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2011-07-10

[][]Economist勉強会

最近、役所の同期の紹介で、Economist誌を読む勉強会を日曜日の朝にやっている。社会人二年目になり、体力的にも精神的にも多少ゆとりができてきたし、また、役所の先輩と同じレベルで議論できないなぁと危機感を常日頃抱いていたのが始めたきっかけ。自分の目的は大きく二つ。一つは、英語力の向上。二つ目は、数年後の留学に向けて、経済・政治・国際情勢について自分なりの意見を持つこと。一つ目に関しては、Economist誌は敷居が高いように思われがちだが、案外平易な単語、基本的な文法を用いて文章が書かれている。毎週コツコツ読み続けることで、無理のない範囲で自分の使える語彙・文法を増やすことができるのでは、と思っている。二つ目に関しては、毎週自分の知識・教養のなさを痛感するばかり。一つの記事を精読するには、関連する背景知識を必死に勉強しなくてはいけない。今は、毎週自分の興味の強い記事を一つ精読するので精一杯だが、徐々にキャパシティを広げて、読める記事を増やしていきたい。幸い、一緒に勉強している仲間は経済や政治に対する知識が豊富で、非常に優秀。彼らの選んできた記事を毎回読んで、議論に必死についていくだけでも、本当に勉強になる。異業種交流的な要素もあって、楽しい。これからも是非続けていきたい。

Economist Study Group 〜若手ビジネスパーソンのための勉強会〜


以下は、今日の勉強会で、僕が発表した内容。宇宙開発のこれからについて、Economist誌なりの切り口で分析していて、非常に面白かった。

The end of the Space Age

~Inner space is useful. Outer space is history.~

1. 地球の直径は大気を含めると13,000kmであるが、地球の36,000km外側を回っている人工衛星によって一種のtechnosphereが形成されている。(→Inner space)

2. 地球の大きさを従来の教科書に書かれていたものから広げたという観点からは、宇宙時代(the Space Age)は大成功(a roaring success)であった。通信衛星、気象予報、鉱物探索は革命を起こした。戦争もまたそうである。もはや軍隊を秘密裏に配備することはできないし、全ての建築物は正確な場所が分かってしまう。

3. しかし、熱心な宇宙信者(space cadets)は、宇宙時代がこのようなものになるとは心に描いていなかった。(宇宙旅行、宇宙冒険飛行といった空想、夢を描いていた)

4. 人間の野望の限界は36,000kmだと考えられる。宇宙時代は終わったようだ。

5. 今日のspace cadetsは間違いなくこの主張に力強く反対するだろう。特に、人間の宇宙旅行を商業的に可能とすることを目的とした民間企業の冒険的取り組みを指摘するだろう。しかし、市場は小さく、もろいように思える。ビジネスの一つは宇宙旅行地球の低軌道を超えることはコストの面から考えづらいと思われる)、二つ目には宇宙飛行士国際宇宙ステーションISS)に運ぶこと(最も大きなお金の無駄遣いのように思われる)だ。

6. 上記二つ目のISS宇宙飛行士を運ぶことの理由を考えることは、2011年にspace cadetsの夢が最終的に終わったとみなす理由を考えることと一緒である。2011年7月8日に最後のミッションが始まったことを受け、米国スペースシャトルプログラムが終わる。スパースシャトルは人間を軌道に運ぶビジネスに再利用できると考えられたが、それはただのトラブルに過ぎない。これまでにテスト・パイロットが何人も死亡してきている。

7. スペースシャトルも終わり、ISS2020年には終わる。もはや、月に戻る動機はなく、ましてや火星は言うまでもない。技術は残るが、パッションはどこかへ行ってしまう。少なくとも、伝統的な宇宙大国の米国ロシアにとっては。

8. Space credetsの他の望みは、バトンを引き継ぐかもしれない中国である。中国は、ケネディが50年前に言ったように、月面に人間を送って地球に無事に帰還することを希望していると主張した。しかし、中国米国の昔の功績に匹敵するのに成功したとして、その次は何があるのか。中国はその件全体を打ち切るのがいいのではないか。(pull the plug on the whole shebang

9. 火星やそのほかの地域で生命が現れない限り、太陽系への大衆の関心は衰えるようだ。そのコストを支払うのは大衆である。

10. 将来は、新しい地球の外延(36,000km)に限られるように思われる。その中では、様々な活動は成長し続けるだろう。しかし、その境界を超えるという人間の夢は、ほとんどが消えただろう。

筆者は、宇宙空間を人工衛星の飛ぶ36,000kmを境に、Inner SpaceとOuter Spaceの二つに分けている。その上で、宇宙開発を現実離れした夢物語に終わらせてはいけない、人工衛星の飛ぶ空間内で、現実的な宇宙の利活用を推進すべきだというのが著者の意見。僕自身は、概ね筆者の意見に同意。日本も、人工衛星による通信サービスや防災、鉱物探索など、ビジネスとしての宇宙利用の推進という方向に思い切って舵を切るのもいいのではないかと思う。一方で、はやぶさの成功のように、Outer Spaceに出て行って人類にとって未知の空間を探索することも、科学技術の発展にとって重要だとは分かっている。また、宇宙開発は各国にとって国威発揚の効果もあるはずだ。Inner SpaceとOuter Spaceのバランスという観点から、また、他国の宇宙戦略の動向も見ながら、日本ならではの立ち位置を築いていってほしい。

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