと胸を撫で下ろして終わりでしょうか。もう一歩踏み込むことはなかっただろうな、と自分の今一歩さを感じます。

湧泉堂湧泉堂 2009/12/01 10:41 誰にも悪気は無くて、善意でやってることなのに不幸な出来事が起こることってありますよね…。

ただ、職人の立場から考えると、『もったいないから引き取ります』と言われると素直になれなかったのかも知れません。
なんだか、嫌々しょうがなく食べられるみたいで。
そんな食べられ方じゃあケーキが可哀想だと思ったかも。
「間違ってくれてありがとう!嬉しい!ラッキーです!俺は今、○○(店名)さんのケーキがモーレツに食べたいんです!」

…とまではいかなくても、『もったいないから』じゃなくて『○○さんの作ったケーキが食べたいから』と言えば素直に売ってくれたんじゃないでしょうか?
あ、fujiponさんを非難しているわけじゃないですよ。
fujiponさんも奥さんも、誰も悪くないと思います。

ciimaciima 2009/12/01 11:34 いい日常の風景だと思います。

くらくら 2009/12/01 12:00 こういった「ちょっと切ない日常の一コマの情景」に
こんなにも激昂する人がいるなんて、衝撃ですね。
「確証」「へりくだる」「謙る」「世間」「常識」
とか言葉も大げさすぎて恐怖ですよ。
ちなみに我が家では、正月もお盆も誕生日も母の日も
すべてまとめてクリスマスにお祝いします。

みけにゃんみけにゃん 2009/12/01 15:42 fujiponさんも奥様も優しいですね・・・
きっと、お子様も優しい人に成長される事でしょうね。

いつくしまいつくしま 2009/12/02 00:49 >>青島

あげ足とりがあんた凄いな
完璧を求めて相手が少しでもミスると鬼の首とったが如くせめたてる

モンスターなんちゃらだよ。あんた

ケーキの店員が青島でなかったのは救い

ちくわちくわ 2009/12/02 13:19 とんま天狗3号さんのコメント「正しさよりやさしさ」。
いいよね、正しさをわかった上でやさしさという答えを夫婦で話し合えるのは。
悩ましいけれど、いい話ありがとう。
いつも楽しみにしてます。

5or65or6 2009/12/06 05:04 >青島さんは機嫌がわるかったんだよ。別に店員さんがいいって言ってるならいいんじゃないかと思うが、また誕生日のケーキを買いに行くしね。そん時また話せばいいじゃない。明けない夜はないじゃない。

あ〜ケーキ食いたくなってきた。