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2007-04-03(Tue)

[][]015:『グッドラック―戦闘妖精・雪風

グッドラック―戦闘妖精・雪風

グッドラック―戦闘妖精・雪風

謎の異星人ジャムの戦闘機と、地球軍の最新鋭偵察機雪風」の戦いを描く物語の続編。

雪風などのAIの成長により、完全無人機の実戦への投入が決定される。そんな中、戦略コンピュータを中心とするAIたちは、命令違反と取れる行動を取り始める。A.I.たちは脆弱な人間抜きで戦争をしようとしているのか?

人間よりも高度なコンピュータが戦闘を行なうのならば、戦争において人間が存在する意味とは?

どちらかと言えば前作の方が好み。イマイチ。

[][]014:『戦闘妖精・雪風(改)』

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

謎の異星人ジャムの戦闘機と、地球軍の最新鋭偵察機「雪風」の戦いを描く。

主人公は、仲間が窮地に陥ったとしても自機の生還を最優先にせよ、という偵察任務を専門にする課に所属する。仲間よりも戦闘機に強い信頼を置き、仲間を信用しようとしない個人主義者の主人公。

彼が何より信頼する愛機、最新鋭の性能を誇る最強の偵察機:雪風。そのAIが成長していくにつれ、主人公は雪風が自分を置き去りにし、自己の意思で宇宙人と戦っているような錯覚に陥る。地球人v.s.宇宙人という構図は、地球人、戦闘機や戦略コンピュータに搭載された人工知能、宇宙人という3者の構図になり、そしてやがて地球人は蚊帳の外に置かれていくのではないか…

下手な解説を挟みたくないなぁ。名作。

2007-03-28(Wed)

[][]013:『されど罪人は竜と踊る Assault』

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

され罪シリーズ。やさぐれる前の、駆け出しの頃のガユスとギギナ、クエロの物語。

大分トーンダウンしてきたかも。短編集とか過去話じゃなくてストーリー前に進めろよー。

結局過去の因縁についても明かされないままだったしな。間つなぎ。

[][]012:『狼と香辛料

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

豊作をつかさどる狼神の化身の少女ホロと、行商人ロレンスのお話。

ディティールに凝った行商人の日常描写は、個人的に初期の『フォーチュン・クエスト』を思わせる最高の出来。

老獪でありながら可憐な面もみせるヒロイン・ホロもテラモエスwwwwww …もとい、主人公型でも正統派お姫様でもない、独特の存在感を放っている好キャラクター。

読み合い騙しあう商人同士の会話や陰謀もあり、普通ならこっちが軸で進みそうなものなんだが、ホロのキャラクターが印象的すぎてすっかり脇役(良い意味で)。

久々に良いライトノベル。続編も買おう。

2006-10-23(Mon)

[][]011:『ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法』

ファシリテーション=議事進行。

議論の流れを左右するのは、司会者ではなく、ホワイトボードに向かっている書記(グラフィッカー)である。効率よく議論内容を整理し、議論を正しい方向に導くためのホワイトボード・テクニック。

色使いや図形の使用法、レイアウトの基本など、実際的なスキルに多くのスペースを割いている。

「漢字は大きくカナは小さく文字は四角く」のような細かなTIPS、ホワイトボードのほかにも模造紙や付箋などの多様なメディアを使う方法、会議だけでなくちょっとしたミーティングやインタビュー/雑談/ノートなどのTPOに合わせた記述法も。

主に紙に模造紙で書く場合、色使いとして黒をメインにするのではなく、茶や緑で地の文を書き、黒はキーワードのみにして黒色の存在感を活かす、というのが目からウロコ。

実例が豊富なので非常に読みやすい。結構お勧め。繰り返し読んで少しずつ定着させていきたい。


[][]010:『ネット時代の反論術』

ネット時代の反論術 (文春新書)

ネット時代の反論術 (文春新書)

