アーサー王と聖杯の物語―サトクリフ・オリジナル〈2〉
アーサー王と聖杯の物語―サトクリフ・オリジナル〈2〉 (サトクリフ・オリジナル (2))
- 作者: ローズマリサトクリフ,Rosemary Sutcliff,山本史郎
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: 単行本
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アーサー王と円卓の騎士―サトクリフ・オリジナル - THINK CIRCUIT
アーサー王最後の戦い―サトクリフ・オリジナル〈3〉 - THINK CIRCUIT
「ガウェインよ、ガウェインよ。そなたは、我が心を悲しみでいっぱいにしてくれた。わたしは身にしみて感じている。われわれはいまから散りぢりばらばらになるのだ、どんな王も恵まれた事の無い、心の通い合った最高の騎士達を失わねばならぬのだ、と。そなたら騎士の華がいまさってゆけば、その多くが二度と帰っては来ない事が、わたしにはすでに分かっているのだ」
全編を通して面白いのは日本のこうした物語とは作り方が全く違う事。西洋物語はとにかく神と女性を尊いものと敬い、そのために男が戦いに出るような構成になっている。対して日本のこうした伝記、特に同じような時代背景で考えてみると、何よりも君主というのが一番に据えられているイメージがある。そしてそこはあくまでも武士道物語で、神や女性に対する畏敬の念と言うよりは、どれだけ武士道を貫けるか、だとか、そんなことが大事にされていると思う。そうすると西洋の騎士道と日本の武士道とは共通する部分も多くありながら、意外と中心においている価値観が異なるのか、とか、考えたりする訳。
memo
- 聖杯の騎士ガラハッド
- 老人は若者を真っすぐに案内して、"危険な席"げと連れて行った。そうじて背もたれからボールスのマントをとりのけた。すると再び黄金の文字がが現れ出た。しかし、ボールスがマントをふせた時とは、文字が変わっていた。いまは<ここはガラハッドの席>という銘文が燦然と輝いているのであった。
- モルドレイン王の盾
- 「この盾を持って、サー・ガラハッドのところにもどるのだ。だが、ガラハッドの手にわたしたら、ガラハッドを連れて、またここに戻ってこい。この盾は今からガラハッドが持つ事になる。だから、ガラハッドは、この盾の素性を正しく知っておかねばならぬのだ」
- パーシヴァル
- 「ここにどうして来たかというのですか?話せば長い物語で、わたし自身も殆ど訳が分からない。だけど、わたしに何が起きようと、全ては神様のご意向なのです」
- ボールスと貴婦人
- 「奥さま、わたしは、あなたの妹君から別の話を伺っています。わたしは、そちらを信じます。ですから今日、わたしは妹君のために戦う所存です」
- ランスロットの苦行
- ボールスの決断
- さあ、どちらを選ぶべきだろう。いまこそ決断の時だった。それも一瞬のうちに決めなければならない。しかし決断する事は、自分の中の何かが二つに引き裂かれる事になるのだと、ボールスには感じられた。
- ガウェインとガラハッド
- 「岩とか、炎とか、百合とか、あるいは大天使ミカエルさまをたたいても血なんかでやしない。それと同じ事さ。戦う相手だって、旅する仲間だって、切れば血の出る生身の人間であって欲しいものだね」
- アンコレットの死
- 「兄上、どうかお願いです。わたしが死んだら、この国には葬らないで下さい。置き去りにはしないで下さい。体から命が失せたら、すぐにわたしを船まで運び、運命と風の導くままに、わたしをいかせて下さい。聖杯を求める冒険では、かならず最後には聖都サラスに行き着くはずです。ですから、お約束しましょう。お兄さん達がそこについたら、きっとわたしをお見つけになるでしょう。お願いです。他の場所ではなく、どうか、きっとサラスにわたしのお墓を作って下さい」
- ガラハッドと聖杯
- こうしてガラハッドはサラスの王になった。これほどガラハッドの位に満たぬ事はなかった。そして黄金の王冠を額にかぶると、それはイバラの花輪のように感じられるのだった。
- 「あなたに言づてを持って参りました。ガラハッドは魂のこいねがうものを手に入れ、わたしとパーシヴァルの腕にだかれながら亡くなりました。ガラハッドはこの世のもっとも奥深い神秘にあずかったのです。そのようなことが生身の人間に起きたら、そのまま生き続ける事などできません。そしてガラハッドは最後の息で、あなたに宜しく伝えてくれ、父上に自分の愛を伝えて欲しいと言い残したのです」
- 作者: ローズマリサトクリフ,Rosemary Sutcliff,山本史郎
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アーサー王最後の戦い―サトクリフ・オリジナル〈3〉 (サトクリフ・オリジナル (3))
- 作者: ローズマリサトクリフ,Rosemary Sutcliff,山本史郎
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2001/04/01
- メディア: 単行本
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