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2011-01-17(Mon)

グルーポンというアイデア

グルーポンおせち問題とか二重価格問題とかでグルーポン界隈が大炎上している。個人的な感想を言わせてもらうと、今の国内のプレーヤーの大多数は「グルーポンの皮を被ったhotpepper以下の何か」に過ぎないので、とっとと淘汰されるべきだと思う。

本来、グルーポンとは何か

米グルーポン社の公式資料か何かだと思うけど、この動画を見るのが手取り早い。英語が分からなくても、まあフィーリングでなんとかなる。

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ここが新しい:情報伝播経路

グルーポンと普通のクーポンの違い、ひとつめはソーシャルネットワークによる伝播

普通のクーポンというのは「事業者が情報を流し、その情報を目にした人が購入に来る」というモデル。これは旧来の広告宣伝や折り込みチラシに近い。

グルーポンは、「口コミによる情報伝播」を極めて重視している。いかにユーザー自身に宣伝させるか、に徹底的にフォーカスした宣伝手法、と言っても構わない。

グルーポンの特徴をひとつずつ見ていくとこれがはっきり分かる。

まず最低成立数が存在する点。ある程度の人数購入者がいないと、注文がキャンセルされ、クーポンは一枚も出て行かない。これは集客という点では明らかにマイナスだ。

1枚でも2枚でもクーポンを多く発行すれば、その分客数は増える。集客効果を考えるのであれば、ボーダーを切る必要はどこにもないはずだ。不思議に思った事は無いだろうか?

この仕組みは、口コミの促進のために存在する。「このクーポンがどうしても欲しいんだけど、成立数まであと10人足りない」となれば、客の側が自分の周りに宣伝して回る事が期待できる。近所のスーパーの「卵1パック100円」を隣の奥さんにも教えるのは人付き合いや仲間意識が動機なわけだけど、グルーポンの場合、利己的な動機(自分も買いたい!)が加わる。

最大数が限定されている点や、期限が短い点も重要。どんなにお得なクーポンでも、期限が長いと「まあ、何かの話のついでに覚えてたら教えてあげればいいか、どっか他所から聞くかもしれないし、もう知ってるかもしれないし」となってしまう。これが「あと1時間!」という状態になると、「私が教えないと、あの人がこの情報を知らないうちにキャンペーンが終わってしまうかもしれない!」となる。要は、情報の伝播をさせなければいけない、という使命感や責任のような物が客側に生まれてくる。

なんで口コミによる伝播を重視してるかというと、客は自分の周りの、クーポンに興味を示しそうな人に集中的に働きかけるから。つまり、物凄く目の細かいマーケティングを勝手にやってくれる。また、通常の宣伝とは違う経路で情報が流れるので、広告では捕まえられないような層にも情報が届く。

ここが新しい:リピーター重視

で、もうひとつの特徴はリピーターを重視している事。はやりの言葉で言えばカスタマーリレーションシップの重視

動画中では、サービスのポイントとして、客の連絡先情報について言及している。クーポンはあくまで最初の一歩で、その後も繰り返し店に足を運ばせるための施策が打てますよ、という事だ。収益を来店当たりの客単価で捉えるのではなく、その後の長い付き合いを視野に入れて、顧客生涯価値ベースで考えろ、という事。

クーポンは単なる飛び道具で、きっかけに過ぎない、1回で利益を出すという思考ではない。クーポン発行数は控えて質を上げ、より細分化された(常連になってくれそうな)対象にオファーする。

クーポンで安い蟹を食いにきた客に馬鹿高い刺身を売りつけるのは、カスタマーリレーションシップを捨てて来店当たりの客単価を上げ、いちげんの客相手に利益を上げようという戦術。

そういう「焼き畑農業」も、ビジネス的にはアリなのかもしれない。けど、前述のように、グルーポンというのはバイラルマーケティングの世界の手法。来た客に惨めな思いをさせると、口コミで情報を広めた客(マーケティングな人が使う用語で言うとインフルエンサーだ!)の信頼を損ねる事になる。金の卵を産む鶏を焼き鳥にするようなものだ。

ちなみにこれは「各店舗が信頼を損ねておしまい」という話ではなく、グルーポン事業者自体の信頼も損ねる事になる。酷いクーポンを発行するグルーポン事業者はインフルエンサーに見切られるのだ。グルーポンサービスが雨後の筍のように増えている日本だと、groupon.com一人勝ちのアメリカよりもこの傾向が強いかも知れない。

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