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2011-11-30 「昔のインターネットは面白かった」

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「昔のゲームは面白かった」

僕もそんなふうに思うことがある。


でも、実際に僕がテレビゲームというものにはじめて触れた、1980年代前半くらいのゲームというのは、なかなか凄まじい代物だった。

昔のマイコンゲームなんて、いまだったら、絶対に1時間もしないうちに投げだすと思う。


画面に線が引かれ、色が塗られて絵が完成するまでのあいだ、数分間待たなければならないアドベンチャーゲーム

コマンド入力は英語なのだけれど、一日中辞書を引きながら片っ端からいろんな動詞を入力しても、「ココデハ ○○ デキマセン」しか返ってこないこともあった。

(「ナニヲ ○○ スルノデスカ」と表示されると、それは「どこかで使える動詞」なので、けっこう嬉しかった」


テープ版があるのは良いものの、階段で上の階や下の階に行くたびに、1時間くらいロードするアクションRPG。


「3D」を売り物にしていたが、とにかく処理速度が遅く、18ホール回るのに、本当に1日かかった「リアルゴルフシミュレーション」。


こんなの何が面白かったのだろう?

でも、当時はなんだかこんなゲームで遊ぶのが、楽しくってしょうがなかったんだよなあ。

それこそ、朝から晩まで、まったく進まないアドベンチャーゲームに、ひたすらコマンドを入力し続けていたものだ。


いま考えてみると、当時は、「技術的な進化」が、「ゲームそのものの進化」とシンクロしていた、とても良い時代だったような気がする。

僕たちは、タイトル画面で女の子が瞬きをする「アニメーション」を見ただけで歓声をあげ、シューティングゲームが8方向にスクロールすることに感動していた。

ゲームそのものの面白さはもちろんあったのだけれども、「ゲームで、こんなこともできるようになったんだ!」という「進化を共有する喜び」が、そこにはあったのだ。

テレビゲームをやっているというだけで、「不良」とか、女子から「暗い」と言われる時代だったけれど、だからこそ、僕たちは、その世界が自分たちだけのものであるような気がしていたのだ。


いまはそれこそ「映画のようなゲーム」がつくられているし、ゲーム音楽も「普通の音楽」だ。

アイディア面での進化の余地はあるだろうけど、技術的には、ある程度「限界が見えてきた」というか、「これ以上技術的に進歩しても、面白さはそれに比例しないだろうな」と思う。

そういう時代に生まれてきたゲーマーたちの「ゲームの楽しみ方」は、「ゲーム黎明期」から、ずっとこの世界を眺めてきた僕とは違うのかもしれない。


僕は思う。

「昔のゲームが面白かった」のではなくて、「昔のゲームが、進化していく過程が面白かった」のだろうなって。

面白かったのは、あのゲームじゃなく、あの時代そのものだったのだ。



「昔のインターネットは面白かった」

僕もそうやって、懐かしく思い出すことがある。


だが、冷静になって考えると、昔のネット(というか、個人サイトの世界)もまた、凄まじい代物だった。

速度は遅い(しかも、テレホーダイの時間になると、つながりすらしないこともあった)し、HTMLがわかっているか、「ホームページビルダー」を使わないとサイトが作れなかった。

しかも有料。

個人サイトをつくっても、誰も見にきてくれず、しょうがないので人気サイトの掲示板に「いつも読んでます!」なんて書きこみをして、自分のサイトのURLを「さりげなく」紹介していた。

同じような規模のサイトに「相互リンク」をお願いしたり、大手サイトやニュースサイトに「文中リンク」や「紹介」してもらって小躍りしたり。

なんというか、ものすごく狭い世界で、自己主張が激しい人間たち(まあ、アフィリエイトなんて影も形も無い時代に、苦労して個人サイトをつくっている人間は、「普通じゃない」よね)が多かった。

社会問題になるような「炎上」はなかったけれど、サイトの掲示板でのとりとめのないバトルは日常茶飯事だった。


あの頃に比べたら、いまのほうが、よっぽど個人サイトは読まれている時代なんじゃないかと思う。

更新する環境も、読む環境も、はるかに良くなった。

トラックバック機能が10年前にあれば、もっとラクできたんじゃないか。

もう、ホームページビルダーの時代には、戻れない。

そして、誰も来てくれない閑古鳥サイトで、1日に10人(そのうち5人分くらいは「自分」でも)来てくれたことに喜んでいた時代の、「みんな読んでくれ!」というような渇きを、味わうこともない。

(やろうと思えばできないこともないけど、同じことを書いても誰も読んでくれないのは、けっこうつらい)


たぶん、「昔のネットが面白かった」というのは、昔のネットでさんざん不自由な目に遭った人間が、半分強がり、半分はあの頃の「マイナーだった自分」を思い出しながら言うことばだ。