この本に拠れば、「反論」には3種類ある。

  • 議論の結果よりも、自分を頭が良いように見せる事が目的の、「見せかけの論争」
  • 相手を打ち負かす事が目的の「論理詰めのパターン」
  • とにかく相手を貶める事が目的の「人格攻撃するケース」

議論の目的は、必ずしも議論の結果には無い。

観客にアピールする事が目的だっていいし、とにかく相手を攻撃する事を目的とする事もある。

まず、自分が何を目的としているのかを確認し、相手の目的が何かを見据える必要がある。罵倒が好きなだけの相手に真面目に付き合ってたら、無駄に消耗してやってられない。不毛な議論の場合、素早く戦闘を回避したり、あるいは自分のイメージ向上だけを考えたパフォーマンスに走る事も正解だ。

朝生、ブログの炎上、2ch、小泉劇場など、具体例や具体的シチュエーションを引きながら、どのスタンスで動くべきかを決める指針を与える。

議論に関する書籍は、「論理詰めのパターン」を絶対とし、「見せかけの論争」「人格攻撃」を論理的でないとして否定するのが普通。この本は、その価値観を否定しているところが面白い。

2006-10-15(Sun)

[][]009:『恋愛写真―もうひとつの物語』

恋愛写真―もうひとつの物語

恋愛写真―もうひとつの物語

子供のようなとても不思議な女性と僕、憧れの美人の3者を巡る三角関係。とは言っても片思いの話ではなく、悲恋のお話。

不覚にも泣きそうになってしまった。小編だが、感動が凝縮されている。情景描写が上手いのかな。

野暮なケチをつけるとしたら、わざわざ非現実的な設定を持ち出すほどの事か、という位か。それと、ヒロインの心理状態の変化と、主人公の心理の移り変わりが良く分からない。

後から知りましたが、『恋愛写真』という映画とのコラボ作品だそうです。

恋愛寫眞 - Collage of Our Life - [DVD]

恋愛寫眞 - Collage of Our Life - [DVD]

それと、本エントリで紹介した『もうひとつの物語』のほうも映画化され今月末から上映開始とか。こっちも場合によっては観に行くかも。

aishiteru.jp

ああ、恋がしたいなぁ。

[][]008:『脳はなにかと言い訳する』池谷裕二

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックスの筆者によるエッセイ。

2006年のNature掲載論文など、脳科学研究の最前線で分かってきたこころの働きを、非常に分かりやすく、また楽しく解説。

もう、この本は凄すぎる。面白すぎる。途中までは付箋を貼っていたが、全ページに付箋を貼る羽目になりそうになったので諦めた。具体的な内容は後述の「シゴタノ!」さんのエントリなどを参照のこと。同じ科学的事実なのに、直感的に非常に共感できる内容があったり、いっけん直観と反する(でも良く考えると目からウロコ)内容だったり、人のこころについて深く考えさせられたり。脳ってとても面白い。この研究分野を本当に面白いと思って研究されているんだな、と思う。

学習、記憶、モチベーション、会話、すべてに心理、脳は関わってくる。だからこれはある意味では最強のLifehacks本とも言えるかもしれない。

とにかく買え、としか言えない。損をしないことは保障する。

関連エントリ

2006-10-03(Tue)

[][]007:『学園キノ』

学園キノ (電撃文庫 (1283))

学園キノ (電撃文庫 (1283))

『キノの旅』の番外編。

現代を舞台に、女子高生となったキノが銃器を振り回して大暴れ。

テンションが高すぎてついていけなかった。

スク水キノ、という単語に興味を示す人は買いに行けばいいんじゃないかな。

[][]006:『引きこもりマニュアル―惰生活を愉快に営む方法 』

快適で健康的な引きこもり生活を目指し、さまざまな視点からのアドバイスを加える。

たとえば、ごみ置き場に明け方にごみを出しに行けば人と会わずにすむとか、快適な引きこもり生活のために準備しておく物品リストとか。

引きこもろうと思う人にはお勧めしないが、まあネタとしてはなかなか。

不審がられないようにSOHOを装うとか、司法試験や国一受験者とかを装う、など、実際の引きこもりにありそうなネタも。

あんまりお勧めはできない。微妙。

2006-09-23(Sat)

