2010-01-24
■[読書]無常の月
- 作者: ラリイ・ニーヴン,小隅黎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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なぜかアマゾンに二つ同じ本があるんだけど、これはいったい。
ニーヴンの短編集。小説ではなく、小話ゾーンがあり、「スーパーマンの子孫相続に関する考察」など非常にバカバカしい(褒め言葉)。
その他の短編のネタは現在では見慣れてしまっているような平行宇宙にまたがる自己についての「時は分かれて果てもなく」やドナー社会ディストピア「ジグソー・マン」など古臭いを一周してビンテージの味わい。バカバカしい上にこちらもなんか青いあんちくしょうを思い出す「路傍の神」のようなSFらしいスケールあるホラ話も。「マンホールのふたに塗られたチョコレートについてきみには何が言えるか?」もその系統か。
タイトル作に顕著だが、全体に登場人物が聡明で過剰にうろたえたり、予断によって間抜けな行動をしたりもしない。科学的冷徹さが彼らの行動をまともにし、突き詰められた思考が人智を超えていることを冷静に肯定するゆえに、読後感はどこかじんわりとした悲哀がある。この賢さは、油断するとSFファンにありがちな選民思想とか優越感につながるので、バランスの問題よなあとは思った。ここに収録されている作品はそういうところに堕す手前でなんとか踏ん張っているのではないかと思う。「マンホール〜」なんかはちょっと怪しいが。
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