希望とは、あるともいえないし、ないともいえない。 それは道のようなものである。
地上にもともと道はない。 歩く人が多くなれば、それが道なのだ。
<魯迅 「故郷」>
しかし、そのとき、はじめて人は気づくのである。
すべて奪われても、なお、自分が最後の一線で渾身の力をふるってふみとどまれば、
万人に平等に与えられている唯一の、そして本当の武器がなお残っていること。
それは言葉である。もうそれしかない。だが、自分で捨てない限り、これだけはだれも奪うことはできない。
<山本七平 「私の中の日本軍」>
神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまわぬように
にぎやかな場所でかかりつづける音楽に 僕はずっと耳を傾けている
<小沢健二 「天使たちのシーン」>
2012-01-04-Wed
朝鮮半島のカントリー・リスクとものづくり
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
大陸諸国の場合、ひとたび戦争を始めて敗れると、供給能力はきれいさっぱり消えてしまう。それまで懸命に投資をして生産設備をつくり、技術を蓄積しても、戦争で負けたら一瞬ですべてが失われてしまう。(中略)こうなると人々は「いつ潰れるかわからないもの」を真面目につくる気にならない。p.189
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去年の6月に出た本を改めて読んでいました。
これは先日、サムスン御出身の吉川先生もおっしゃっていました。韓国企業はなかなか思い切った長期的な技術開発投資ができない。もし有事になれば無駄になるかもというカントリーリスクが大きすぎる。
そうであるのに、サムスンがとうとう人の褌で相撲を取っていては勝負にならないフェーズにさしかかったということも思います。吉川先生がいらした時期は少なくとも、生産能力へ思い切った投資を行うことは優れていても、長い目で基礎技術を鍛えていくことには及び腰でなかなか踏み切れていなかった。吉川先生はその前の段階の、韓国社会の地域性をふまえた価値の実現のための開発管理手法を導入されて、実績を上げられたのだと思っています。その時期を成し遂げたからこそ、次の課題に来たんだと思うんですね。
ある時期の韓国経済は日本よりよほどひどく追い詰められて、吹っ切れていい面に出たのがサムスンなのでしょうね。暗い部分もあるようですが、それは明治日本の国家による財閥支援もあったわけですし。
そこへ来て、年末に金正日が死去した。おそらく数年の間は、体制が極度に不安定になる可能性を否定できないと思います。そしてそれは当然周囲にも波及しうる。東アジア地域全体で、カントリー・リスクが高まっているということを、見据えるべきではないでしょうか。110902