[][]005:『情報デザイン入門―インターネット時代の表現術』

情報デザイン入門―インターネット時代の表現術 (平凡社新書)

情報デザイン入門―インターネット時代の表現術 (平凡社新書)

メディア、インターネットを介した情報交換技術について、かなり新しい例を多数並べた本。

それだけで、内容的にはあまり深掘りがなされていないように感じた。

とはいえ、提示されている例はどれも非常に面白い(まあ、これ系の本にしょっちゅう出てくる例である事も否めないが)。

アイデアの種に、あるいは話の種に、読んでみるのも悪くないだろう。

[][]004:『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』黒川伊保子

怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書)

怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書)

割と有名か。

ことばの「音」と印象の関係を詳細に纏め上げた本。

「ママ」と「まんま」の語源はともにおっぱいに吸い付く幼児の呼吸音、従ってマには包み込むような優しさがある。

マに続き二番目に赤ん坊が発する音は「パ」で、「パパ」「ぱいぱい」などに繋がっている。

シャシュショは喉と口を高速に息が吹き抜ける爽快感のある音で、若い少女に好まれる。

など、言語の境界を越え、人類に普遍的に成立する法則を網羅。

これはちょっと新書レベルを超えている。

関連エントリ

2006-09-20(Wed)

[][]003:『会議が変わる6つの帽子』エドワード・デ・ボーノ

会議が変わる6つの帽子

会議が変わる6つの帽子

ブックオフで購入。

会議の際に、参加者は以下の6つの立場を行き来する

  • 冷静に事実とデータだけを見つめる科学者の「白い帽子」
  • 自分の感情に素直な発言をし、理屈に頼らない、情熱の「赤い帽子」
  • ものごとの良い面だけを見つめる、ポジティブな陽光「黄色い帽子」
  • 危険性に目を向け、常に警戒する「黒い帽子」
  • 水平思考、創造思考で新たな筋道を提示する「緑の帽子」
  • 他の帽子を統制し、会議の流れ自体を見つめる「青い帽子」

これらを「明示的に行ない」、また「それぞれが1つではなく全ての役割を順にこなす」のがこのメソッドの特徴といえる。帽子という比喩を用いる事で、自分の意見について客観的、意識的になり、特定の見方に偏る事を防ぐ事もできる(批判ばっかしてる、とか)。

ただ、最大の特徴は、これらが役割分担、メンバーの方針ではなく、会議自体の方針である、という点だろう。赤い帽子のターンでは、会議の参加者は全員「赤い帽子」の立場に立つ事を強制され、他の立場は原則許されない。みんなでいっせいに特定のベクトルに力を注ぐ事を繰り返す事により、会議を円滑に進める、というのが、このメソッドの最大の趣旨。

本書には、これらの立場の詳細な定義と、豊富な実際の発言例(および、やってはいけない発言例)、実際の会議の流れの概要が掲載されている。

やや古い本なのだろうが、言っている事は普遍的。ただ、「緑の帽子」でいきなり新しい事を言うのを要求されるなど、多少無茶な面がある事も否定できない。どちらかというと、新しい発想というよりは分析、検討などに使うべき方法論なのだろう。

方法論としてかなり突飛なうえ、個人で実践してもご利益が薄い。じゅうぶん活かすには、会議の方法を決める事ができるような立場の人間か、最低でも流れをリードできるリーダー役である必要がある。

厚い本でもないし、買えって程でもないが、中古で見かけたら買うのもいいかも、程度か。

2006-09-19(Tue)