人っていうのは、意外と「昔のつらかった記憶」を美化してしまいがちなものだしね。


あの頃の僕にとっては、「インターネットの進化を見届ける」のは、本当に面白かった。

でも、もしいま、全く同じくらい「不自由なシステム」が登場したとしても、あなたは僕と同じ面白さは味わえない。

それは、あなたにとっては、「単にめんどくさいだけのもの」でしかない。

「技術の進化」というのは、そういうものなのだ。

もちろん、今の僕だって、いまさらHTML手打ちとかやる気にはなれない。


それでも、僕は正直、「生まれたときからインターネットがある時代」に生まれてきた人たちが、羨ましくもあるのだ。

少なくとも、インターネットは、まだ「進化の途中」だから。

そして、テレビゲームのときも、インターネットのときも、その黎明期に、リアルタイムで僕たちが感じていたものの大部分は、「もどかしさ」でしかなかったから。

ほめぞうほめぞう 2011/11/30 19:38 こにちゃ。

生まれた時からネット世代はともかく、思春期に触れた人間が一番暗黒期を喰らったことだけは主張します。上の世代が日常茶飯事でやっていたコミュニケーションの中に、自分たちが大人になってもそれを引き継いで維持できないかもしれないという暗い考えに陥ったからでもある。
そして、「ある程度ゲームもネットもそれなりのものが揃いつつあった(何かしかのブームでさえも)」世代は、上の世代に羨ましいと言われないための予防策を今でも自分たちですら気づかずに講じているような気もします。

だから個人的に、今の中堅ネット世代を羨ましいとは思いません。ネガティブな意見をぶつけてしまい申し訳ありません。
そのぐらいの気持ちがなければ逆に理解不能な空間がネットには多かったということです。上の世代に、とりわけ従来の「大人」はもういないという覚悟も必要でした。

いや、ネットが出た時点で時間という概念を少し取っ払わなきゃいけないんだ。
「懐かしい」と言ってるのは、過去の状況も参照できるツールを今に活かせてない証拠だ(コンプレックスなのだろうけど、まず間違いなくそういう言い訳ができなくなった世代だとは思う。)。
俺はそれに反発する。時間がたっても、必ず誰かが有用だと判断して切り取っていってくれることを願うしそうする。

そういやゲームアーカイブスで「シルバー事件」をプレイしているのですが、一言で言えば、割りと達観した様子で今の世を見てるゲームだなと感じました。
余談ですが、携帯ゲーム機あたりから「ゲームを題材にしたゲーム」が増えているはず。そういう背景を元にしている以上、俺は自分の育った世代もゲーム機も必ず意味があると信じています。

korokukoroku 2011/11/30 23:13 はじめまして。

僕は、「もどかしさ」を感じることができたことを、幸せな青春期だと思っています。
いや、負け惜しみではなく。
起動が遅い、スクロールが遅い、ドットが落ちる、そんなことに目くじらを立てること「しか」知らない(今立てるのは構わないと思うんですが)のは、
老人の戯言を承知で言いますけど、
やっぱり「豊か」ではない、と思うんですよ。

カセットテープをロードする「ぴーがーずざざざざー」という音を聞きながら、一向に進まないゲームに思いを馳せたあの遅々とした時間が、今のバリバリ3D美麗グラフィックの感動に負けているとは、到底思えないのです。

ファミコン、ディスクシステム、PC-9801、X68000、MSX、そうした経験は何一つ無駄ではなかったと胸を張って言います。過去と今の自分に誓って。

korokukoroku 2011/11/30 23:14 はじめまして。

僕は、「もどかしさ」を感じることができたことを、幸せな青春期だと思っています。
いや、負け惜しみではなく。
起動が遅い、スクロールが遅い、ドットが落ちる、そんなことに目くじらを立てること「しか」知らない(今立てるのは構わないと思うんですが)のは、
老人の戯言を承知で言いますけど、
やっぱり「豊か」ではない、と思うんですよ。

カセットテープをロードする「ぴーがーずざざざざー」という音を聞きながら、一向に進まないゲームに思いを馳せたあの遅々とした時間が、今のバリバリ3D美麗グラフィックの感動に負けているとは、到底思えないのです。

ファミコン、ディスクシステム、PC-9801、X68000、MSX、そうした経験は何一つ無駄ではなかったと胸を張って言います。過去と今の自分に誓って。

 2011/12/02 12:17 ラジオや雑誌に載るレベルじゃないけどそれなりに面白いことを書ける連中が
ネタを審査無しに出せる場所を手にして一気に蓄積したネタを放出したのが初期のネット
その蓄積分がなくなって面白いネタが出る割合が低くなったのが今のネット
それだけのことだよ