2012年に読んだ本のまとめ&オススメ本7冊を挙げてみる


新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。m(_ _)m

2012年も色々な面白い本を読んだので、まとめる

 さて、2012年中に書こうと思っていた毎年恒例の本まとめエントリが書き終わらなかったので、さくっと書いてしまおう。
 2012年はあまり本を読んだ記憶が無いな…と思って実際にブログを漁ってみたら確かに少ない。 
 数えてみると、44冊。暇潰しで読んでいた本などもも混じっていたりするので、読書冊数にはあまり意味は無いと思う。面白いのは、読んだ中の何冊かに電子書籍が入っているところだったりする。




 2012年は電子書籍元年なので、2013年は電子書籍二年という事で良いのかな。本当に、今年は遂に電子書籍が実用化レベルとなって普及した年だったと思う。
 個人的には、インプレス電子書籍リリースから始まり、楽天Koboの一連の騒動、そして、冬には長らく待ちわびた米Amazon社製Kindle Paper Whiteの日本発売があって、本当に電子書籍が一般化してきたなーというのを感じる一年であった。

http://www.ips.co.jp/news/2012/02/post_8.html

 僕は外出先で新しい本をダウンロードできることに魅力を感じ、Kindle Paperwhite 3Gを購入したけど実際の使用感としては、かなり実用化レベルであると感じている。

 特に良い所は、電池の持ち具合*1、そして画面のインク表示で目が疲れない点である、そして何と言っても軽くて小さな端末に、何冊もの本を入れて持ち歩けることだろう。

 対して未だ改善の余地がある点としては、ページ送りの際のリフレッシュが気になることや、ハイライトとメモを見返した時のUIが優しくないので、自分が何をハイライトにして、何をメモしたのかが一覧で見られない点だ。この辺りは機能改善で実現できるものだと思うので、今後の実装に期待したいと思う。

 ただ、電子書籍と紙の書籍が圧倒的に違うのは、本の厚みが感じられない点だ。
 右下に今自分がどのあたりを読んでいるか、パーセンテージで表示されるのだが、紙の本で視覚的に認識できるのと違い、自分が今どのくらいのボリュームを読み終わって、まだどれくらいのページがあるのかという事が非常に分かり難い。

 この辺りは、現時点での電子書籍の限界だと感じている。しかし、厚みを表現する(例えば、端末を傾けると本を横から見た時の表示を可能にする、等)事は技術的に可能だと思うので、こちらも今後の実装に期待したいと思う。

Contents

 だいぶ余談が長くなった!が、そのように電子書籍も遂に読書ログの中に入った2012年で僕が読んだ本の中からこれは面白かったという本を紹介したいと思う。今回は中途半端だが、今見返してみるとこれは面白かった、もう一度読みたい、という本が7冊出てきたので、順不同にに並べてみる。以下コンテンツ。

  1. 生命保険のカラク
  2. 星を継ぐもの
  3. チョコレート: 甘美な宝石の光と影
  4. ビブリア古書堂の事件手帖
  5. 非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門
  6. 日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く
  7. 食の500年史

生命保険のカラク

生命保険のカラクリ (文春新書)

生命保険のカラクリ (文春新書)


 今年読んだ本の中で何が面白かったかと言われればこの「生命保険のカラクリ」で間違いない。
 そもそもこの本を買ったきかっけというのは、僕自身が生命保険の仕組みについて全くの無知であったので、それについて勉強しようという目的で買ったものだった。
 しかし、分かりやすい説明と業界分析でその目的を十分に満たしつつ、更には、ここが肝であるのだが、著者である岩瀬さんが副社長を務めるライフネット生命の立ち上げに至った経緯、主には既存の生命保険業界に対する提言姿勢、が非常に明快で面白かった。
 ちなみに、このがん保険のカラクリという本も面白そうである。

http://hon.bunshun.jp/articles/-/1279
 
ちょっと他の本も読んでみよう、と思わせる明快な文章である。次は、岩瀬さんの他の本も探してみようか。

星を継ぐもの

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)


 これも面白かった。普段はあまり小説を読まない*2のだけれど、2012年は小説も読もうと思い、ずっと気になっていた「星を継ぐもの」を読み始めたが、これは傑作ですね。これまで読んでなくてすみません。
 読む前のイメージは、2001年宇宙の旅みたく宇宙船に乗って宇宙を舞台に繰り広げられる作品かと思っていたが、良い意味でそれを裏切られてこんな書き方もあるんだなァと改めて小説の面白さというものを感じた作品。
 宇宙人の痕跡から科学的なプロセスを経て真実を探求していくプロセスが非常に痛快。