[][]002:『イノベーションの達人』トム・ケリー

『発想する会社!』の続編に当たる。

イノベーションを起こす「人」に焦点を当て、イノベーションを起こすための10タイプの人間像を提示する。

邦訳タイトルがイケてない。"the ten face of innovation"はcoolなのに。

前作より章ごとのフォーカスが絞られていて、読みやすい。

10のキャラクターはこんな感じ。

  1. 人類学者
    • 顧客/潜在顧客を観察し、問題点を発見する。また、事前にそれを予測する
  2. 実験者
    • 早期からプロトタイプを何度も作る。失敗を恐れずに大量に
  3. 花粉の運び手
    • 異なった分野の知見やアイデアを持ち込む
  4. ハードル選手
    • 困難な条件を克服する事に喜びを覚える。諦めず解決策を探す
  5. コラボレーター
    • チームをまとめる。敵すらも仲間に引き込む
  6. 監督
    • 配役を行なう、良い目標を提示する、指揮をする
  7. 経験デザイナー
    • 平凡な「経験」を見つけ、それを非凡なものに変える。常識を覆す
  8. 舞台装置家
    • 創造性を生むオフィス空間を設計する
  9. 介護人
    • 「優しさ」を持ち込む。ユーザのことを考える
  10. 語り部
    • 製品にまつわる物語は人をイノベーションへ惹き付ける。ユーザの新たな物語を考える事で、新たな商品を作り出す

10タイプは、誰でもできる「役割」的側面と、個人の特性に依存する「人材」的な側面を両方持つ。誰でも「人類学者」になろうとはできるが、優れた「人類学者」とは、言われずともこのような思考法をする人間だろう。

前作が気に入ったなら買い。こっちだけ読むとちょっとインパクトが薄いかも。

[][]001:『発想する会社!』トム・ケリー

豪華な装丁に惹かれて購入。

読んでいるとイノベーションを起こしたくなり、イノベーションを起こせるような気がしてくる本。

ブレインストーミング、オフィス環境、チーム編成、プロトタイプ作成、思考のヒントなどが豊富。

一例をあげるとこんな感じ。良いブレインストーミングの原則は

  1. 焦点を明確にする
    • 狭すぎず広すぎず
  2. 遊び心のあるルール
    • 批判しない、数で勝負etc.
  3. アイデアを数える
    • モチベーションが高まる。100アイデア/hも出ればかなり良質
  4. 力を蓄積し、ジャンプする
    • 流れが衰えたときに、発想のアイデアを進行役が提示する
  5. 場所は記憶を呼び覚ます
    • 歩き回ってあちこちにアイデアを書き留める
  6. 精神の筋肉をストレッチする
    • 軽い速い言葉遊びなどで
  7. 身体を使う
    • 対象物を実際に持ち込む、絵を書く、ジェスチャーしてみる

抽象論に終始せず、実際のイノベーションに焦点を当て、その背後にある考え方などを示しているので、説得力があり理解しやすい。

今思えば、装丁を豪華にして価格を抑えたのも、効果的に本を売るための戦略なのだろう。

文句ナシにお勧め。

[][]100冊読書、2期目

g:book100に再度参加します>d:id:cha-cha-ki

(一応いっぺん退会後、再度申請を出す事にします)

ID目標冊数期間終了日記録日記ルール
fukken1001年2007.09.19[book100]
|fukken|100|1年|2007.09.19|<a
 href="http://d.hatena.ne.jp/fukken/searchdiary?word=%2a%5bbook100%5d">[book100]</a>|<a
 href="http://d.hatena.ne.jp/fukken/20060919/1158670239">○</a>|

目標冊数

100

期間

1年

終了日

2007/9/19

読書日記

ここ、[book100]カテゴリ

http://d.hatena.ne.jp/fukken/searchdiary?word=%2a%5bbook100%5d

ルール

http://d.hatena.ne.jp/fukken/20060919/1158670239

2006-04-13(Thu)

[][]g:book100に機能のエントリをインチキ追加

カレンダーに既読本を追加、だけどカレンダーが果てしなく見づらくなるのを防ぐために一部日付を詐称します。どうせ読んだ日とは一致してないんだ。

苦情があったらTBか何かで。では作業開始。

2006-04-12(Wed)

