電子書籍をめぐる外圧と消費者のジレンマ

 日本での電子書籍といえば、権利関係で揉めに揉めいまだ自炊を中心とした文化にとどまっています。電子書籍元年といわれた2010年から早二年近く。電子書籍の今とこれからをちと考えてみました。


黒船来航

 ちょいと前の記事にはなりますが、こんな事件がありました。


 売上の半分以上をよこせなどとかなりハードな要項揃いです。完全に足元見られてますね。それもそのはず、日本の出版社がいつまでもグダグダやってるからです。
 Amazonは米国企業なので、売上は外貨として日本から流れてしまうわけですし、日本全体の利益として考えてもかなり痛いのはとてもわかります。



ダンゴムシ作戦がいつまでも続くと思うなよ

 iPadを始めとしたタブレットPCが普及した2010年。電子書籍元年から二年近く。一体日本の出版社は何をやっていたのか? 独自規格を作り、とにかく違法アップロードや共有を危惧し、権利関係を保持しようと何一つとしてまともにまとまったものはありません。もちろん、再販制度などを含めたヤヤコシイ問題があるのはわかりますが、そんなことを盾にしていつまでも牛歩で進んだって何も利益は生み出せんわけです。


 Amazonの要求は過酷なものでしたが、それを飲まざる負えないほど追い詰められている現状。消費者としてみれば、これは動かざるものたちへの外圧として作用するのでいいのかもなーと思ったりします。


消費者がサービスを作る

 サービスの発生形態は2つにわかれます。

  • 生産者が作ったものに消費者が寄り付く
  • 消費者が求めているものを生産者が汲み上げて作る


 日本のビジネスは搾取モデル(権利関係をガチガチに固めてしまう)が多いので、上のパターンが多いのですが、グローバル社会となりネットに繋げば感単に海外の情報が得られる今、そうそううまくいきません。
 結局日本は大昔から変わらず、ビジネスの世界でも『村社会』なんですね。


 だけどそれじゃ今はうまくいきません。電子書籍ビジネスにしても消費者の潜在的欲求(といいつつ、Twitterやらなんやらの普及で顕在化してますが)を汲み上げ、それからつくり上げるというシステムが必要なんだと思います。


今の消費者はすごい

 先日こんな記事をみかけました。


 iPhoneで本をめくっていく動画を撮影し、その動画を一時停止して読むという荒業です。
 最初読んだ時「バカスwww」と大爆笑しましたが、こういうことを考えて実際に実行しちゃう今の消費者ってすごいよなぁと。

 そんでもってこんどはコレです。今度はページが開けた瞬間だけ静止画を撮影するというツールを開発する人が出てきました。今は開発版なので、一般ユーザーは利用できませんが、そのうち一般公開されてAppStoreでDLできるようになったりするかもしれません。


電子書籍の未来は明るい……か?

 そろそろ外圧にも耐えられなくなるでしょう。ユーザーもこんな行動を起こしちゃうくらい不満を持ってるわけです。更に権利的な問題で言えば、自炊の森やスキャニングサービスみたいなスキマ産業に出版社はすでにやられちゃってるわけですから、そろそろなんとかせざるおえなくなってるのは確かでしょう。


 電子書籍の未来は明るい! かもしれない!w


まとめ

 早く気軽に読みたい本とか、絶版本とか流通させてくれええええ!!!