チョコレート: 甘美な宝石の光と影

チョコレート

チョコレート

十人中九人はチョコレートが大好きだと言う。残る一人は嘘つきである。ーアンテルム・ブリヤ=サヴァラン

 チョコレートという観点から歴史を追うという、歴史書のような本。
 チョコレートに対する知識や見解なんて全く持っていなかったですが、チョコレートだけでこれだけの歴史があってそれを研究するというのはとても楽しそう…。
 この研究志向が相まって、今年は他にも一定の視点(食や宗教、道具、等)に関する歴史書をいくつか読んだのだけど、こういうの読むのはたまらんね。歴史万歳。
 チャーリーとチョコレート工場の原作という本があるので、こっちも読んでみたい。

ビブリア古書堂の事件手帖


 栞子さんが可愛い上に聡明で何とも楽しい。それに尽きる。
 そもそもこういうシリーズはラノベでやっても今は無数の新刊に埋もれてしまうしこうやって新書スタイルで出してくれるのは目に止まって有難い。内容は推理モノのラノベ
 舞台が鎌倉なのも個人的にはツボで、今年鎌倉に行ったばかりで本に出てくる地名や場所がイメージできたのが良かった。

非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門


 ロジカルシンキングの本は"ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル"辺りが有名だが、論文や論理展開を身につけるならばこの本の方が良いと思った。
 本の中で終始一貫して言われるのが「問題→結論→理由」という構成を作ること。
 論文の目的は相手に自分の分かりやすく説明することである。であるので、一番大事なのは伝達効率である。
 小説は伝達効率は意識しないが、論文では読み手によって解釈が異なってしまってはいけないので、どれだけ明快に論じられるか、という点がもう一つのポイントである。
 この「伝達効率」と「内容の妥当性」を文章に備えることができれば、誰が読んでも分かりやすい文章を書くことができる。

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く


 ブルー・オーシャン戦略とは言葉だけが一人歩きしているような印象を受けるが、事業経営における競争戦略の一つである。
 ブルー・オーシャン戦略とは、すなわちイノベーション戦略と同義だと認識している。
 すなわち、ブルー・オーシャンはそこにあるものではなく、新しく市場を作り出す必要があり、それにはイノベーションは必須である。
 本書では任天堂QBハウスアスクルiPhone等の事例を引き合いに出し、各企業がどのようなイノベーションを起こしたのか研究している。
 ブルー・オーシャン戦略の日本の本はこれが一番詳しいので、興味がある人は先ずこれを読むべき。

食の500年史

食の500年史

食の500年史


 世界中の国での料理の違い、食材の歴史、経済環境による料理の進化への影響等、普段は中々目にすることの無い内容で非常に面白い。
 特に、歴史背景がその国の料理に与えた影響を紐付けていくプロセスは非常に面白い。例えば、これ。

日本では侍が政治権力を握っていたが、彼らは経済的には衰退の道をたどっていたために、シンプルな料理が一つの芸術的表現へと昇華していったのはある種の必然であったと言える。

こうした流儀は徳川時代になると、日本の造園様式であるミニマリズム、すなわち最小の装飾で最大の効果を生むという原則の元で形式化され、簡素化された。…一方、庶民階級は江戸を中心に自由闊達な独自の食文化を開花させた。地方からやってきた出稼ぎ労働者のための安価な食べ物が求められるようになり、17世紀半ばに最初の蕎麦屋が開店した。

 こんなの読んだだけでワクワクする…メモの抜き書きを書いたもんはこちら。2013年はもっと沢山のジャンルで歴史を学びたいですね。

いじょう

 ちなみに、ブログエントリは2012年は80本も書いていたらしい。
 ちょっと書き過ぎではという感じもするが、抜き書きで終わらせているものもあるので良いとしよう。
 個人的には、ここ数年はあまりブログに力を入れるつもりは無いので、今年も同じくらいか、もしくはもう少し投稿数を減らしつつ、バランス良く書いた方が良いかなと考えている*3