[][]038:『無印良品のふしぎ』ピエブックス

ISBN:4894445239

無印良品のセンスの良い、しかしどこか不思議で遊び心のあるアイテム群をひとつひとつ解説していく。

「神は細部に宿る」という感じで、無印のあの雰囲気がどこからやってくるのかがおぼろげに感じられる。無印好きならば、読むと少し無印が好きになるかも。

[][]037:『風化水脈 新宿鮫VIII』大沢在昌

ISBN:4334740286

ハードボイルド。

新宿という街に秘められた、複数の人間の苦い過去。鮫島が事件解決に近づくにつれ、お互いの中の「事件」が解決していく。

まさにこれぞ新宿鮫。このシリーズを買う人はこういうのを期待しているんだ!という感じ。というわけでシリーズが好きなら文句なしで買い。

ロケットおっぱいの人があまりストーリーに絡まないのも○。

[][]036:『R.O.D(11)』倉田英之

ISBN:4086302802

ラノベ。ぶっちゃけ飽きてきた。いや非処女とか関係なく(ある意味これが今作一番のネタバレ、という駄目駄目っぷり)。

もう消化試合。全巻売ろうかな。

[][]035:『容疑者Xの献身』東野圭吾

ISBN:4163238603

数学教師の石神は、隣に住む女性に密かに思いを寄せていた。彼女が人を殺してしまった事を知った彼は、天才と呼ばれたその頭脳を生かし、殺人の事実を隠蔽しようとする。

心理戦心理戦!ライバルの数学者との、お互いに間に人間を挟んでの心理戦勝負!

と思ったが、ラストで思わぬ不意を突かれた。驚愕のトリックと、それによって明らかになる石神の深い献身的な愛。童貞騎士とか言い出すのは野暮(童貞騎士についてはhttp://d.hatena.ne.jp/./kanose/20050727/cherryknights 参照)。

ラストシーンで、どちらを選択するかの葛藤も上手い。どちらを選んでも現実に大差が無い状態で選択が委ねられる、という点で「魔術はささやく」のラストと少しダブる。

超お勧め。

[][]034:『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎

ミステリ。

どうでもいいがオーデュponではなくbonなので注意。

予知能力のあるカカシ「勇午」、島のルールとして人を殺しつづける「桜」、嘘しか言わない画家など、不思議な人々が住まう島。主人公が島にたどり着いた翌日、勇午が「殺される」。何故予知能力のある勇午は自分の死を止められなかったのか?

不思議な設定の中、不思議な雰囲気で進んでいく物語。童話と同じで、ここから何を読み取るのかは人によって違うのだろう。

ラストシーンの救済感と、絵画的な美しさは素晴らしい。

[][]033:『ウェブ進化論』梅田望夫

ISBN:4480062858

はてな取締役の梅田氏(id:umedamochio)が、「web2.0」と呼ばれる、今まさにネット上で、そして世界で起こりつつある新たな潮流について論じる。

web2.0の基礎的な内容を懇切丁寧に書いてある。

多分、この本はネットにあまり興味の無い人や、アンテナ感度が低い人が対象であり、自分のようなRSSでブログを読んでwikiを更新するのが趣味という人間は対象ではないのだろう。あまり目新しくは無かった。

が、さすがに見落としや事実誤認などの誤謬は殆ど無く、内容も必要にして十分を網羅。「web2.0って何?」という人でも、これを読めば取り残される事は無いだろう。

あるいは、定義が曖昧で発散しやすいweb2.0についての議論をする際の叩き台としての役割も期待できるかもしれない。前提知識になる可能性まで含め、必読の一冊。


[][]032:『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』玄田有史・曲沼美恵

ISBN:4344006380

社会現象化したニート。その存在を真っ先に描き出し、ニートという単語が氾濫するきっかけとなった最初の一冊。

まあ、ニートに近い生物である大学生としては読んでおかないと、ということで。

最初の一冊という事で、ここまで社会問題化する以前に書かれた本なのだが、心理的側面から鋭い考察が既に加わっている。というか、ニート論ってこの一冊で十分じゃない?と思うほど。

ニートを社会に復帰させるためのさまざまな取り組みにも触れられている。自己肯定、自信を取り戻すところから入る更正法は、確かに効果的なんだろうなぁ、とか思った。うーん、正直、本が書かれたのが古い話だから、記述が全部今の自分にとっては過去形な話だという意識が頭から離れず、イマイチ集中できなかった。

ニート問題を考えるなら、質の上からも間違いなく外せない一冊。

[][]031:『ラッシュライフ』伊坂幸太郎

ISBN:4101250227

ミステリ。

傲慢な金持ち、お洒落な泥棒、冴えない無職と犬、新興宗教の教祖を殺した青年、交換殺人を企てる女性。5つの物語が互いに交錯し合いながら進む。

ライトノベルを読む人なら、バッカーノ!をイメージすると近い。だが、描写力とストーリー構成は格が違う。

描写の緻密さはいまさら語るまでも無いが、終盤の畳み込みが凄い。物凄い勢いで5つの物語が絡み合い、ドミノ倒しのように互いの行動が影響を及ぼしあう。そして全体に仕掛けられたトリック。

「陽気なギャング〜」でツメが甘いと思ったんだが(何様だ)、これで完璧にトリコ。

[][]030:『地球幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク

ISBN:4488611028

SF。ファーストコンタクトもの。

ある日地球の上空に忽然と姿を現したUFO。人間を遥かに超えた科学力を持つ事を示し、その技術を地球に伝えつつも、何故か決して姿を見せない異星人「オーバーロード」。しかしある日、彼らは意を決したかのようにその驚くべき姿を現す。彼らは何故姿を表したのか、そしてその目的とは何なのか?

「人類は、もはや孤独ではないのだ」という一文が奇妙に胸を打つ。

これも、もし異星人が姿を表して、景気良く技術を教えてくれるという状況から考えられる社会の変化をある程度は律儀に書いている。月は無慈悲な夜の女王に比べると流石に見劣りするが。

最後の方でいきなりトンデモになるのがなんとも。

[][]029:『月は無慈悲な夜の女王』ロバート A.ハインライン

ISBN:4150102074

古典SF。

意識を持ったコンピュータを発見した主人公は、革命家たちとともに月の地球からの独立をかけた闘争に身を投じていく。

これぞSF。「もし月に人間が移住したら」という仮想設定をベースに、社会制度、経済のあり方、技術、政治まで、リアリティある描写が続く。有機物の総量が有限なことが問題となったり、男女に大きな格差が自然と生じていたり、ディティールが細かすぎていちいち全部書ききれない。最高。

男女の格差あたりは、何と言うかネット上のコミュニティでも良く見る状態だよね('A`)

[][]028:『女には向かない職業』P.D.ジェイムズ

ISBN:4150766010

ミステリ。

共同で探偵事務所を営んでいた、不遇だったが有能で心優しいパートナーの死。その傷も癒えないうちに、早くも初の一人仕事が舞い込んで来る。

ぶっちゃけ表紙買い。センスも良いし、タイトルも格好いい。

作品本体も、けなげとか可憐とかいう言葉が違和感無く浮かぶ、それでいて芯のしっかりした主人公・コーデリアを筆頭に、人物描写が巧み。謎の方も複雑ではないがしっくりくるもので、大満足。

[][]027:『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード

ISBN:4150107467

今日でg:book100参加一周年。つまり、今日までで何冊読めたかの区切りな訳で、さあ、8/31がやってきましたよ。

というわけで書くのをサボっていた本群を連続で。最初はこれ。

SF。天才少年エンダーは、宇宙人と戦うための士官を育てる学校に特別待遇で入学させられ、そこで孤独に過酷な戦いを強いられる。いっぽう、姉と兄は一緒にネット上で大人たちを手玉に取り始める…

途中でオチは読めてしまった。過酷な状況下での、エンダーのプライドと孤独の入り混じった複雑な心理描写がとても繊細。

新着エントリは上に追加。コメントは「はてなユーザのみ」、公開設定はパブリック (だれでも閲覧ができます)。