*1:Amazonによると8週間連続でバッテリーが持つということだ

*2:小説はジックリ読むのが性に合っているのだが、それをやっているといつもとても時間がかかってしまうので避けていた

*3:週に1回だと大体48本になるので、そのくらいが丁度いいかなぁと思っている。

万能鑑定士Qの事件簿 1,2

1巻と2巻を読んで残りの3巻と4巻がまだ積読中である。ビブリア古書堂を読んだあとに買って読んでいた本。
キャッチフレーズは「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」というらしい。*1
伏線回収もそうだけど、何より凜田莉子の際立ったキャラクター素晴らしく、その知識で事件を解決していく様が痛快である。
こうしう推理小説は、メインとなるキャラクターの魅力が作品の善し悪しに大きく影響するが、その点で、凜田莉子のキャラクターは他の推理小説にはない独特の魅力を備えている。特に、女性探偵であるので、他のホームズや明智小五郎ポアロと比べても新鮮である。
このシリーズは既に18冊程出ているので、全巻読了までまだまだ先が長くて楽しみ。

Qシリーズ (小説) - Wikipedia

*1:読み終わってからWikipediaで調べて初めて知った。

ビブリア古書堂の事件手帖 1〜3


1巻から3巻読んだけど、鎌倉で暮らしたい感の高まりをものすごく感じた。
この古書っていうジャンルが面白くて、最近本を整理してもう読まないであろう本を売ったから尚更、古本の価値というのがこういう形であるんだなァと思った。
それから本の読み方が、本自体のストーリーだけじゃなくて著者の経緯や背景を知る読み方は純粋に面白いと思った。(これは当然そうなんだけど…毎回著者の事を知ろうと思っても本の内容が先行してしまって難しい)
内容は古書にまつわる簡易推理小説だけど、鎌倉の風景と何より栞子さんの雰囲気が相まって、非常に温かい雰囲気を醸し出しているのが何とも良い感じである。
そう言えば今年の夏に鎌倉に行ったけど、鎌倉の雰囲気はすごく良かったし僕も一度くらい鎌倉に引っ越してみようか。

星を継ぐもの

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

月面で真紅の宇宙服を着た人間の遺骸が発見された。この人物は何者なのか?
各国の組織に照会するも該当する行方不明者は居なかった。のみならずC14法による遺骸の年代測定では5万年前の結果が得られ、チャーリーと名付けられたこの人物の出自は全く謎であった。
その正体を探るために、物質を透過撮影できるトライマグニスコープが手配されると共に、その開発者であるヴィクター・ハントにも調査への参加が要請された。スコープを駆使して少しずつ齎された情報と数少ない所持品を元にあらゆる分野の学問を総動員した分析が始まった。だが、その指し示す事象は矛盾だらけだった。(Wikipedia

名作なのは知っていたけど全然読んだことなくて、かなり面白かった。。
予想していたのと違って、最初は2001年宇宙の旅みたいに宇宙に出掛けていってそこで起こるSFミステリーみたいなのを想像していたのだけど、違った。それが逆にすごい。
地球にいる科学者たちがチャーリーの残された痕跡から真実を突き詰めていく過程が、よくもそれほど書けるものだと。人間の空想バンザイ。宇宙面白い。
前に代官山蔦屋書店で宇宙専門書棚があったけど、もう一度アレ見に行きたくなった。こうなってくると他の作品も読みたくなってくる。
実は最初は「エンダーのゲーム」という本が読みたかったのだけど、それを探していたらこっちの本を買っていたという経緯があって。なので次はエンダーのゲームを読もうかと思っている。*1

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))

*1:エンダーのゲームはお知り合いの方に教えてもらって未だ読んでない

もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル)

memo

  • 「自分の強みをつくる」と一緒の書棚に置かれていたので買った。色々本読むけどそこまでの面白さは、という感じ。
  • 肌に合わないと読むのつらい。
  • 個人的にはペポバをやっていた時の話とかをそのままエッセイにした方が面白いのでは、と思う。
  • 言語化と概念化、同意を得られるように文章を書くという事とは。
  • 結局言ってることが自分の考え方に合致しなくて途中で読み飛ばして終わる。

自分の強みをつくる (U25サバイバル・マニュアル)

自分の強みをつくる (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)

自分の強みをつくる (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)

内容

  • なりたい自分になるには、未来の自分をロールモデルにして演じる、とかって話だったと思う。前の「なりたい自分になる77の方法」の進化版という位置づけなのでは。
  • 自己分析とブログを使ったセルフブランディング、とコンセプト作り。
  • 自分のキャラクターを作って演じる。
  • 演じている自分が他の人からどう見えているか

この本買ったのが発売された時だから、8月くらいだったと思うけど、メモが残っていない。これからは全ての本の電子化が待たれる。そもそも未だにテキストデータが電子化されないの謎…。
本のレビューが電脳で簡単に残せる時代まだ?